占い師をやっていると、人の心のことに対する理解は大変深まります。しかしだからこそ、誰かのことを決めつけてしまわないように気を付けなければなりません。
確かに、西洋占星術を用いれば、その人の心の基礎となる部分がわかり、タロットカードを用いれば、現在の心理状況を読み取ることができます。ところが、それらはあくまで模式図のようなものであり、実際の「その人」ではないのです。
地図を用いればそこに至るまでの道順を知ることはできますが、実際の景色までは見ることができません。それと同じように、西洋占星術やタロットカードは便利で有用でも、決して人の心を体験することはできないのです。
そのため、私は占い結果のみならず、日常生活においても、グレーゾーンを用意するようにしています。白か黒かをはっきり決めず、曖昧なままの方が良いこともあります。特に占い結果におけるアドバイスなどは、具体的な方法を提案はしても、最終的にはご自身の意志で決めていただくのが良いと考えているのです。
占いは地図として方向と道筋を示す必要がありますが、それとは別の道を通ることで見えてくる景色もあるでしょう。地図を見たことで、別の目的地を目指したくなることもあるかもしれません。ですがそれでも良いのです。
「人間万事塞翁が馬」、それは占いであっても変わりません。占いは未来を知るものではなく、心を知るものだからです。グレーゾーンを持ち、柔軟な心を持つことで、人生にゆとりが生まれるのですね。