皆さん、認知症について知っていますか?
以前は「痴呆」と表現されていましたが、差別的なニュアンスを含むとして「認知症」と改められ、世間にもずいぶん浸透してきたように思います。
今日は「認知症」という言葉は聞いたことがあるけれど、具体的にはよく分からないという方向けに、私なりの言葉でお伝えしていきたいと思います。
忘れてしまう
認知症には様々な種類や原因があり、脳のどの部分に変化が起こるかによって症状も異なります。
しかし根本的には「忘れてしまう」ことが主な症状となります。
昨日の晩御飯を忘れてしまう。
さっき聞いた話を忘れてしまう。
身近な人の名前や関係性を思い出せない。
箸の使い方を忘れてしまう。
このように「忘れてしまう」ことが積み重なることで、生活のしづらさの根本となっていきます。
変わっていく不安
特に初期の段階では、自分が認知症になるとは思っていません。そんな中で生活に少しずつ違和感を覚えていきます。
(初期では「忘れる」というより、新しいことを覚えるのが難しくなる場面が多く見られます。)
さらに本人だけでなく、周囲の人の対応が変わってしまうことで状況は悪化してしまいます。
何度も同じことを言うから、ついきつい言葉を発してしまった。
何を考えているのか分からないから、距離をおいてしまった。
こうした関わりの中で、不安感や焦燥感、孤独や怒りを感じ、それが行動となって表れることがあります。 (専門用語では「BPSD:行動・心理症状」と呼ばれます。)
忘れないこと
「忘れてしまう」ことが生活のしづらさの根本ですが、すべてを忘れてしまうわけではありません。
長年の経験や技術、深く刻まれたエピソードなどは比較的忘れにくいといわれています。これを「結晶記憶」と呼びます。
また、出来事そのものは忘れてしまっても、その時に感じた「感情」は残ることが多いとされています。
認知症とどう付き合うか
認知症の原因は「脳の器質的な変化」です。症状の進行を緩やかにする薬はありますが、根本的に治す薬はまだなく、基本的には不可逆的なものです。
「忘れてしまうこと」を治すことはできません。
しかし周りの人がその人の認知症を受け入れることで、忘れても穏やかに過ごすことができます。
分からないことは丁寧に教えてくれる。
カレンダーに予定や出来事が書いてある。
自分の得意なことを活かせる場がある。
こうした安心感のある環境で生活できることで、本人は不安や怒りではなく、温かみのある感情をもって過ごすことができるのです。
おわりに
いかがでしたでしょうか。認知症について、初めて聞く方にも伝わるよう、私なりの言葉で説明させていただきました。
認知症は「忘れてしまう」ことが中心にありますが、忘れてもいい環境や安心できる人とのつながりがあれば、穏やかに過ごすことができます。
忘れてしまっても、心に残るものがあります。その温かみを大切にしていきたいものですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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