「インスタで人気のペンダントライトを買ったのに、なぜか部屋が暗い」その本当の理由と、プロが教える解決策

「インスタで人気のペンダントライトを買ったのに、なぜか部屋が暗い」その本当の理由と、プロが教える解決策

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せっかくの家づくり。Instagramで夜な夜なステキなお部屋をチェックして、「これだ!」と思うお気に入りのペンダントライトを見つける。それは家づくりにおいて、最も楽しい時間の一つ・・・かもしれませんね。

しかし、いざ新居に取り付けて夜を迎えてみると、なんだかイメージと違う。 「雰囲気はいいけど、手元が暗くて本が読めない」 「お洒落なはずなのに、なぜか部屋全体がどんよりして見える」
これって実は、インテリアの現場ではめっちゃくちゃ「あるある」な話。
「照明の落とし穴」・・・とは大げさだけど、詳しくない方にはなかなか気付きにくい事なので、今日のところはちょっと大げさに言っとこうと思います。

今回は、見た目だけで選ぶと陥りやすい照明の失敗と、私たちインテリアコーディネーターが何を計算して「心地よい光」を作っているのか、その裏側というか、「なるほど、そりゃそうだ」な話をします。


1. 「ワット数」だけでは明るさは測れない

いまだに「ワット数」で明るさが語られる現在。ほぼLEDに入れ替わって、実際の消費電力なんて5ワットくらいしか無いのに、多くの人が、照明を選ぶときにワット数で明るさを想像して買っている。まあ、それが一番わかりやすいから仕方ないんだけど・・・。カタログにだって「60W相当」とか書いてるしね。

もちろんそれで判断してもかまわないんですが、明るさというのはそれだけでは正しく想像できないのですよ。

プロが最初に見るのは、明るさの量を示す「ルーメン(lm)」と、もう一つ、最も重要な「配光(はいこう)」です。

ルーメンは、光源が全方向に放射する光の合計量、つまり「明るさ」のこと。カタログにも必ず書いてます。数値が高いほど明るくなります。ワット数よりこっちのほうが明るさの参考になりますから、覚えてね。
そして配光とは、簡単に言えば「光がどの方向に、どのくらいの強さで広がっているか」という設計のこと。

例えば、インスタで人気の真鍮製やマットな質感のシェード(傘)がついたライト。 これらは光が下にしか落ちない「集光型」であることが多いです。テーブルの上は明るくなりますが、天井や壁は真っ暗なまま。人間は「壁や天井が明るいこと」で部屋の広さや明るさを認識するため、いくら高価なライトを灯しても、部屋全体が暗く感じてしまいます。

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もちろんこれが悪いのではなくて、「なんか暗い」と感じてしまう原因、ということです。これ「だけ」で生活するのはちょっと無理がありますね、素敵ではあるんですけど。

2. 「一室一灯」の限界

以前も書きましたが、日本の古い住宅では、天井の真ん中に大きなシーリングライトを一つ付ける「一室一灯」が主流でした。これなら部屋の隅々まで均一に明るくなりますが、のっぺりとした印象になり、せっかくの家具の質感も死んでしまいます。

一方で、お洒落な家は「多灯分散(たとうぶんさん)」という手法を使います。 ペンダントライトを主役にしつつ、足りない明るさをダウンライトや間接照明で補う方法です。

ここで失敗が起きる理由は、「主役のペンダントライトに、明るさまで期待しすぎてしまう」こと。照明はオールマイティじゃない。「役割」があるのですよ。

ペンダントライトは、あくまで「空間のアクセント」や「食卓を彩るスパイス」として捉えるのが正解です。部屋全体の明るさは、写真には写りにくい「地味な照明(建築化照明やダウンライト)」に任せる。この役割分担ができていないと、おしゃれと実用性は両立できません。

3. プロが図面で計算していること

私たちが照明プランや電気図面を作る際、頭の中(あるいはシミュレーション)で計算しているのは、こんなこと。

壁との距離: 壁に光を当てて、反射光で部屋を広く見せているか。

光の重なり: 照明同士の光がぶつかって、不快な眩しさ(グレア)を生んでいないか。

床面の照射範囲: 実際に作業をする場所(キッチンや机)に、必要な光が届いているか。

これらは、完成した部屋の写真だけを見ても絶対に分かりません。図面という「設計図」の段階で、ロジカルに配置を決める必要があります。
案外、緻密なことやってるでしょ。(ドヤ笑)

後悔しない照明計画。できることって何?

家づくりにおいて、照明は「最後の仕上げ」だと思われがちです。でもね、実は電気図面を確定させる早い段階で、どんな暮らしをしたいかを決めておいたほうが絶対に、同じ間取りでも「空間の質」が断然良くなる。

「インスタの真似」は、感性を磨く素晴らしい一歩、ではある。
だけど真似したその画像の中に、あなたの間取りは考慮されてない。

デザインは素敵。間取りもカンペキ。だから、そこに「光の理屈」という視点を加えることで、あなたの家は「写真映えするだけの場所」から「心からリラックスできる一生の住まい」に変わります。

表面的なデザインの裏側にある、地味で、でも大切な「光の設計」。 それこそが、家づくりを成功させる最大の鍵!なのですよ。
と、あんまり広くは届かないかもしれないけど、声を大にして言いたい。

【保存版】後悔しないための「照明選びのチェックリスト」

新築やリフォーム・リノベで照明計画をしてる方。
3つ以上チェックが外れる場合は、一度プランを見直す必要があるかもしれません。

□ 「主役」と「脇役」の役割分担ができているか
お気に入りのペンダントライト(主役)に、部屋全体の明るさを求めていませんか?主役は「雰囲気」を、ダウンライトや間接照明(脇役)は「必要な明るさ」を。役割を分けるのが失敗しないコツ。

□ 壁面(垂直面)が照らされているか
人間は床よりも「壁」が明るいことで部屋の広さを感じます。部屋の四隅が真っ暗になっていませんか?スポットライトやブラケットライトで壁を照らす計画があるか確認しましょう。

□ 「光の色(色温度)」は統一されているか
同じ空間の中に、青白い光(昼光色)とオレンジ色の光(電球色)が混ざっていませんか?リラックスしたい場所なら電球色〜温白色で統一するのが鉄則です。

□ 視線に入る場所に「眩しい光」がないか
ソファに座ったときや寝室で横になったとき、電球が直接目に入りませんか?光源が隠れるデザインの器具を選んでいるか、位置をずらしているかチェックが必要です。

□ 「作業する手元」に影が落ちないか
キッチンや書斎の照明が、自分の背中側にありませんか?自分の体が影を作ってしまい、作業効率が落ちるケースが非常に多いです。

□ 家具のレイアウトと照明が連動しているか
ダイニングテーブルの真上にペンダントライトが来ていますか?将来的に模様替えを予定しているなら、ダクトレールを採用して位置を調整できるようにしておくと安心です。

どうでしょう。どれも「そりゃそうだ」な内容だけど、実際に照明を計画している最中には、デザインなど気を取られる要素が多すぎるから、気付きにくいんですよね。
賃貸住まいの方も、お部屋の雰囲気を考えるときはまず照明から、です。このチェックリストを参考にしてみてくださいね。
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