「これなら、楽勝です」
設計をしていると、そう思う瞬間があります。
構造も単純。
似たような前例もある。
特別な技術も必要ない。
図面もすぐ描けそうだし、問題は起きないように見える。
しかし、20年以上設計に関わってきて分かったことがあります。
「楽勝」と思った設計ほど、後で必ずハマる。
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簡単なのではなく、「見えていないだけ」
新人の頃、先輩が慎重に検討している案件を見て、
「そこまで難しくないのに、なぜ悩んでいるのだろう」
と思ったことがあります。
自分なら、もっと早く設計できると。
しかし実際に担当してみると、
・取付スペースが足りない
・工具が入らない
・既存設備と干渉する
・強度は足りているのに、たわみが問題になる
・ワークが複数ある
次々と問題が出てきました。
図面上では簡単に見えても、
実際の現場には、見えていない条件が無数にあります。
簡単なのではなく、
自分に見えていなかっただけでした。
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営業を経験して、同じことを学んだ
私は設計だけでなく、営業も経験しました。
その中で、見積の失敗を何度も経験しました。
図面を見る。
構造もシンプル。
加工も難しくなさそう。
「このくらいの工数だろう」
そう判断して見積を出します。
しかし実際には、
・想定より調整工数がかかる
・現地対応が必要になる
・追加工が発生する
・過剰な品質を要求される
結果として、
大きく工数オーバーになりました。
その時も同じでした。
仕事が簡単だったのではなく、
難しさが見えていなかっただけでした。
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ベテランほど、「楽勝」と言わない
経験を積むほど、分かってきます。
一見簡単な構造でも、
・なぜこの形状なのか
・なぜこの寸法なのか
・本当に問題は起きないのか
を疑うようになります。
そして、軽々しく
「楽勝です」とは言わなくなります。
本当に怖いのは、難しそうな設計ではありません。
簡単そうに見える設計です。
油断が生まれるからです。
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設計の仕事は、「見えていない問題」を見つけること
CADで図面を描くことは、作業です。
しかし設計の本質は、
まだ起きていない問題を予測することです。
干渉
変形
振動
組立性
保守性
客先の担当者の性格
それらを事前に見つけ、対策することです。
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「楽勝です」と思ったときこそ、立ち止まる
もし設計中に、
「これは簡単だ」
「楽勝だ」
と思ったら、一度立ち止まってください。
まだ、見えていないだけかもしれません。
経験を積むほど、
設計は簡単にはならないことに気付きます。
ただ、
見えるものが増えていくだけです。
そしてそれが、
トラブルを防ぐ設計者への第一歩だと思います。