就活生の皆さん。面接の場では自分だけが評価され恐怖を感じていると思っていませんか?
でも実は面接官側も面接の場に強烈な恐怖を感じていることを知っていましたか?
今回は人事歴10年の視点から、あまり表には出したくない採用の裏側とそれを逆手にとった負けない面接突破戦略をお伝えします。
面接官が抱える最大の恐怖
面接官が抱く恐怖。それは「完璧なテンプレで武装した本音が見えない学生を採用してしまうこと」です。
なぜそれが怖いのか。少し残酷かもしれませんが裏側をお話しします。 それは「その学生を誰が評価し誰が入社させたのか」という事実が社内にずっと記録として残るからです。
見栄えの良い言葉だけで採用した学生が入社後に全く違うキャラクターだったり、すぐに辞めてしまったり、入社後にパフォーマンスが上がらなかった場合誰の責任になるか。 そう、採用した人の責任です。
もちろん育成に関わった人や一緒に働く周囲にも視線は行きますが、最終的に採る時点に関わった人は責任を免れません。 実際に「あの人は誰が採用したのか?」「入社時点できちんと本音を聞き取れていたのか?」という話が浮上する現場を人事を10年やっていると何度も見てきた事実があります。
会社において「人を見る目」は出世に関わる
さらに会社において「人を見る目があるか」は人事評価制度などで直接的に謳われることは少ないものの、その人の会社内での評価においてとても重要な指標になります。
少し考えていただければわかると思います。 「人を見る目がない」という烙印を押された人は出世できるでしょうか?その人に部下を持たせたいと判断されるでしょうか?当然その影響は出世に関わる話だけにとどまりません。
面接の裏側でおきているリアル
もう少しリアルな裏側を書きましょう。
面接って以下の構成のことが多くありませんか?
・1次面接は人事や若手社員
・2次面接は課長や部長などの管理職
・最終面接は役員クラス
ここで何が起きているか想像できますか?
面接官には、「次の面接官への申し送り」という重要な業務があります。 「自分はこの学生をこう評価した」ということを次の面接官に伝えるのですが、その次の面接官とは誰でしょうか?そう、その面接官の上司になるわけです。
多くの会社では役員が経営戦略やビジョンを掲げ、それをもとに事業をスケールさせるための人員計画というものを立てて、管理職、若手社員など、採用関係者に落としていきます。
つまりどういうことが起きているか?
面接官の「人を見る目」は「自身の事業やチームへの解像度の高さ」として上司に翻訳されるのです。
上司たちは基準に合わない人が自分の面接ステップに送られてくるとこう評価を下します。「なぜあの社員はこの学生にこんな高い評価をしたんだ。まだ事業のことや経営方針が分かっていないのか」と。
だから面接官はもしかしたら就活生の皆さん以上に面接が怖いんです。
端的に採用した面接官自身の評価が大きく傷つく恐れがあるからです。だからこそ面接官は絶対に失敗できないというプレッシャーの中であなたと向き合っています。
お分かりいただけたでしょうか?
面接官が「怖い」学生の典型
今の時代、ネットを探せばあるいはAIを使えば100点の志望動機やガクチカは誰でも作れます。 しかし、その完璧なテンプレでガチガチに武装して面接に挑むのは実は最も危険な行為です。
面接官からすれば本音が見えない学生ほど得体の知れないリスク物件に見えます。 つまり等身大の自分を自己開示しない学生は入社後のリスクが極めて高いと判断され、その時点でお見送りとなってしまうのです。完璧な武装がもたらす悲劇ともいえます。
面接官の「恐怖」を逆手にとる戦略が最強
ではどうすればいいのか。 この面接官の恐怖を逆手にとり相手を安心させて面接合格を勝ち取ればいいのです。
そのための最強の戦略が「武装解除」です。 見栄えの良いテンプレの重い鎧を脱ぎ捨ててあなたの等身大の経験や素の感情を自分の言葉で語ってください。
少し不器用でも弱みを見せてでも自己開示してくれる学生に出会った時、面接官は安心します。 この子は嘘をついていない。この子なら入社後も信頼して一緒に働ける。 そう思わせた瞬間にあなたの勝ちが近づきます。
でもまだこれでは勝てません
でも、武装解除したらその会社に合わないのがバレるのでは?と思いますよね。
はい、そこは半分その通りです。もしあなたの本質がその企業と本当に合っていないのであれば残念ながらお見送りになることはあります。
しかし、ここで現役人事としての見解をお伝えします。就活生の多くの皆さんは「できる学生像」や「できる若手社員像」に対して強烈なバイアスにかかっています。
・みんなを引っ張るリーダーシップや行動力がないと評価されないと思い込んでいませんか?
・ゼロから企画を立ち上げた経験や、サークルの危機を救った劇的なエピソードがないと就活弱者だと錯覚していませんか?
・どんな質問にも一瞬で論理的に答える隙のないコミュニケーション能力が優秀の証だと信じ込んでいませんか?
人事の専門家として断言します。それはSNSやメディアが作り上げた完全な幻想です。
企業という組織のリアルを想像してみてください。
・全員がリーダーシップを発揮する組織なんてありません
・全員が会社の新規事業に携わるわけではありません。携わっていたとしても本当のクリエイティビティは一握りの人が担っています
・質問にクイックに回答できるかという面接評価項目を人事10年間で私は見たことがありません。
それよりも論理的に考えられるか、本質的に洞察できるかといったことが基準に落とされていることが圧倒的に多いです。
それゆえ面接で起きている構図は以下のようなケースが非常に多いです。 少し残酷ですがあえて今回は書きます。
学生視点↓↓↓
・よしこの質問は予習通り
・やっぱりあの先輩の言ってた通りで聞かれると言ってた質問がきたぞ!
・前の面接でも聞かれたことあるし、そのときよりもうまくしゃべれるようになったやつ!
・スラスラ喋れた
面接官の頭の中↓↓↓
・それらしく喋っているけど中身がないな
・さっきの学生と同じことを言っているな
・きっとSNSなどでうちの会社の質問集がばらまかれているんだろうな
・前の質問よりも流暢になっているから用意バッチリの暗記だったんだな
・この内容で企業分析ができていると勘違いして語気が強くなっているのが残念だ
こんなすれ違いが毎日毎日繰り返されています。
面接官が本当に聞きたいこと
こうならないために、実際のビジネスの現場で面接官が本当に欲しいと思っているのは、別の能力だということを認識してほしいのです。
・誰もやりたがらない地味な実務を最後までやり切る完遂力
・チーム内の意見の対立を静かに調整しリスクを未然に防ぐ調整力
・派手な実績はなくても周囲のモチベーションを下支えするフォロワーシップ
面接官はこうした部分を見極めるために面接においてあなたの「本当の言葉」や「等身大の強み」を必死に探しています。 つまり、あなたが「合わないのがバレる」と恐れているのは、あなたの思い込んだ偏った理想像に合わないと恐れているだけなんです。
さらに、嘘の鎧を着て内定をもらい入社することこそ社会人生活における最大の地獄の始まりです。 入社後あなたは毎日その重い鎧を着たまま周囲の期待に応える演技をし続けなければなりません。 合わない会社に落ちることは実はあなたの心とキャリアを守るためのセーフティネットなのです。一定の経験を積んだ面接官がマッチしないと判断するのならその判断は正しいと言い切れます。
つまり、等身大の自分を開示しつつ、それを面接官が納得するビジネスの価値として語る。 これこそが私がお伝えしたい「等身大の自分の翻訳」という最強の戦略です。
あなたの内にある本質をきちんと面接官に届く言葉に翻訳して語る。これこそが面接官もあなたも安心した面接と、そして入社後の活躍に繋がります。
とはいえ長年着込んでしまった鎧を一人で脱ぎ面接官を安心させる等身大の言葉を見つけるのは非常に難しい作業です。 もし一人で自己分析や言語化に悩んでいるなら国家資格キャリアコンサルタントであり人事歴10年である「キャリアのひなた」を壁打ち相手として頼ってください。
現在、個別面談を受け付けています。 対話を通じてあなたの不器用で地味かもしれない経験を面接官の心に刺さる強みへと翻訳します。 ぜひ就活は一人で悩まず人に頼ってください。