「相談するほどじゃない」と思っている疲れほど、話していい

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コラム
精神科看護師として20年、たくさんの方とお話ししてきました。
その中でいちばん多く感じてきたのが、本当にしんどい人ほど
「相談するほどじゃない」と言ってしまうです。
「もっと大変な人はたくさんいる」
「私なんかが弱音を吐いてはいけない」
「こんなことで誰かの時間を取るのは申し訳ない」
そう言いながら、家に帰った瞬間に何もできなくなる。
座り込んで、ぼんやりして、夕飯の支度すら遠く感じる。
「何もしていないわけじゃないのに、今日って何をしていたんだろう」と思いながら一日を終える。
実は、私自身もそうでした。看護師という仕事をしながら、「自分のしんどさは大したことじゃない」と長く思っていました。
でも、現場にいて分かったことがあります。
「相談するほどじゃない」と思っている疲れほど、話していい疲れなんです。

見えない疲れほど、自分でも気づきにくい

精神科の現場で、いろんな方の「疲れ方」を見てきました。
その中で気づいたのは、本当にしんどくなる前の段階って、本人にも周りにも見えにくいということです。
職場では普通に笑える。挨拶もできる。頼まれたことも引き受ける。家に帰っても、最低限のことは何とかこなす。傍から見ると「ちゃんとしている人」に見えてしまう。
でも、その人の中では、こんなことが起きていることがあります。
相手の表情を見ている。声のトーンを聞いている。空気を読んでいる。言葉を選んでいる。機嫌が悪そうな人に気を使っている。本当は嫌でも、波風を立てないように飲み込んでいる。
これは、勤務表にも記録にも残らない「目に見えない仕事」です。
誰かに「今日は大変だったね」と言われるような出来事がなくても、心のエネルギーは確実にすり減っていきます。
しかも、家に帰っても休めるとは限りません。家事、子どものこと、家族の話、明日の準備。自分のことは、いつも最後になる。気がついたら、自分のために使う力なんて残っていない。
それでも、職場では普通に動けてしまうから、「私はまだ大丈夫」と思ってしまう。

「ちゃんとしている人」ほど、限界が見えにくい

長く看護師をしてきて、ひとつ確信していることがあります。
本当にしんどい人ほど、笑えるんです。
これは、強がりとは少し違います。職場で笑えるのは、長年そうやって自分を保ってきた習慣だからです。スイッチを切り替えるのが上手な人ほど、職場の自分と家の自分が別人みたいに違う。
そして、こういう方ほど、自分の限界に気づきにくい。
「倒れていないから大丈夫」
「仕事には行けているから大丈夫」
「みんなに迷惑をかけていないから大丈夫」
そう思っているうちに、心の中だけが静かにすり減っていく。気がついた時には、朝起き上がれない、職場に行けなくなる、笑えなくなる、というところまで来てしまうことがあります。
そういう方を、たくさん見てきました。
だからこそ思うんです。倒れる前に、誰かに話していい。むしろ、「まだ大丈夫」と思える今のうちに、話してほしい。

話す内容が、はっきりしていなくていい

「誰かに話す」と聞くと、ちゃんとした悩みじゃないといけない、と思う方が多いです。
でも、本当に疲れている時って、話そのものがまとまらないものです。
「何がつらいのか、自分でもよく分からない」
「ただ、ずっと重い」
「職場のことを誰かに聞いてほしい」
「家族や友人には言いにくい」
「泣くほどではないけど、毎日しんどい」
こういう状態で大丈夫です。
むしろ、はっきりしないからこそ、ひとりで抱え込んでいると重くなる。
話すことで、頭の中で散らかっていたものが、少しずつ形になることがあります。
私が現場で関わってきた方たちも、最初から自分の状態を整理して話せた方は少なかったです。話しているうちに、「ああ、私はこれが嫌だったんだ」「ここに無理していたんだ」と気づいていく。それでいいんです。

言葉が出てこなくても大丈夫

話そうとしても、うまく言葉が出てこないことがあります。
「ちゃんと説明できるかな」
「途中で泣いてしまうかもしれない」
「同じ話を何度もしてしまうかもしれない」
「黙ってしまったらどうしよう」
そう思って、結局誰にも話せないまま帰る、ということもあると思います。
でも、疲れている時に、きれいに話せる人なんていません。現場で働いてきた私から見ても、最初から整って話せる方の方が珍しいくらいです。
途中で詰まっても、泣いても、同じ話を繰り返しても、それは「ちゃんと話せていない」のではなくて、それくらい疲れているということなんです。
前向きな結論にまとめる必要も、誰かを悪者にする必要も、自分を責める必要もありません。
ただ、頭の中で抱えているものを、少し外に出す。それだけでも、心の重さは変わります。

「このくらいで」と思う人にこそ、話してほしい
最後にお伝えしたいことがあります。
職場でも家庭でも気を張っている人ほど、自分の疲れを後回しにします。
「私より大変な人がいる」「相談するほどじゃない」と、自分のしんどさを小さく見積もる癖がついている。
でも、いろんな方を見てきて思うのは、疲れは小さいうちに気づいた方がいいということです。
大きくなってからでは、回復にも時間がかかります。
本人が「もう無理かもしれない」と思うところまで来る前に、少しずつ外に出していく方が、ずっと楽になりやすいんです。
職場では言えないこと。
家族に心配をかけたくなくて言えないこと。
友人に何度も同じ話をしている気がして、言いにくくなっていること。
そういう話を、安心して出せる場所があると、少し違ってきます。

私自身も、精神科看護師として働きながら、自分の疲れを後回しにしてきた時期がありました。だからこそ、「相談するほどじゃない」と思っている方の気持ちが、よく分かります。
ココナラで電話相談を行っています。話がまとまっていなくても、途中で言葉に詰まっても、否定せず急かさず、ただ聞きます。
必要な時だけ、思い出してもらえたらと思います。
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