遠くから、秋祭りの太鼓が聞こえてくるわね。
稲刈りの済んだ田んぼが急に広くなって、空が余って見えること。
柿が一つ、また一つと色づいて、虫の声は細くなってきたわ。
実ったものが人の手に渡っていく、そんな季節だわね。
今日はね、【八方繁盛(はっぽうはんじょう)】のお話をしましょうか。
◆ 【八方繁盛】は、こんな人
生年月日の数字を足していって、8になった方。
実りというものは、抱え込むと傷むけれど、巡らせるほどに増えていくものでしょう。
その巡らせ方を、生まれながらに知っている。
そういう星回りを持って生まれた方が多いのよ。
職場でね、皆が「いい案だけれど、うちには人も時間もない」と黙り込んだとき、「あの部署に声をかけてみましょう」とすっと言える方がいるでしょう。
誰に何があって、どこへ渡せば動くのか。
頭の中に地図がおありなのね。
頼みごとをするのが上手なのも、この方たちだわ。
「お願いします」と言える人のところに、不思議と物も人も集まってくるものなのよ。
暮らしの中でもそう。
お買い物では、値札よりも「どれだけ使うか」で決める。
安いものを3つ買うより、長く働いてくれる1つを選ぶ方が多いわね。
お祭りやご近所の寄り合いでも、いつのまにか人の割り振りを考えていて、終わったあとに「あの人によくしてもらった」と、ちゃんとお礼を返しにいく。
いただいた焼きたてのパンを、翌日には別の誰かへお裾分けしている。
そういう手の早さが、ご縁を太くしていくのよ。
8の人の性格を一言でいうならね、「回したほうが増えると知っている人」。
あなたの手を通ったものは、どこかで必ず誰かの実りになっているものだわね。
◆ ときどき、こんなことでつまずくの
回す力をお持ちだから、回すものが途切れることを、人一倍こわく感じてしまいがちだけれどね。
手が空くと落ち着かなくて、新しい役目を引き受けてしまう。
気づけば両肩に荷がいくつも乗っていて、それでも「私が止まると全部止まる」と思ってしまう。
休むことが、何か悪いことのように感じられるのよね。
それに、結果が見えやすい方だから、まわりの歩みが遅く見えてしまうこともあるわ。
つい「こうすれば早いのに」と口を出して、あとで言いすぎたかしらと一人で気に病む。
頼まれると断れないのではなくて、断ると回らなくなると知っているから引き受けるの。
そうして、自分の分だけがいつも後回しになってしまうのよ。
でもね。回し続けることが、あなたの値打ちなのではないの。
あなたは止まっていても、ちゃんと実りを呼ぶ人だわね。
◆ 【八方繁盛】のあなたへ、お守りをひとつ
1日の終わりに、「今日、人からいただいたもの」をひとつだけ思い出してごらんなさいな。
物でなくていいのよ。
「席を譲ってもらった」
「誰かが相づちを打ってくれた」
「黙って代わりにやっておいてくれた」
その程度のことでいいの。
声に出さなくていいから、頭の中で一つ数えるだけで結構だわ。
たったこれだけ。でもね、これが効くのよ。
あなたは渡すほうが得意で、いただいた分を数える習慣がないでしょう。
けれど巡りというのは、出すだけでは続かないもの。
受け取った分に気づけるようになると、肩の荷が不思議と軽くなって、渡す手もまた伸びやすくなるものだわね。
忘れた日があってもいいの。三日坊主で結構。
思い出した晩に、また一つ数えてちょうだいね。
◆ こんな季節、こんなとき
刈り取りの済んだ田を見ると、人は妙に落ち着かなくなるものだわね。
【八方繁盛】の方は、この時季、次の支度を始めたくなるはずよ。
けれど田んぼだって、しばらく何も植えずに休ませるでしょう。
あなたにも、その期間がいるのよ。
柿を一つむいて、熱いお茶を淹れて、縁側に座ってごらんなさいな。
太鼓の音を聞きながら、何もしない半刻。
それも立派な支度だわね。
◆ 次のお話
来週の水曜日は、9【九重の実り(ここのえのみのり)】のお話をするわね。
人の話を最後まで聞いて、黙って受け取ってしまう方。
あの懐の深さと、少し手放しがたい荷物のことを、ゆっくりお話ししましょうね。
◆ 12の数字の物語・目次
順番に読まなくてもいいのよ。
ご自分の数の回だけ、のぞいてくださってもいいわ。
1【一番槍(いちばんやり)】
2【二人連れ(ふたりづれ)】
3【三日月笑い(みかづきわらい)】
4【四方固め(しほうがため)】
5【五街道(ごかいどう)】
6【六花むすび(りっかむすび)】
7【七色の井戸(なないろのいど)】
8【八方繁盛】← 今日はこのお話
9【九重の実り】近日
11【宵の明星(よいのみょうじょう)】近日
22【礎(いしずえ)】近日
33【慈雨の手(じうのて)】近日
ご自分の数の出し方は、おひろめの記事に書いてあるわ。
生年月日の数字をたどるだけの、やさしい占いよ ▼
◆ 縁側からのお知らせ
あなたが生まれ持った数と、今日引いた一枚。
このふたつが重なると、また違うものが見えてくるものなのよ。
・全体運鑑定▼
お申し込みのときに生年月日をお知らせいただけたら、持って生まれた星回りのことも、あわせてお手紙に添えられるわ。
お手紙の形でお届けしますから、その場で急かされることはないの。
おかげさまで、これまでいただいたご感想はどれも★5の評価をちょうだいしているのよ。
それからね、いずれ、数のことをじっくり見るご鑑定も、支度をしているところなの。
整ったら、またこの縁側でお知らせするわね。
◆ おことわり
このお便りはね、あくまで読み物として書いているものよ。
お体のことや、法律や金銭にまつわる大事なご判断は、それぞれのお医者様や専門の方にちゃんと相談してちょうだいね。
私からのお話は、その隣に置いておく湯呑みくらいの位置にいさせてくださいな。
あなたの一週間が、やわらかくほどけていきますように。
東雲みのり