感情が、どうにもならない。
考えようとしてもまとまらず、
前向きになろうとしても気持ちがついてこない。
不安、焦り、怒り、自己嫌悪――
気づけば、いくつもの感情が絡まり合い、
「何が正解なのか分からない」状態に陥っている。
もし今、あなたがそんな感覚の中にいるのなら、
それはあなたが弱いからでも、未熟だからでもありません。
ただ一つ言えるのは、
感情が
「壊れてしまった」わけではなく、
「正常に働いている」ということです。
感情とは、私たちを振り回す厄介者ではありません。
感情はむしろ、
「今、自分がどのような前提で世界を見ているか」を教えてくれる、
非常に精度の高い「ナビゲーションシステム」なのです。
感情がぐちゃぐちゃになっているとき、
私たちは
「感情をコントロールしよう」と考えがちです。
けれど実際には、
感情そのものを操作しようとするほど、状況はこじれていきます。
なぜなら、
感情は原因ではなく、
結果として現れているサインだからです。
このコラムでは、
感情を無理に変える方法でも、
ポジティブを装う技術でもなく、
なぜ感情は「コントロールできない」ように感じるのか?
感情の正体とは何なのか?
感情を
「厄介者」ではなく
「高性能のナビゲーションシステム」として扱うとはどういうことか?
という視点から、
感情が自然に整い始める「前提の見方」についてお話ししていきます。
■ なぜ、感情はコントロールできないのか
— 問題は「感情」ではなく、
「世界をどう捉え、見ているかという潜在意識下の前提」にある —
感情を整えようとするとき、多くの人はこう考えます。
「もっと前向きにならなきゃ」
「不安を感じないようにしなきゃ」
「怒らないように抑えなきゃ」
けれど実際には、
感情を意志の力でコントロールしようとするほど、
うまくいかないという経験を、
誰もが一度はしているのではないでしょうか。
それは、あなたの努力が足りないからではありません。
そもそも、感情は「コントロールする対象」ではないからです。
感情とは、
私たちが「どのような前提で世界を見ているか」を、
即座に教えてくれている優れたセンサーです。
たとえば―
世界を「危険な場所」だと無意識に見ていれば、不安が生まれる
自分を「価値の低い存在」だと定義していれば、自己否定が湧く
人生を「戦わなければならないもの」と捉えていれば、緊張や怒りが増える
このとき起きているのは、
感情が勝手に暴走しているのではありません。
私たちが
「世界をどう捉え、見ているのか?」という
潜在意識下にある前提を教えるために、
感情として現れているだけなのです。
ここが、とても重要なポイントです。
感情は、
「今のあなたの思考」よりも、
「今のあなたの信念」よりも、
さらに深いところにある―
「世界をどう捉え、見ているかという前提そのもの」を教えてくれる
潜在意識のナビゲーターなのです。
だから、
その前提が変わらないまま感情だけを変えようとしても、
一時的には落ち着いたように見えても、
必ずまた同じ感情に引き戻されます。
これは感情のコントロールができなかったわけではなく、
感情が本来のナビゲーターとしての役割を忠実に果たしている証拠です。
「世界をどう捉え、見ているかという」前提とは?
✔︎ 自分はどんな人間だと思っているのか?
✔︎ 世界は自分にとって、どんな場所だと感じているのか?
✔︎ 人生とは何だと無意識に捉えているのか?
といった、
自分自身と世界に対する「無意識の設定条件」です。
この前提が変わらない限り、
感情は変わりません。
なぜなら、感情は「結果として出てくるもの」だからです。
ここまで読んで、
「じゃあ、感情はどうしようもないのか」
と思われたかもしれません。
そうではありません。
感情そのものは自分ではない
感情はコントロールできませんが、
感情と自分との立ち位置を変えることはできるのです。
言い換えると、
感情に翻弄されている立ち位置から、
感情を観察している立ち位置に変わることはできるということです。
感情に翻弄されているとき、
私たちは、感情そのものが自分だと思い込み、
自分の感情は正しいと信じます。
つまり、無意識に設定している、
「世界をどう捉え、見ているのか?」
という「前提条件」を無条件に信じているのです。
この前提条件を無意識に信じて疑わないでいる自分を
一度、客観的に観察する必要があるのです。
そして、その観察を助けてくれるのが、
次回のコラムでお話しする 「感情のスケール」 という考え方です。
エイブラハムの感情のスケール(22段階)
感情のスケールとは、
引き寄せの法則で有名な
エイブラハムの「感情のスケール(22段階)」として提唱されました。
感情のスケールは、
あなたが今どんな前提に立って世界を見ているのか、
そして、どの方向に向かえば前提が自然に変わっていくのかを示す、
非常に精度の高いナビゲーションなのです。