「明るい家」が、あなたを疲れさせている!?――照明デザインの衝撃の真実

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「あぁ、今日も疲れた……」
そう言ってクタクタで帰宅した玄関。リビングのスイッチをパチリと入れた瞬間、部屋中が隅々まで「パッ!」と明るくなる。一見、清潔で機能的な光景ですよね。でも、なぜか心が休まらない。ソファーに座っても、スマホをいじっていても、「くつろぎ」という言葉がいつまでも訪れてくれない。落ち着けなくてどこか「活動モード」のまま。

無意識にこういう状態になっている人、けっこう多いはず。

あなたが家でリラックスできないのは、性格や家具のせいではありません。その「光」が原因かも。
私、インテリアコーディネーターと電気工事士をしております。これをプロと呼んで良いかはわかりませんがあえて「照明のプロ」という立場に立って、断言します。

日本の住宅の多くは、明るすぎ!!なんです。


脳は、明るいと仕事したがる社畜である。

なぜ明るすぎると疲れるのか。それは私たちの「生物としてのリズム」に答えがあります。難しい話じゃないからちょっとだけ説明させて。

人間には、太陽のリズムに合わせて活動する「体内時計(サーカディアンリズム)」が備わっています。セロトニン(昼・覚醒)とかメラトニン(夜・睡眠)ってよく聞きますよね。本来、夜になれば脳内で「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌され、体は自然と休息モードに入ります。

なのに、夜のリビングでコンビニのようなピカー!っていう強い光(特に青白い光)を浴び続けると、脳は「えっまだ昼間!? 働かなきゃ!」と勘違いしてしまいます。メラトニンの分泌が止まり、自律神経は交感神経(活動モード)に振れたまま。これでは、どんなに高級なソファーに座っていても、脳が本当に休まることはありません。
日本の「明るい夜」は、知らず知らずのうちに私たちの脳を働かせていた。24時間闘えますか・・なんてCMあったよね・・(古)それが脳の中まで強制されていたかと思うと、想像だけでどっと疲れる。
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24時間闘えますか、といえば?とAIに聞いたらこれが出てきたw
シーリングライトでこうこうと照らされた脳内がコレだって言われると、なんか納得してしまう。

日本を縛る「一室一灯」という文化の呪い

では、なぜ日本の家はこんなに明るいのか。
これもまた難しい話じゃないからちょっとだけお付き合いを。

戦後、日本にとって明るさは「豊かさ」と「近代化」の象徴でした。暗い部屋を隅々まで白く照らし出すシーリングライトは、まさに憧れの象徴だったのです。そう考えると、シーリングの白い光・あの存在感って「高度経済成長!」ってイメージですよね(わかる?)
その結果、日本では「一つの部屋に、一つの大きな電気(一室一灯)」というスタイルが定着しました。

でも、海外の住宅や一流ホテルのラウンジを思い出してみてください。 天井に大きな電気なんか付いてない。(あるのはめっちゃ大きいシャンデリア。あれは照明であっても照明ではないね。)
天井からの光ではなく、低い位置にあるスタンドライトや、壁を照らす間接照明がいくつか置かれているだけ、ですよね。高級であればあるほど、強く光らない、照らさない。それはなぜ。

彼らは照明を「暗いところをなくす道具」ではなく、「過ごし方をデザインする道具」として捉えているから。食事をする場所、本を読む場所、ワインを飲む場所。それぞれに必要な光を「点」で置き、それ以外をあえて「暗いまま」にしておく。この「光の濃淡」こそが、人をリラックスさせる懐の深い空間を生み出します。

照明デザインの正体は「影」を作ること

「照明の計画を立てる」と聞くと、多くの人は「どこにランプを置いて、どう明るくするか」を考えます。しかし、プロの思考は少し違います。

照明デザインの本質は、「どこを暗くするか(影を作るか)」を決めることです。

全てが見えすぎる部屋は、視覚情報が多すぎて脳が疲れます。一方で、適切な影がある部屋は、見せたい場所(お気に入りの椅子やアート、あるいは家族の顔とかも)が引き立ち、視線が落ち着く「居場所」が生まれます。影があるからこそ、部屋に奥行きが生まれ、空間が立体的に、そして上質に見えるのです。

「明るさ」は機能ですが、「影」は情緒です。今の日本の住まいに足りないのは、この影を楽しむ余裕なのかもしれません。

侘び寂び、おもむきなんて言ってた時代もあったのに。
働き過ぎて、余白を失ったまま現代へ。

でも今は、くらしも光も「選べる」時代です。


まずは今夜、天井の電気を「半分」にしてみませんか?


「暗くすると不便じゃない?」 「子供の勉強には明るさが必要でしょ?」

もちろん、その通りです。だからこそ、プロによる「照明プラン」が必要になります。必要な場所には光を届け、休む場所には影を置く。そのバランスこそが、QOL(生活の質)を爆上げする鍵になります。

いきなり家全体の照明を変えるのは大変ですが、まずは今夜、実験をしてみてください。

リビングのメイン照明を消して、キッチンカウンターのライトや、隅っこにある小さなランプだけで過ごしてみる。テレビの後ろにクリップライトを忍ばせて、壁を照らしてみる。
人じゃなく、「壁を」照らす。このほんのわずかな勇気、発想の転換で、新しい光と影が見えてくる。

少しの「暗さ」を受け入れた瞬間、驚くほど心がふっと軽くなるのを感じるはずです。

【次回予告】
「暗いのがいいのは分かったけど、具体的にどうすればいいの?」という方へ。 次回は、ニトリやIKEAで手に入る手頃なライトを使って、今日から自宅をホテルライクな空間に変える「光の3層構造」の作り方を具体的に解説します。工事不要、数千円から始められる魔法を伝授しましょう。

照明ひとつで、あなたの夜は、もっと贅沢になります。



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