現役営業事務が語る“Amazonの考える「適正価格」とは”

現役営業事務が語る“Amazonの考える「適正価格」とは”

記事
ビジネス・マーケティング
セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年間、営業事務として働いています。

先日、X(旧Twitter)で、次のような投稿を見かけました。

「補填される金額が、Amazonが勝手に決めた金額で、原価より安いことが多い……」

Amazonの補填ルールはシンプルなようで、実は少し複雑です。

• 原価を登録していない場合→Amazonが独自の算出ロジックで原価を推定する
• 原価を登録している場合→登録した原価を基準に補填額が算出される

そのうえで、
そこからさらに各種手数料が差し引かれた金額が、補填される仕組みです。

また、Amazonが算出した原価と、こちらが登録した原価に、
大きな乖離がある場合、登録単価自体が却下される可能性があることも、
規約に明記されています。

■補填額に「統一性」はあるのか?

算出方法については、残念ながら明確な開示はされていません。
そこで、私自身が実際に扱っている商品で補填内容を検証してみました。

すると、同一商品であるにもかかわらず、補填金額に統一性がなく

• 補填額がバラバラ
• 返金率もバラつきがある

という結果になりました。

あくまで推測ですが、
FBA在庫として保管されている「期間(償却期間)」も、
計算に加味されているように感じます。
明確な根拠があるわけではありませんが、
長年の実務経験から、そう感じました。

さらに、Amazonが算出している原価率を見ていると、
販売価格の30%前後、もしくは現金問屋の卸価格に近い水準の傾向がありました。

こうした前提を踏まえると、結論は至ってシンプルです。
当たり前の話ですが、

セオリーに沿った仕入れでなければ、
Amazonの補填制度では不利になりやすい

ということです。
先ほどのXの投稿主も、
おそらくセオリー外の商品構成だったのではないか、
と推測しています。

■「価格設定の健全性」という別の壁

話は変わりますが、

「価格設定の健全性」により、価格が高いと判断され、検索画面に表示されない
という事例です。

なぜこれが起きるのかというと、
Amazonのロジックとして、
市場で安く売られている価格に引きずられる傾向があると言えます。

これについては、訴訟が行われており、
有名な訴訟事例として「パルスオキシメーター」があります。
偽造品や無資格出品と思われる安価な商品を基準に
「価格を下げるよう求められた結果」、
日本で正規に独占販売権を取得していた医療機器メーカーの商品が売れなくなった、という内容です。

しかし、日本市場には、価格だけでなく品質を重視する文化があります。

• より良い原材料を使う、製法にこだわる等で、競合商品と差別化
• その結果、価格が高くなる

これは、日本人の感覚からすれば極めて自然なことです。

スーパーで販売されている「豆腐」を思い浮かべてみても、
価格帯はさまざまですが、それは大豆や製法が違うからであり、
消費者もそれを理解した上で選んでいます。

にもかかわらず、Amazonは、
アルゴリズムが出す単純な価格比較だけで「不健全」と判断され、
検索結果に表示されてこないという現状には、
違和感を覚えざるを得ません。

■Amazonの「適正価格」

Amazonのルールやアルゴリズムは年々高度になっていることと思います。

原価の算出価格にしても、
価格設定の健全性にしても、
せめて、全ての出品者が納得できる説明や基準(特にアルゴリズムの考え方)が示されてほしいです。
Amazonは出品者から手数料を得ている以上、
その透明性を担保する責任があると私は考えます。

その一方で、
出品者側もAmazonに振り回されるだけではなく、
自分なりの販売ポリシーと価格観を持って
冷静に向き合っていく必要があるのだと感じています。

■追記

上記の訴訟事例の件は、
Amazonもこの問題を重大に受け止めていると考えられます。
そのため、健全性に疑いがあると判断された出品者に対して、アカウント停止措置が取られているようです。
判断材料の一つとして、出品内容や価格設定がチェックされていると見られます。

アカウント停止に関する仕組みや実例についても、今後あらためて記事としてまとめていきたいと思います。

私は「Amazonセラーの月次売上管理資料の作成」をお手伝いするサービスを提供しています。




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