ちゃんと座らせなきゃ」と思っていたあの頃の話
まる太郎は、とにかくよく動く子でした。
本当に、止まっているところを見たことがないんじゃないかって思うくらい。
それは食事中も同じで、
まず座っていられない。
気づいたら立ち上がってるし、
テーブルの上のものに手を伸ばしてるし。
ある時なんて、おかずのサンマを手づかみして、
そのまま頭にぬりぬり…。
しばらく、頭が魚のにおいでした(笑)
今ならちょっと笑えるけど、
その時の私は正直、余裕なんてなくて。
「ちゃんと座らせなきゃ」
「ちゃんとできるようにしなきゃ」って、
ずっと思っていました。
それは、まる太郎のため。
この先、幼稚園に入ったら
座っていられないと困る。
周りの子と同じようにできないと、
この子が困るかもしれない。
だから、ちゃんとしなきゃ。
ちゃんとしなきゃ。って。
今思えば、
「ちゃんと」とか「普通」って何なんだろうって思うけど、
あの頃の私は本気で、
子どものために必要なことだと思っていました。
そしてある日、
どうにかして座らせようと思って、
椅子に座らせたまる太郎を、
ベルトで固定しました。
それも、子ども用じゃなくて、
大人が使うガチャベルト。
どこでも締められるから、
抜け出せないくらい、きつく。
今思うと、
ちょっとやりすぎだったかなって思います。
でもその時は、
どうしたらいいか分からなくて、
ただただ必死でした。
座っていられないと、これから先困る。
だから今、なんとかしなきゃ。
そんな気持ちでいっぱいでした。
あの時のやり方が正しかったのかは、
正直、今でもわかりません。
もしかしたら、何もしなくても
いつか座れるようになっていたのかもしれない。
でもあの頃の私は、
それくらい追い詰められていて、
それくらい一生懸命だったんだと思います。
もし今、同じように
「ちゃんとさせなきゃ」って頑張っているお母さんがいたら、
それだけ子どものことを考えているってことだと思います。
うまくいかなくても大丈夫です。
あの頃の私みたいに、
必死に向き合っているだけで、
ちゃんと十分頑張っています。