「沈黙が怖い」
「何を話したらいいか、わからない」
沈黙が生まれるシチュエーションはさまざま。
それは日常生活に根差し、芽が出ると少し気まずいと感じる問題のひとつでもある。
人によっては雑談力が試される場とプレッシャーを感じることも。
年に1、2回しか会わない親族との会話。
取引先や他部署の人とはじめましての交流の場。
整体で施術してくれる人との密室空間。
そうゆうときは、沈黙を味わうように少し違った角度で見てみよう。
たとえば、テーブルの真ん中に一つだけリンゴが置かれているとする。
テーブルにあるのはリンゴと余白だけ。
ある人は、
テーブルにたったひとつだけリンゴが置かれている状況を、「貴重なリンゴかな?」と感じる。
ある人は、
たっぷりの余白とリンゴの比率を見て、「アート」と捉えるかもしれない。
このリンゴが皿の上にカットされて、ラップにかかっている状態で発見した場合はどうだろう。
大半の人は、どうぞ召し上がれ的なニュアンスと解釈するのが普通ではないだろうか。
ある種、沈黙は余白と似ているのかもしれない。あくまで、捉える側の心理、感情に触発されてこのリンゴは意味を持つということだ。
手をかけて、ラップをして本来の姿からかけ離れるほど理解は容易になり、おもしろみがなくなる。そこに余白はない。
沈黙は、自分と相手の持ち時間がイーブン。
ゼロとゼロ。ゆえに、これからいかようにも展開できる。
気まずい沈黙を少し工夫してみよう。
自分が沈黙が予想できるor沈黙に差し迫ろうとした時にとっている行動を3つあげる。
①あえての沈黙
②意図的な沈黙
③沈黙の上塗り
①あえての沈黙
会話が途切れそうだが、あえてこちらは口を開かず沈黙を誘導。会話が尻切れトンボになることを避けるためのテクニックである。同時に相手の話をちゃんと聴いていますアピール効果もあり、あなたの印象はグンと良くなる。
たとえば、カフェでウェイターが注文品を持ってテーブルに運んでくるのを見たら、それ以降こちらは口つぐみ、相槌のみで相手の話に耳を傾ける。話が終わっても、オーダーしたコーヒーが運ばれるまで頑なに沈黙を貫くという具合だ。
そうすると、相手は「あれ、どうしたの?」と心配して声をかけるかもしれない。
そしたらすかさず、こう言う。
できたら目を瞑って口を開くと、さきほどの相手が抱いていた印象は覆り、あなたに好感をもってくれるだろう。
「幸せだわ、癒される。こうゆう時間って必要。コーヒーの香りも最高だね」
その言葉を聞いた相手は、先ほどの自分の話をあなたがよく聴いてくれたと優しい気持ちになる。
話の腰を折られず話せたことに満足感を覚え、自身をプレミアムバリューの提供者と想わざるをえなくなる。あなたの印象があがったところで、コーヒーが到着。
ウェイターと息のあったプレイを心がけよう。
②意図的な沈黙
「目は口ほどにモノを言う」を拡大解釈したもの。
左右どちらか斜め45度を向き、2秒の間を取り、すぐさま首を定位置に戻し、口を開く。
こうすることで相手は、一考あっての発言と捉えて、何てことない一言に重みを見出してくれるだろう。
③沈黙の上塗り
相手が沈黙をしたら、ここぞとばかりに自分も沈黙に加担する。沈黙+沈黙=これ以上ない沈黙。
沈黙の完成系。
ここからが本番。
「見事な沈黙ですよね。こうゆう場面で2人っていうのはちょっと気まずいと思いませんか」
そうすると相手の顔は一瞬にしてクシャッと崩れる。そのあとに、相手がどんなセリフを発したとしても。
強がりを自でいく人は、「あ、そうですか」
共感してくれる人は、「たしかに、そうですよね」
塩対応の人は「まぁまぁ」
この沈黙の上塗りの一番の狙いは、
「私はあなたの敵ではありません。同じ戦場にいる仲間ですよ。一緒にこの瞬間を耐えましょう」と訴えかけるところにある。
ここまでくればだいぶ沈黙を武器のひとつとして扱えるようになると思う。
数をこなすことで沈黙を必要以上に恐れなくなる。用法容量守って正しくお使いください。