もし私がここで右手にボールを持ち、
「これから未来を予知してみます。
このボールを話すと下に落ちるでしょう!」
と堂々と言い出すと、変人扱いされてしまいますね。
「何を言ってるんだ(当たり前だろう)」と。
ただこうなるとどうでしょうか?
「これから未来を予知してみます。
あなたは来年恋をするでしょう!」
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これはきちんとした未来予言に入りますね。
でも不思議なのは、どちらも「未来」の話であるはずなのに、
当たれば前者は「インチキ扱い」で
後者は「スーパーパワーの持ち主」になる。
理由は「ボールを離せば落ちる」のはあまりにも当たり前のことだからです。
人は「当たり前」に起こることを、いちいち「未来」とは捉えないのです。
「当たり前」は未来じゃなくて現在
高校生なら「学校に行く」のは当たり前、
会社員なら「会社に行く」のは当たり前。
だからわざわざ未来のこととして語る必要がないんです。
日本語でも英語でも、「当たり前のこと」は 現在形で表されます。
例えば、ボールを手に持っている状態で質問してみましょう。
Q: 「このボールを離したらどうなりますか?」
A: 「落ちます。」
この「落ちます」って、よく考えると現在形ですよね。
未来形は存在しない
"現在形"というのは、動詞の原型を現在という時制で使いたい時に、為す形のこと。
"過去形"というのは、動詞の原型を過去という時制で使いたい時に、為す形のこと。
つまり形を変えて時制を伝えるということです。
となると、日本語にも英語にも「未来"形"」というものはありません。
分かりやすくみていきましょう。
<動詞の原型「落ちる」>
- 現在の形 → 「落ちる」
- 過去の形 → 「落ちた」
では、未来の形は? → ない
つまり「未来"形"」という時制は存在しないんです。
英語の場合、
<動詞の原型「Drop」>
- 現在の形→「Drop」
- 過去の形→「Dropped」
では、未来の形は?→やっぱりない
分かりやすい一例として、スペイン語には未来形が存在します。
<動詞の原型「Caer」>
- 現在の形→「Caigo」(私は落ちる)
- 過去の形→「Caí」(私は落ちた)
- 未来の形→「Caeré」(私は落ちるつもりだ)
※日本語でも「落ちるだろう」や「落ちるつもり」などがありますが、
あくまで「落ちる」(現在形)に「だろう」や「つもり」が付いただけなので、
やっぱり「未来形」ではありません。
未来を語るには「条件」が必要
「未来形がない」といっても、もちろん未来の話はできます。
どうするかというと―― 条件 をつけるんです。
- 「ボールを離すと(条件)、落ちる(現在形)」
- 「明日(条件)、食べる(現在形)」
英語でも同じで、未来を語るときに will等が登場します。
どんなときに「条件」が出てくるのか?
答えはシンプルです。
「当たり前じゃないとき」 です。
例えば:
- 「日曜日だけど(条件)、会社に行く(現在形)」
- 「来年こそは(条件)、卒業する(現在形)」
ここには「通常とは違う」ニュアンスが含まれています。
まとめ
英語はただの言葉じゃない。
「世界の見方」がそこにある。
そして、あなたが何気なく使っている日本語もまた、
思っている以上に、深く、曖昧で、そして面白い。
英語と日本語。
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