明日から寒露だわね。
朝の空気が、もうはっきり冷たくなったこと。
金木犀は散りはじめて、道に小さな粒がこぼれているわ。
八百屋さんの棚は新米と栗で、今がいちばんにぎやか。
にぎやかな通りを抜けて家に帰ると、ふっと静けさが心地よくなる時季だわね。
今日はね、【七色の井戸(なないろのいど)】のお話をしましょうか。
◆ 【七色の井戸】は、こんな人
生年月日の数字を足していって、7になった方。
深い井戸の底に、ほんとうのことが沈んでいる。
それを、ひとりで静かに汲みにいく。
そういう星回りを持って生まれた方が多いのよ。
職場でね、皆が「とりあえずこれで行きましょう」とまとまりかけたとき、一人だけ黙って考えている方がいるでしょう。
しばらく経って「ひとつ、気になることがあるのですが」と口を開く。
あれが【七色の井戸】の目だわね。
意地悪で水を差すのではないの。
表に出ている話の下に、まだ触れられていない何かが見えてしまうのよ。
あなたが指摘したことが、3か月後に本当に問題になった――そんな覚えもおありでしょう。
暮らしの中でもそう。
買い物で何か気になるものに出会うと、その場では買わずに帰って、家で調べはじめる。
気づけば2時間経っている。
お友だちとの集まりでは、大人数の席よりも、2人で長く話せる席のほうが好き。
誰かの「元気だよ」という返事を、そのまま受け取らずに「本当かしら」と思ってしまう。
7の人の性格を一言でいうならね、「浅いところで納得できない人」。
わかったふりをするのが、どうにも苦手なの。
あなたが汲み上げてくれた水を、まわりはずいぶん飲ませてもらっているものだわね。
◆ ときどき、こんなことでつまずくの
深く問う力をお持ちだから、その問いの先を、人に渡す手間が省かれてしまいがちだけれどね。
頭の中では何周も考えているのに、口に出すのは結論の一言だけ。
まわりは「あの人は何を考えているのかわからない」と思ってしまう。
本当は誰より丁寧に見ているのに、冷たい人だと受け取られて、少し寂しい思いをなさったこともあるでしょう。
それに、わかるまで動かない癖があるわね。
納得できないまま始めるのが苦しいから、調べて、考えて、気づけば頃合いが過ぎている。
人に聞けばすぐ済むことを、ひとりで抱えて解こうとしてしまうこともあるのよ。
頼るのが下手なのではなく、人の手を借りるという案が、そもそも選択肢に上がってこないのね。
でもね。あなたのその深さは、浅くして直すものではないの。
汲んだ水を、少しだけ外へ出す口を作ればいいだけだわね。
◆ 【七色の井戸】のあなたへ、お守りをひとつ
1日に1度、誰かに「今これを考えているの」と、途中のまま話してごらんなさいな。
まとめなくていいのよ。結論が出ていなくていいの。
「最近こういうことが気になっていてね」の一言だけで結構。
話す相手がいなければ、紙に向かって書いてもいいし、うちの黒猫の縁(えん)のような聞き手でもじゅうぶんだわ。
たったこれだけ。でもね、これが効くのよ。
あなたは整ってから出す癖がおありでしょう。
けれど途中のまま外に出すと、自分の声が自分の耳に入って、思いがけない続きが見えてくるものなの。
井戸の水も、汲まずにいると澱んでしまうのだもの。
言えない日があってもいいわ。三日坊主で結構。
思い出した日に、また一つこぼしてちょうだいね。
◆ こんな季節、こんなとき
朝の空気が冷たくなって、考えごとのはかどる時季だわね。
【七色の井戸】の方は、この季節、ひとりの時間がますます心地よくなるはずよ。
それはいいことだけれど、籠りきりにならないよう、1日1度だけ外の空気に当たりなさいな。
栗を少しいただいて、濃く淹れたお茶で、縁側で。
考えごとは机より、半分外のような場所のほうが、よくほどけるものだわね。
◆ 次のお話
来週の水曜日は、8【八方繁盛(はっぽうはんじょう)】のお話をするわね。
人も物もお金も、その人の手を通ると、なぜかよく回りはじめる方。
あの実りを生む力と、背負いすぎてしまう肩のことを、ゆっくりお話ししましょうね。
◆ 12の数字の物語・目次
順番に読まなくてもいいのよ。
ご自分の数の回だけ、のぞいてくださってもいいわ。
1【一番槍(いちばんやり)】
2【二人連れ(ふたりづれ)】
3【三日月笑い(みかづきわらい)】
4【四方固め(しほうがため)】
5【五街道(ごかいどう)】
6【六花むすび(りっかむすび)】
7【七色の井戸】← 今日はこのお話
8【八方繁盛】近日
9【九重の実り(ここのえのみのり)】近日
11【宵の明星(よいのみょうじょう)】近日
22【礎(いしずえ)】近日
33【慈雨の手(じうのて)】近日
ご自分の数の出し方は、おひろめの記事に書いてあるわ。
生年月日の数字をたどるだけの、やさしい占いよ▼
◆ 縁側からのお知らせ
あなたが生まれ持った数と、今日引いた一枚。
このふたつが重なると、また違うものが見えてくるものなのよ。
・全体運鑑定▼
お申し込みのときに生年月日をお知らせいただけたら、持って生まれた星回りのことも、あわせてお手紙に添えられるわ。
お手紙の形でお届けしますから、その場で急かされることはないの。
おかげさまで、これまでいただいたご感想はどれも★5の評価をちょうだいしているのよ。
それからね、いずれ、数のことをじっくり見るご鑑定も、支度をしているところなの。
整ったら、またこの縁側でお知らせするわね。
◆ おことわり
このお便りはね、あくまで読み物として書いているものよ。
お体のことや、法律や金銭にまつわる大事なご判断は、それぞれのお医者様や専門の方にちゃんと相談してちょうだいね。
私からのお話は、その隣に置いておく湯呑みくらいの位置にいさせてくださいな。
あなたの一週間が、やわらかくほどけていきますように。
東雲みのり