更年期は“腸と膣”から整える──粘膜のゆらぎが教えてくれる体のサイン
更年期は「粘膜のゆらぎ」に目を向けてみよう
「最近、膣の乾燥が気になる」
「なんだか便秘がひどくなった」
更年期になると、こんな変化を感じる女性は少なくありません。
一見すると別々の悩みに思える膣の不調と腸の不調。
実はこの二つには共通点があります。
そのキーワードは 「粘膜」 です。
膣も腸も粘膜でできており、
女性ホルモンであるエストロゲンの影響を大きく受けています。
更年期になるとエストロゲンが大きく減少するため
膣だけでなく腸にもさまざまな変化が起こりやすくなります。
今回は「膣ケア」と「腸ケア」の意外なつながりについてお話しします。
1.更年期で「膣」に起こること
更年期はエストロゲンが急激に減少する時期です。
エストロゲンは膣の粘膜を健康に保つ働きをしているため、減少すると次のような変化が現れます。
・膣の乾燥
・弾力の低下
・ヒリヒリ感や擦れやすさ
・かゆみや違和感
・自浄作用の低下
・感染しやすくなる
・尿もれ
これらの症状は総称して
GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)
と呼ばれます。
中心にあるのは「粘膜の萎縮」です。
つまり、更年期の膣トラブルの多くは、
粘膜が弱くなったことによって起こっているのです。
2.実は腸にも同じことが起きている
更年期になると、
・便秘
・ガスがたまる
・お腹が張る
・下痢と便秘を繰り返す
などの腸の不調を訴える女性も増えます。
私の友人も更年期の頃、
「とにかく便秘がつらかった」
「いろいろ試したけれど結局下剤に頼っていた」
と話していました。
実は私自身も長年便秘に悩んできました。
毎朝スッキリ出ないと一日中なんとなく不快で、
漢方薬を飲みながら調整していた時期もあります。
腸は自律神経の影響を強く受ける臓器です。
エストロゲンが減る ↓
自律神経が乱れやすくなる ↓
腸の動きが低下する ↓
便秘やガス、お腹の張りが起こりやすくなる
という流れが生まれます。
だから更年期になると便秘や下痢など
腸の不調が出やすくなる。
膣の不調も腸の不調も、それぞれ別の問題ではなく、
更年期に起こる「粘膜のゆらぎ」のサインと考えることができます。
3.膣と腸がつながっている5つの理由
①どちらも「粘膜」でできている
膣も腸も表面は粘膜で覆われています。
粘膜の健康を保つために必要なのは、
・血流
・自律神経
・ホルモン
・粘液の分泌
・常在菌
です。
更年期でエストロゲンが低下すると、膣だけでなく腸の粘膜にも影響が及びます。
つまり、
膣の乾燥も
腸の不調も
どちらも粘膜の弱りから始まっているのです。
②膣の常在菌と腸内細菌は関係している
膣にはラクトバチルスという乳酸菌が存在し、弱酸性の環境を保っています。
この弱酸性環境が、自浄作用や感染予防に役立っています。
一方、腸にも乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が存在します。
腸内環境が乱れると、全身の免疫バランスにも影響を与え、結果として膣環境が乱れやすくなることがあります。
そのため、
腸が乱れると膣も乱れやすい
という関係があるのです。
③腸内細菌とエストロゲンは深く関わっている
腸内細菌の一部には、エストロゲンの代謝に関わるものがあります。
これを
エストロボローム
と呼びます。
腸内環境が乱れると、
・エストロゲン代謝が不安定になる
・ホルモンのゆらぎが大きくなる
・更年期症状が強くなる
といった可能性が指摘されています。
つまり腸を整えることは、ホルモン環境を支えることにもつながるのです。
④膣も腸も自律神経の支配を受けている
膣の血流も、
腸のぜん動運動も、
どちらも自律神経によってコントロールされています。
例えば緊張するとお腹が痛くなることがありますよね。
それと同じように、更年期で自律神経が乱れると、
・膣の血流低下による乾燥
・腸の動きの低下による便秘
が同時に起こることがあります。
だからこそ、
十分な睡眠
ストレスケア
適度な運動
は膣にも腸にも大切なのです。
⑤骨盤底筋は膣と腸を支える「ハンモック」
骨盤底筋は、膀胱・子宮・直腸を下から支える筋肉です。
いわば骨盤内の臓器を支えるハンモックのような存在です。
更年期以降、この筋肉が弱ってくると、
・膣のゆるみ
・尿もれ
・便が出にくい
・残便感
・ガス漏れ
などが起こりやすくなります。
骨盤底筋トレーニングは膣の健康を支える「膣トレ」であると同時に、
排便機能を支えるセルフケアでもあります。
腸内細菌そのものを整える腸活とは少し違いますが、
スムーズな排便をサポートするため、腸ケアの一つとして役立ちます。
4.だから膣ケアと腸ケアはセットで考えたい
ここまで見てきたように、膣と腸は
・粘膜
・常在菌
・エストロゲン
・自律神経
・骨盤底筋
という共通の基盤によって支えられています。
だから膣だけをケアしても、腸の状態が乱れていれば
整いにくいことがあります。
逆に腸を整えることは、
膣環境を支えることにもつながります。
膣ケアと腸ケアは別々のものではなく、
「粘膜ケアの両輪」
として考えることが大切です。
5.今日からできる腸活
①水溶性食物繊維をとる
腸内細菌のエサとなり、便をやわらかくしてくれます。
おすすめ
・もち麦
・オートミール
・海藻類
・りんご
・バナナ
②発酵食品を取り入れる
腸内環境を整える手助けになります。
おすすめ
・味噌
・納豆
・ヨーグルト
③マグネシウムを意識する
マグネシウムは水分を引き寄せ、便をやわらかくする働きがあります。
食事から意識して摂るのもおすすめです。
④軽い運動を続ける
ウォーキングやストレッチ、ピラティスなどの軽い運動は、自律神経を整え、腸の動きを助けます。
また骨盤底筋を意識した運動は、
膣トレにもなり、
排便機能を支えるケアにもなります。
おわりに
更年期になると、私たちはつい症状ごとに考えてしまいます。
膣の乾燥は膣の問題。
便秘は腸の問題。
そう思いがちです。
でも実際には、ホルモン、自律神経、常在菌、骨盤底筋が
互いにつながり合いながら、私たちの体を支えています。
だからこそ、
膣ケアは腸ケアへ。
腸ケアは膣ケアへ。
どちらか一方だけではなく、体全体をいたわる視点が大切です。
最近、膣の違和感や便秘が気になっている方は、
それを「年齢だから」と我慢しなくて大丈夫。
体からのサインに気づき、やさしくケアしていくことが、
更年期を心地よく過ごす第一歩になるかもしれません。
腟ケア × 腸活 = 粘膜ケア
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