1年更新等の有期労働契約(期間を定めて締結された労働契約)について、「正社員じゃないから、特に何もしなくても大丈夫」と考えていませんか?何度も契約更新したのに、突然、期間満了として退職させ、後にトラブルとなるケースもあります。
厚生労働省は、「有期労働契約の締結、更新、雇止め等に関する基準(雇止め基準)」を作って、このようなトラブルの防止を図っています。本記事では、雇止め基準について、解説します。
1 雇止めとは
雇止めとは、「有期労働契約の更新をせず、退職とすること」です。例えば、1年契約契約社員を雇い、1年後の契約更新の際、契約更新をせず、退職とするケース等が想像しやすと考えられます。
雇止めと解雇は、別のものです。解雇とは、「会社からの申し出による一方的な労働契約の終了」です。有期労働契約の場合、もともと、半年や1年等の期間が決まっており、期間満了の際、次の更新をするかしないか判断するものなので、契約期間の満了は、解雇とは別のものとなります。もっとも、契約期間の途中で、例えば、1年契約なのに、半年で雇用を打ち切りたい場合は、解雇の問題となります。
解雇と雇止めの違いにも、注意しておきましょう。
2 雇止め予告
下記のいずれかの有期労働契約を更新しない場合には、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をする必要があります。ただし、あらかじめ契約を更新しない旨が明示されている場合を除かれます。
――――――――――――――――――――――――――
(1)3回以上更新されている場合
2か月の有期労働契約を更新している場合の、4回目の契約です。
(2)1年以下の契約期間の有期労働契約が更新または反復更新され、最初に有期労働契約を締結してから継続して通算1年を超える場合
6か月の有期労働契約を更新している場合の、3回目の契約です。
(3)1年を超える契約期間の労働契約を締結している場合
1年6か月の有期労働契約を更新している場合です。
――――――――――――――――――――――――――
労働条件通知書に、契約更新の有無を記載する箇所がありますので、契約期間完了が近づいている場合、確認しておきましょう。
3 雇止め理由の明示
会社は、雇止めの予告後に、労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は遅滞 なくこれを交付しなければなりません。雇止めの後に労働者から請求された場合も同様です。 「雇止めの理由」は、契約期間の満了とは別の理由とすることが必要です。なぜ契約期間満了となったのか、その理由を記載するイメージです。記載例は、下記のとおりです。
――――――――――――――――――――――――――
●契約を更新しないことが合意されていたため
●更新回数の上限を設けており、本契約はその上限に係るものであるため
●担当していた業務が終了したため
●事業縮小のため
●業務を遂行する能力が十分ではないと認められるため
●職務命令に対する違反行為を行ったこと、無断欠勤をしたことなど勤務不良のため
――――――――――――――――――――――――――
4 契約期間についての配慮
会社は、契約を1回以上更新し、かつ、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態およびその労働者の希望に応じて、契 約期間をできる限り長くするよう努めなければならないとされています。
5 まとめ
雇止め基準ついて解説しました。当事務所では、雇止め基準のみならず、労務管理について、ご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。元労基署職員(労働基準監督官)の視点から、適切なご提案をさせていただきます。