セラー業務支援室です。
私は医薬品メーカーで30年間、営業事務として働いています。
またココナラで「Amazonセラーの月次売上管理資料の作成」をお手伝いするサービスを提供しています。
以前の記事で、「粗利(売上金額−売上原価)」について書きました。
今回は、「仕入金額」「売上原価」「在庫金額」の考え方を、
具体例を使って説明して、もう一歩踏み込んでいこうと思います。
■粗利計算で使う「仕入金額」は、総仕入額ではありません
まず大事なポイントです。
粗利を計算するときに使う「仕入金額」は、
実際に仕入れた総額ではありません。
使うのは、
売れた数量 × 仕入単価
この金額を、「売上原価」といいます。
たとえば、ある商品を
• 100個
• 仕入単価:100円
で仕入れたとします。
このときの仕入総額は
100個 × 100円 = 10,000円 です。
では、このうち 50個だけ売れた 場合はどうでしょうか。
■売上原価の計算
売れたのは50個なので、
• 50個 × 100円 = 5,000円
この 5,000円 が、粗利を計算するときの仕入金額、
つまり 売上原価 になります。
■売上金額と粗利
仮にこの商品を、
• 販売単価:150円
で売った場合、
• 50個 × 150円 = 7,500円
となります。これが売上金額です。
ここから、
• 7,500円(売上金額) − 5,000円(売上原価) = 2,500円
これが 粗利 です。
そして、
• 同じ仕入単価
• 同じ売上単価
• 同じ販売個数
の商品が 10種類 あったとしたら、
• 2,500円 × 10種類 = 25,000円
これが 総粗利 になります。
このように商品が複数あれば、商品ごとに積み上げて計算します。
■売れなかった商品は「在庫金額」
では、売れ残った
• 50個 × 100円 = 5,000円
この金額はどうなるのでしょうか。
これは損ではなく、
「在庫金額」 として扱われます。
確定申告では、
「期末棚卸金額」 と呼ばれるものです。
■総仕入額=売上原価+在庫金額
ポイントはここです。
• 売上原価:売れた分の仕入金額
• 在庫金額:売れなかった分の仕入金額
どちらも 同じ仕入単価 を使いますが、
数字の意味はまったく別 なので、必ず分けて考えましょう。
■仕入単価がバラバラな場合が、ポイント
仕入単価がすべて同じなら計算は簡単ですが、
実際にはこんなケースも多いですよね。
• 80個仕入れたとき:1個110円
• 120個仕入れたとき:1個90円
このように 仕入れた数量によって単価が変わる場合 は、
年間の総仕入金額 ÷ 年間の総仕入数量
で、平均の仕入単価を出します。
この平均単価を使って、売上原価や在庫金額を計算します。
ということは、
• まとめて仕入れるほど単価が安くなる
という条件であれば、
多く仕入れて仕入単価を下げる → 売上原価が下がる → 粗利が増える
という好循環が生まれます。
もちろん在庫リスクとのバランスは大切ですが、
仕入単価の考え方を知っているかどうかで、利益の出方は大きく変わります。
※補足
個人事業主の場合、確定申告で使う仕入単価には
「最終仕入原価法」「低価法」 など、税務上のルールがあります。
必ず 税理士さん・税務署の指示 に従ってください。
この記事でお伝えしている内容は、
ご自身の売上状況を把握するための「売上管理表」作成の考え方です。
■まとめ
• 粗利計算で使う仕入金額は「売れた分」だけ
• 売上原価と在庫金額は必ず分けて考える
• 単価がバラバラな場合は平均単価を使う(★確定申告の計算方法とは別)
損益計算に苦手意識がある方ほど、
この基本を押さえるだけで、数字が一気に整理しやすくなります。