「人のために生きる」は、他人軸なのか?

「人のために生きる」は、他人軸なのか?

記事
コラム
「人から感謝されたい」

「誰かの役に立ちたい」

「人のために何かをしたい」

こういう気持ちを持っている人は、少なくないと思います。

一方で、

「それって他人軸じゃないの?」

と思うこともあります。

相手が喜ぶことをする。

相手が求めていることをする。

相手から感謝されることで満たされる。

そう考えると、確かに「自分ではなく、相手を基準に生きている」とも見えます。

私自身、ここについてずっと少し引っかかるものがありました。

でも最近、自分の中で少し整理されてきました。

結論から言うと、

人のために行動することと、他人軸で生きることは、同じではない。

私はそう思っています。




大切なのは「誰のためか」より「自分で選んでいるか」


例えば、

「嫌われたくないから、相手の言うことを聞く」

「評価されたいから、人に親切にする」

「良い人だと思われたいから、礼儀正しくする」

これは確かに、相手の評価に自分の行動を委ねています。

他人軸に近い状態なのかもしれません。

でも、

「この人に喜んでもらいたい」

「この人の今日一日が少しでも良くなってほしい」

「だから私はこうしたい」

と思って、自分で行動する。

これは全く違うと思うのです。

相手のために行動しているけれど、

その行動を選んでいるのは自分です。

つまり、

「人のために行動することを、自分で選ぶ」。

これは十分、自分軸ではないでしょうか。




例えば「挨拶」を誰のためにしていますか?


とても小さな話ですが、

挨拶を考えてみると分かりやすいと思います。

「おはようございます」

私もこれまで、元気に挨拶することを大切にしてきました。

でも振り返ってみると、

「挨拶はちゃんとした方がいい」

「明るく挨拶できる人でありたい」

という、自分のための行動だった部分もあったと思います。

もちろん、それが悪いわけではありません。

でも、

目の前の人を見て、

「この人が今日一日、気持ちよく過ごせたらいいな」

と思いながら、

「おはようございます」

と言ったらどうでしょう。

同じ言葉です。

でも、その言葉に乗るものは、まったく違ってくると思います。

そして不思議なことに、

相手のためを思ってした挨拶によって、

自分自身の心も満たされていく。

私はそこに、人のために行動することの面白さがあると思っています。




「ありがとう」も同じかもしれない


仕事でも、

誰かが発言したあとに、

「ありがとうございます」

と言うことがあります。

でも、

本当に「ありがとう」と思って言っているでしょうか。

礼儀だから。

会議を円滑に進めるため。

そう言うものだから。

そんなふうに、無意識に言っていることもあると思います。

そこに、

「発言してくれてありがとう」

「あなたが話してくれたことで、この場が前に進んだ」

という気持ちを一つ加える。

すると、

同じ「ありがとうございます」でも、

コミュニケーションの質は変わります。

相手にも、きっと何かが届きます。




行動の「目的」が変わると、人生の質が変わる


私たちは毎日、

ものすごい数の小さな行動をしています。

挨拶する。

話を聞く。

お礼を言う。

メールを返す。

ドアを開ける。

誰かを手伝う。

その一つ一つは、本当に小さなことです。

でも、

人生は、その小さな行動の積み重ねです。

「ちゃんとした人に見られたい」

「怒られたくない」

「評価されたい」

という目的で何万時間も行動するのか。

それとも、

「この人に少しでも気持ちよく過ごしてほしい」

「この人の役に立ちたい」

と思って行動するのか。

同じことをしていても、

積み重なった先にある人生は、

かなり違うものになるのではないでしょうか。




「自分を満たしてから、人を満たす」だけじゃなくてもいい


私は以前、

まず自分を満たす。

そして、自分が満たされた結果として、人に貢献する。

そんな順番が大切なのではないかと考えていました。

もちろん、それも一つの考え方です。

自分を犠牲にしてまで、人のために尽くす必要はありません。

でも最近は、

逆の順番もあると思うようになりました。

人のためを思って、自分から行動する。

その行動によって相手が少し嬉しくなる。

そして、その姿を見て、自分も満たされる。

そんな満たされ方もある。

人によっては、

むしろこちらの方が大きなエネルギーになることもあるのではないでしょうか。




人のために行動できる自分を、自分が認める


ここが、私の中では一番大切です。

相手のために何かをした。

そして、

「人のために、こういう行動を選べる自分なんだな」

と自分自身が認める。

相手から「ありがとう」と言われるかどうかは、その次です。

相手の反応を求めているわけではありません。

自分がどうありたいかを、自分で決め、その通りに行動した。

そこに、自分軸があるのだと思います。




今日一日、

自分の行動を少しだけ振り返ってみてください。

この挨拶は、何のためにするのか。

この「ありがとう」は、誰に何を伝えたいのか。

この行動は、人からよく見られたいからするのか。

それとも、

目の前の人を少しでも幸せにしたいからするのか。

大きなことをする必要はありません。

一つでもいい。

「今日は、この人のためにやってみよう」

そう思って、自分から選んで行動してみる。

そんな小さな行動が積み重なっていくことが、

人生を豊かにする一つの財産になるのではないか。

私は、そんなふうに思っています。



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