前回はパッケージ製品とオーダーメイド製品の違いについて説明しました。
そして、時給と開発費の話にも触れました。
結論として、開発は思ったよりお金が掛かる。予算がないなら「パッケージ製品」にしろ、というオチがつきました。
やっぱり予算がない場合はパッケージ製品になってしまうんでしょうか?
身も蓋もない話なのですが、「パッケージ製品」だけだとダメだったりします。
言い換えると無料だけだと無理があるです。
え~~~どうすれば……。
例えば、WordPressには無料の公式プラグインやテーマがあるわけですが、それだけでやりたいことができた試しはありせんよね?
やはりなにか足りない、どこかおかしいということになると思います。
なんだか服が身体に合う・合わない問題に似てますね。
そうですね。万人ウケのものは個人ウケが悪かったりします。
それが「パッケージだから」と言えばそれまでなのですが、解決するには「カスタマイズ」をするしかありません。
幸運なことにWordPressは「カスタマイズ」を前提に作られています。DIY至上主義です。
では、自分でカスタマイズすればいいんですか?
ただし問題があります。
WordPressのカスタマイズポイント問題です。
カスタマイズポイント問題??
どんなにDIYだ! カスタマイズだ! と言っても、ありとあらゆることがカスタマイズできるわけではないんですね。
カスタマイズは「カスタマイズポイント」がある場所だけなんです。
カスタマイズポイントってなんですか?
「カスタマイズポイント」の多くはフィルターとかフック、パブリックな関数という形で提供されています。
ユーザーは開発者が用意した「カスタマイズポイント」を使ってカスタマイズすることができます。
逆に言えば、開発者が「カスタマイズポイント」を用意していなければカスタマイズは一切行うことができないんですね。
あーなるほど。
カスタマイズポイントって開発者が用意した「カスタマイズしても良いよ」っていう場所なんですね。
その通りです。
カスタマイズポイントが多いプラグインやテーマほど汎用性が高く、高度なことができるようになります。
やっぱりカスタマイズポイントがないとカスタマイズできないんでしょうか?
正確に言うとまったくできないわけではなく、困難を極めることになります。
例えばWordPressの構成ファイルは基本テキストファイルですが、「カスタマイズポイント」を無視してプログラムを編集することができます。
ただその後が問題です。
なにが問題になるんでしょうか?
WordPress本体もプラグインもテーマも定期的にアップデートがあります。
アップデートをすると編集したファイルは全て消えてしまうんです。
ですので、「カスタマイズポイント」を無視して変更を加えてもアップデート後に元に戻ってしまうため、再度修正する必要があるんですね。
アップデートすると消えちゃうんですね……。
それぐらいどうってことないと思う人もいるかもしれませんが、怖いのは次のアップデートで内容がどうなっているか分からないことです。
同じ箇所を同じ様に修正できることもあれば、コードががらりと変わっている場合もあります。
仮にそのプラグインで毎月数十万円を稼いでいたとしたら、アップデート後にプラグインが停まってしまうことがあるわけです。
うわっそれは恐いですね。
無料のプラグインを数十点組合せていると、確率的にこういった怖いことが起きてしまいます。
商用でサービスを展開しているなら、運が悪ければサービス再開を断念、ということも起こりえます。
結構、頻繁に起きるんでしょうか?
結構、頻繁にありますね。
クラウドソーシングのランサーズやクラウドワークス、ココナラに依頼される案件に、「改造したプラグインやテーマが動かない、なんとかしてくれ早くぅ」という内容が多いことから稀に起こることではなく、よく起こる問題です。
なにげにマズくないですか?
身近な例を紹介します。
オンラインサロンやマッチングサービスをWordPressで構築するのが人気です。
人気の理由は安く構築できるからです。
でも結構すると思うんですが……。
WordPressを使わずに構築していた頃の費用と比較すると、数百万規模の開発費が20~30万円代にまで下がっています。
確かにー。以前と比べるとだいぶ安くなったんですね。
ではなぜ安いのかというと、「パッケージ製品=無料プラグイン」を使っているからです。
それでいいじゃん! と言いたいところなのですが、前述したような問題がよく起きるんですね。
そして、その責任は無料プラグイン開発者にはないし、責任もとりません。
動かなくなったら開発を依頼したユーザーが泣きをみることになります。
それは確かに泣きたくなりますね。
とあるオンラインサロン構築サービスを展開する企業が手掛けたWordPressの中身を見てみたら、無料プラグインをパクって名前を変えて納品していた、ということもあります。
無料プラグインの名前を変えているのでアップデートはされません。
アップデートされないとどうなるんですか?
アップデートがされなければ確かに問題が新たに発生することはないのですが、その代わり機能が改善されることもありません。
また、追加でこういった機能が欲しいというニーズにも応えられません。
※元々他人が開発したものなので、その会社でどうこうできる人材がいないのです
よって、納品したわずかな間に細々とした問題が噴出することになります。
安く早く構築できても長続きしないんじゃ意味がないですよね。
ネットで検索すると「パッケージ製品=無料プラグイン」でなんとかできる、という情報はたくさんあるのですが、何かあったときと、その先を求めたい場合は独学では限界があるんですね。
なぜかというと、前提としてそれぞれ異なる設計思想を持つ開発者の制作物の上にブロックを置かなければならないからです。
余程の知識がないと1年以内にサービスが停止する可能性が高いです。
1年は短すぎます!
商用で運営していてせっかく軌道に乗ってきたのに停止となったら悲しすぎますよね。
でもWordPressってそういうことが多々あるんです。
理由は先程述べた通り、色んなものを組みわせてモザイクのようにして構築されているからです。
運が悪いとプラグインの開発が停止することだってあります。
無料のパッケージを扱えるのはそれなりに知識がある人だけなんですね。
そうですね。
プログラムとデザインができる人であれば対処のしようがあるとは思うんですけど、一般人はどうにもなりませんね。
他人任せは楽ですけど私みたいな素人にはリスクがあるんですね。
そういった怖さもあって、私はオリジナルプラグインを開発しています。
なるべく自分が作って自分が管理できるものだけで構築しています。
無料プラグインと比べてコストは掛かりますが、自分が設計と製造しているだけあって魔改造することもできます。