~デビルな自分も抱きしめよう~
教師をしていた頃、何人かの同僚の先生と気持ちについて話をする機会がありました。
今日は、その時のことを少しお話ししたいと思います。
まず、ネイティブのH先生。とても仲良くさせてもらっていた先生です。
日本が大好きで、私よりも日本のアニメや観光スポットに詳しいくらいでした。
彼は日常のちょっとした悩みをポツポツと話してくれるのですが、最後には必ず、
「もうあの件は大丈夫!」
「私は強くなった」
「ポジティブに考える」
そんな前向きな言葉で締めくくります。もちろん、それは悪いことではありません。でも私は、その言葉を聞きながら、
「もしかすると、まだ言葉になっていない気持ちもあるのかな」と感じることがありました。
また、とても明るく、誰とでもすぐに打ち解けるM先生も、同僚との行き違いについて話してくださいました。話を聞いているうちに、
「こんなふうに思う私は心が狭いです。もっと心を広く持ちます。」
と笑顔で話されました。これも、とても前向きで立派な考え方です。
でも、そのお二人のお話を聞きながら、私は昔の自分を思い出していました。
私もずっと、
「もっと前向きにならなきゃ。」
「こんなことで落ち込む自分はダメだ。」
そんなふうに、自分の本音を置き去りにしてきた時期があったからです。
だから今日は、そんな昔の自分にも伝えたいことを書こうと思います。
NO MORE ポジティブだけ思考
ポジティブになることは悪いことではありません。 でも、その前に、まずは、自分の本音を受け止めてあげてほしいのです。
私たちは小さい頃から、
「そんなこと思ってはいけません。」
「何をくよくよしているの。」
「そんなことをする子はダメ。」
「男の子なんだから泣いてはいけません。」
そんな言葉を、親や先生など周りの大人たちからたくさん受け取って育ってきました。 そのうちに、
「こんなふうに感じる自分はいけない。」
「こんなことを考える私は悪い。」
そうやって、自分の感情を疑うようになってしまいます。
学校でも、
「みんなと仲良くしましょう。」
「好き嫌いを言ってはいけません。」
そんな言葉をよく耳にしました。もちろん、その言葉自体が悪いとは思いません。
でも、その結果、
「あの人とは少し距離を置きたい。」
「今日は一人でいたい。」
そんな自然な気持ちまで、
「こんなことを思う自分はダメなんだ。」
と否定してしまう人も少なくありません。
私はまず、その気持ちを認めてあげることから始めてもいいと思うのです。 今日は、「他人は自分の鏡」というようなお話はしません。 それは、もっと先の段階のお話です。
それよりもまず、自分の中から湧き上がる感情を、そのまま見てあげること。 それが何より大切だと思っています。
「こんなことを思ってはいけない。」
「こんなふうに思う自分はダメ。」
そうやって感情を押し込めてしまうほど、心の奥にある本当の声は聞こえなくなってしまいます。
だから、
「自分ってこんなふうに思っていたんだ。」
「結構、腹黒いな。」
「あ、またずるいこと考えてる。」
「俺ってこんなに弱かったんだ。」
そんな自分に出会ったら、まずは笑いながら認めてあげてください。
デビルな自分も許してあげよう。 弱っちい自分も認めよう。
無理にポジティブにならなくても大丈夫。
もし今、H先生やM先生に会うことがあったら、私はこんな言葉を掛けるかもしれません。
「もっとデビルになっていいんですよ。」
「弱くてもいいんですよ。」
実は、この言葉は昔の自分にも伝えたい言葉なんです。
僕なんか、とんでもないことを思うし、意地悪だし、弱いし…。
でも一つだけ、大切にしていることがあります。
それは、どんな自分も否定しないこと。
心の中から湧き上がる感情は、どれも自分の一部です。
だからまずは、
「こんなこと思っちゃダメ。」ではなく、
「そう思っていたんだね。」 と、自分に声を掛けてあげる。
一つひとつの感情を見てあげる。感じきってあげる。
すると不思議なことに、その感情たちは抵抗することをやめ、少しずつ自分の一部として落ち着いていきます。
ここで一つだけ大切なことがあります。「感情を認める」というのは、自分の心の中で行う作業です。
それを他人にぶつけることとは違います。 私はよく、「心の棚卸し」というイメージで考えています。家の中を整理するように、
「あ、この感情もあった。」
「これはまだ必要かな。」
そんなふうに、一つずつ確認していく作業です。慣れないうちは、ノートやスマホのメモに書き出すだけでも十分です。
最初は、「こんなに否定的な感情があったんだ。」 と驚くかもしれません。 でも続けていると、不思議なことが起こります。
「そう思うのも無理ないよ。」
「今までよく頑張ってきたね。」
そんなふうに、自分を応援したくなってきます。
もし、「私は感情を全部出しているから大丈夫。」そう思っている人がいたら、少しだけ立ち止まってみてください。
もしかすると、本当に隠れているのは、悲しみや、寂しさや、傷ついた気持ちなのかもしれません。
強がっている自分のさらに奥で、置き去りになった小さな声が、今も静かに待っていることがあります。
だから今日、この記事を読んでくださったあなたが、
「私って、こんなこと思っていたんだ。」
そう気づけたなら、それだけで十分です。すぐに前向きになろうとしなくても大丈夫。
デビルな自分も、 弱っちい自分も、泣いている自分も、みんな、あなたの大切な一部です。
「そう思うのも無理ないよ。」
そんな一言を、自分自身に掛けてあげてください。
きっとそこから、置き去りにしてきた声が、少しずつあなたのところへ戻ってきてくれると思います。
一人で自分の声に耳を傾けることは、とても大切です。
でも、ときには一人では見つけられない声もあります。
そんな時は、誰かと一緒にゆっくり見つけていくことも、一つの方法です。
ココナラでは、ゆっくりお話を伺いながら、自分の本音や心の声を整理していく対話セッションをご用意しています。
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