独立を志す方必見!お店を始めるための経理のポイント

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こんにちは。
株式会社モモトキの能塚(のうづか)と申します。

私は法人様や個人事業主の方向けの経理ITサポート業務を行うとともに、京都の祇園でカウンセリング・悩み相談をテーマにしたカフェバーを経営しています。

今回は、多くの方からご相談をいただいている「お店を始めるための経理のポイント」についてご紹介させていただきます。

お店をスムーズに経営し、確定申告(法人の方であれば決算)を正確に行うために、日々の経理処理は非常に大切です。特に、「プライベート」と「お店」の区別を明確にすることが最初の大きなポイントとなります。

今回は、順を追って、お店の開業までの流れと、開業後にも忘れずに覚えておく必要のある内容をまとめました。

ご覧いただいた皆様のお役に少しでも立てれば幸いです。

ではまいりましょう。レッツトライ!

目次

●その1 開業届の提出
●その2 お金の管理
●その3 確定申告
●その4 人を雇う場合
●その5 消費税の申告

●その1 開業届の提出

お店を個人事業主として始める際に「税務署」へ提出する「開業届」について解説します。

正式名称は「個人事業の開業届出書」といいます。「開業届」は、個人事業主として事業を始めたことを税務署に知らせるための書類で、事業の開始から1ヶ月以内に自宅またはお店の近くの税務署に提出します。

「開業届」を提出しなくても事業を始めることは可能ですが、提出することで、主に節税面でメリットが得られます。

①屋号付きの銀行口座が開設できる。「屋号(お店の名前)+個人名」の名義で業務用の銀行口座を開設する際に、開業届の控えが証明として必要になります。

②補助金・助成金の申請、店舗の賃貸契約、金融機関からの融資申し込みの際などに、事業を行っている証明として開業届の控えが必要になります。

③「開業届」と同時に、「青色申告承認申請書」を一緒に提出することができます。「青色申告承認申請書」を提出することで、年に1度の確定申告(利益の計算と税金の支払い)の時に節税メリットの大きい「青色申告」を利用することができるようになります。
「青色申告承認申請書」を提出しなかった場合は確定申告で「白色申告」をします。※後で詳しく出てきます。

●その2 お金の管理

業務用の銀行口座でお金の流れを分かりやすくする
お店の売上や経費の支払いを、ご自身の私的な銀行口座と完全に分けて管理するための「業務用の銀行口座」を用意しましょう。

これにより、事業の収支がひと目で把握できるようになり、記帳作業(帳簿付け)が圧倒的に楽になります。この口座の入出金記録(通帳の履歴)が、売上や経費の重要な証拠書類の一つになります。

個人事業主の場合は、屋号(お店の名前)の入った口座を開設できる銀行もありますが、まずはご自身の個人名義で事業用と決めて使う口座でも問題ありません

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業務用のクレジットカードで経費管理を分かりやすくする
お店の仕入れ、備品の購入、光熱費、通信費など、「業務に関する支払いのみに使うクレジットカード」を作りましょう。
これにより、カードの利用明細がそのまま経費の一覧表になり、領収書を一枚ずつ整理する手間が大幅に省けます。

もし、プライベートと事業の両方で使うものをこのカードで支払った場合(例:自宅兼店舗のインターネット代など)は、後で事業に使用した割合を計算して経費計上することが必要になります。

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現金をもらったり、使うときは「現金出納帳」をつける
現金は特に注意が必要です。お客様からの現金売上や、材料や資材などを現金で購入した場合の取引は、銀行口座やカード明細のような自動的な記録が残りません。
このため、現金の動きを記録する「現金出納帳」の作成が必要になります。現金出納帳は家計簿のようなもので、いつ、いくら支払いまたは受け取ったかを記録し、今手元にいくら現金が残っているかを把握するための帳簿です。

取引の都度、日付、勘定科目(売上、仕入、消耗品費、光熱費、家賃などお金の種類ごとに名前をつけます)、摘要(相手先・取引内容)、金額を記録します。
必ず領収書やレシートと一緒に保管してください。「業務用の財布」を用意し、お店の現金と個人の現金を混ぜないことが、正確な出納帳作成の基本になります。

これらのポイントを実践することで、毎日の業務が忙しくても、経理が煩雑にならず、確定申告の時期に慌てずに済みます。

●その3 確定申告

「確定申告」は、事業の利益(=所得のこと)を計算し、税金を国に申告するための手続きです。確定申告の対象期間は1月1日から12月31日までの1年間の収支で、書類を税務署に提出する期限は翌年の2月16日から3月15日までです。

・確定申告までの大まかな手順
①日々の取引の記帳(帳簿付け): 
前回のポイントで確認した通り、日々、売上や経費(銀行、カード、現金)の記録をしておきます。

②決算書類の作成:
記録を基に1年間の利益(売上マイナス仕入や経費)をまとめます。青色申告のときは「青色申告決算書」を、白色申告のときは「収支内訳書」を作成します。

③確定申告書の作成:
②で計算した事業の利益と、各種控除(生命保険料控除、社会保険料控除など)を合わせて、最終的な所得税額を計算し「確定申告書」を作成します。

④提出・納税:
上記の書類を税務署に提出し、期限までに所得税を納めます。
マイナンバーカードがあれば、自宅でスマホを使って「e-Tax」というサイトから便利に申告することもできます(電子申告)。書類の記入と比べて、操作が分かりやすいので、個人事業主の方がご自身で確定申告する場合はスマホでの申告が必須と言えるでしょう。

確定申告は税理士さんにお願いすることもできます。その場合でも日々の売上や経費(銀行、カード、現金)の記録はご自身で作っておく必要があります。

商売をするということは、日々の記録付けからはどうしても逃げることはできません。
私が一番大事だと感じることは、この日々の記録を自分でつけるように習慣化するところから商売は始まるということです。そして、忙しい毎日の中で、日々の記録を無理なくスムーズに行っていくためには、業務用の銀行口座や業務用のクレジットカードは必ず持っておいた方がいいと言えるでしょう。

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・確定申告のときの「青色申告」と「白色申告」の違いについて
「白色申告」より「青色申告」の方が節税メリットがあります。具体的には、最大65万円の税金の控除を受けることができるほか、赤字を3年間繰り越して翌年以降の黒字と相殺することができます。

ただし、「青色申告」ではスマホかパソコンで確定申告の電子申告をする必要があったり、「複式簿記」というきっちりとした帳簿を作成する必要があります。

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・会計ソフトについて
日々の記録(帳簿)を作成する手間は会計ソフトで解消することができます。

「複式簿記」は難しく感じますが、会計ソフトを使えば、日々の取引をソフトに入力(または銀行口座やクレジットカードの情報は自動的にソフトが取り込んでくれます。)するだけで自動的に複式簿記の帳簿や決算書を作成してくれます。

有名な会計:freee会計、マネーフォワードクラウド確定申告、やよいの青色申告オンライン ※それぞれ、年間1.5万円~2万円ほどの費用がかかります。

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・確定申告に必要な書類
〇確定申告書(第一表、第二表)
〇青色申告決算書(青色申告の場合)または収支内訳書(白色申告の場合)
〇本人確認書類(マイナンバーカード、または通知カード+身元確認書類)
〇各種控除に関する証明書(生命保険料控除証明書、社会保険料控除証明書、医療費控除の明細書など)

・資料として保管しておくもの(7年間保管)
〇お店の売上・経費が記録された現金出納帳、銀行通帳、クレジットカード明細書、請求書、領収書

●その4 人を雇う場合

(各種保険に加入するかどうか)

個人事業主でも従業員を雇うことは問題ありません。正社員はもちろん、契約社員やアルバイト、パートも雇用が可能です。また、業務委託という形で外部のフリーランスや企業と契約を結ぶこともできます。

従業員を雇った場合には、各種保険に従業員を加入させる義務が事業主に発生します。

・労働保険(労災保険と雇用保険)
労働保険は、従業員をひとりでも雇用する事業所で加入手続きが必要です。管轄の労働基準監督署で労災保険の加入手続きハローワークで雇用保険の加入手続きが必要です。
労働保険料は従業員と事業主それぞれが負担します。従業員の負担分は従業員の給与から天引きします。全員分をまとめて会社の銀行口座から引き落としされます。

・社会保険(健康保険と厚生年金)
社会保険は、従業員が5人以上になると健康保険・厚生年金保険ともに加入義務が発生します。
社会保険料は従業員と事業主それぞれが負担します。従業員の負担分は従業員の給与から天引きします。全員分をまとめて会社の銀行口座から引き落としされます。

労働保険(労災保険と雇用保険)や社会保険(健康保険と厚生年金)への加入手続きや給与の計算は社会保険労務士(社労士)さんに相談することができます。

●その5 消費税の申告

(消費税の納税義務者になるかどうか)

売上や仕入にかかる消費税をきちんと計算して、税務署に申告・納税をしていく「課税事業者」となるかどうかは以下の基準で判断されます。

条件①

その年の「前々年」の1月1日から12月31日までの期間の課税売上高が1000万円を超える場合

ですので、開業後、最低でも2年間は消費税の納税義務が免除される「免税事業者」となります。「免税事業者」は販売代金に消費税をかけることができません(レシートや領収書に消費税を明記することができない)。

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条件②

「インボイス発行事業者」(適格請求書発行事業者)の登録を受けている場合

「適格請求書発行事業者登録申請書」を税務署に提出した場合は、売上高にかかわらず登録した日から「課税事業者」となります。

「インボイス発行事業者」になるメリットはお客様からの信頼が得られる点です。先ほど書きました通り、インボイス発行事業者でないとレシートや領収書に消費税をかけることができません。
お客様が会社・企業の場合は、相手の会社・企業で領収書を経理で処理するため、きちんと消費税を計算している「インボイス発行事業者」の方が取引につながりやすいことがあります。

インボイス発行事業者になることは、消費税の計算の手間も増えるため、慎重に判断する必要があります。

お疲れさまでした。いかがでしたでしょうか。

すべてを暗記するのはとても無理だと思いますので、
心のどこかでこのマニュアルの存在を覚えておいていただいて、
必要に応じて再度ご覧いただけましたら幸いです。

私は、このような文章の発信やまた実際にお会いすることを通して、人と人との関わり合いというものが「元気になるきっかけ」「パワーの源」になると信じて活動を続けています。

最後までご覧いただき誠にありがとうございました。

お元気でお過ごしください。さようなら。

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