9月も今日で終わりだわね。
夕方、買い物から帰る道で、どこからか金木犀が匂ってきたの。
木は見えないのに、香りだけが先に届く。
あの匂いを嗅ぐと、どうしてか人の顔が浮かんでくるものだわね。
元気にしているかしら、と。
今日はね、【六花むすび(りっかむすび)】のお話をしましょうか。
◆ 【六花むすび】は、こんな人
生年月日の数字を足していって、6になった方。
雪の結晶が6つの枝を伸ばして、どの方向にも同じようにひらいているでしょう。
あんなふうに、まわりの人をやさしく包んで、ご縁を結んでいく。
そういう星回りを持って生まれた方が多いのよ。
職場でね、新しく入ってきた方が居場所をなくして立っているとき、まっさきに「お昼、ご一緒にどうですか」と声をかける方がいるでしょう。
あれが【六花むすび】の手だわね。
誰に頼まれたわけでもないのに、輪の外にいる人が気になってしまうの。
休んでいた同僚が戻ってきた日、机の上を整えておいたのもあなたでしょう。
家の中でもそう。
家族が何も言わないうちから、あら風邪ぎみかしらと気づいて、いつのまにか温かいものを用意してある。
お買い物では、自分の買い物のはずが、気づけば「あの子これ好きだったわ」と人の分がカゴに増えている。
お友だち同士が仲違いしていると、両方から相談されて、両方の言い分をちゃんと聞いてしまう。
6の人の性格を一言でいうならね、「人の困りごとを、自分の困りごとにできる人」。
あなたのまわりには、いつのまにか人が集まっているはずよ。
にぎやかだからではなくて、そこにいると守られている気がするからなのだわね。
◆ ときどき、こんなことでつまずくの
人を包む手をお持ちだから、その手を休めるのがいちばん下手になりがちだけれどね。
頼まれていないことまで背負ってしまって、気づけば両手がふさがっている。
それでも「私がやらなかったら」と思ってしまうのよね。
そのうちに、少しだけ見返りを待つ気持ちが芽を出すことがあるの。
あんなにしてあげたのに、どうして、と。
あれはあなたが欲深いのではなくて、渡した分だけ、ご自分がからっぽになっていた証なのよ。
それに、良くしてあげたい気持ちが強いぶん、つい相手の分まで決めてしまうこともあるわ。
「あなたはこうしたほうがいいわよ」と。
心から思って言っているのに、相手は少し窮屈そうな顔をする。
そのすれ違いが、いちばん切ないのよね。
でもね。
あなたの手が余計だったことなんて、一度もないの。
ただ、包む前に自分をひとつ包んでおけばいいだけだわね。
◆ 【六花むすび】のあなたへ、お守りをひとつ
一日のどこかで一度、いちばんいいものをご自分に回してごらんなさいな。
大きなことでなくていいの。
焼きたてのパンの、いちばんふっくらしたところを自分の皿に置く。
湯呑みも、お気に入りのほうを自分で使う。
切り分けたお菓子の大きいほうを、今日は自分で取る。
それだけよ。
たったこれだけ。でもね、これが効くのよ。
あなたはいつも、良いほうを人に渡す癖がついているでしょう。
渡すのが好きなのはわかるけれど、器がからっぽでは注げないのだもの。
日に一度だけ自分を先にしておくと、人に向ける手がずいぶん軽くなるものだわね。
できない日があってもいいの。三日坊主で結構。
思い出した日に、また大きいほうを取ってちょうだいね。
◆ こんな季節、こんなとき
金木犀の匂う頃は、人恋しくなる時季だわね。
【六花むすび】の方は、この季節、誰かに会いたくなるのと同じくらい、世話を焼きたくなるはずよ。
けれど、声をかける相手を全部まわろうとしなくていいのよ。
一人でじゅうぶんだわ。
あとは縁側で、お茶とクリームあんみつでも。
うちの黒猫の縁(えん)は、私が甘いものを出すと必ず寄ってくるのに、少し撫でると勝手に離れていくの。
ああいう遠慮のなさも、見習いどころだわね。
◆ 次のお話
来週の水曜日は、7【七色の井戸(なないろのいど)】のお話をするわね。
にぎやかな席にいても、どこか一人で考えごとをしている方。
あの深く問う力と、少し孤独な静けさを、ゆっくりお話ししましょうね。
◆ 12の数字の物語・目次
順番に読まなくてもいいのよ。
ご自分の数の回だけ、覗いてくださってもいいわ。
1【一番槍(いちばんやり)】
2【二人連れ(ふたりづれ)】
3【三日月笑い(みかづきわらい)】
4【四方固め(しほうがため)】
5【五街道(ごかいどう)】
6【六花むすび】← 今日はこのお話
7【七色の井戸】近日
8【八方繁盛(はっぽうはんじょう)】近日
9【九重の実り(ここのえのみのり)】近日
11【宵の明星(よいのみょうじょう)】近日
22【礎(いしずえ)】近日
33【慈雨の手(じうのて)】近日
ご自分の数の出し方は、おひろめの記事に書いてあるわ。
生年月日の数字をたどるだけの、やさしい占いよ。
◆ 縁側からのお知らせ
あなたが生まれ持った数と、今日引いた一枚。
このふたつが重なると、また違うものが見えてくるものなのよ。
・全体運鑑定▼
お申し込みのときに生年月日をお知らせいただけたら、持って生まれた星回りのことも、あわせてお手紙に添えられるわ。
お手紙の形でお届けしますから、その場で急かされることはないの。
おかげさまで、これまでいただいたご感想はどれも★5の評価をちょうだいしているのよ。
それからね、いずれ、数のことをじっくり見るご鑑定も、支度をしているところなの。
整ったら、またこの縁側でお知らせするわね。
◆ おことわり
このお便りはね、あくまで読み物として書いているものよ。
お体のことや、法律や金銭にまつわる大事なご判断は、それぞれのお医者様や専門の方にちゃんと相談してちょうだいね。
私からのお話は、その隣に置いておく湯呑みくらいの位置にいさせてくださいな。
あなたの一週間が、やわらかくほどけていきますように。
東雲みのり