いらっしゃいませお客様。
明治の偉人・渋沢栄一の書籍『「生き方」を磨く』を読書する時間があったので読んでみたんですよ。すると心に残るフレーズや内容が沢山あったので、お客様に少し紹介させてもらおうと思っています。
特に「成功」というものの捉え方について、現代の私たちが見失いがちな大切な視点を教えてくれる言葉に出会いました。150年以上も前に書かれた言葉なのに、まるで現代社会を見透かしているような鋭い洞察に、思わず心記に留めておきたくなったのです。
今日の「純喫茶こころ」では、そんな渋沢栄一さんの言葉と一緒に、「成功」や「生き方」について、ゆっくり考えてみませんか？
温かいコーヒーと共に現代の忙しい毎日の中で見失いがちな、本当に大切なものを見つめ直してみましょう。
1. 現代の「成功」への疑問
「オーナーさん、
最近SNSを見ているとお金持ちになった人ばかりが
『成功者』って呼ばれているような気がするんです」
「そうですね。渋沢栄一さんも同じことを感じていたようですよ。彼は
『正直に商売をしてお金を稼いだ人も、賭博でお金を儲けた人も同じ成功者としてもてはやすのはおかしい』
と言っていました」
「え、そんなことを？150年も前に？」
「ええ。渋沢さんはお金を稼ぐこと自体は悪いことではないけれど、
その手段や過程が正当であるかどうかが大切だと考えていたんです。
つまり、真の成功者とは
『人格者であり、より公の利益を考えている者』だと」
現代でも
高級車やブランド品を身につけた人を見ると「成功している」と感じがちですが、渋沢さんはその人がどのような道のりを歩んできたかを重視していたのですね。
2. 心が変わりやすい理由
「でも、お金があるかないかで、人って変わってしまいませんか？」
「そうですね。渋沢さんも『人の心はとかく、富貴と貧賤とによっていろいろ変わりやすいもの』と言っています。でも、それは『心に常道のない人で、知識を磨き徳行を収めることを怠っているから』だと」
現代風に言うなら、
お金や地位に振り回されてしまうのは、
自分の軸がしっかりしていないからかもしれません。
日々の小さな学びや、誠実な行動の積み重ねが、心の安定につながるのでしょう。
例えば、
約束を守る
人に親切にする
嘘をつかない——
そんな当たり前のことを大切にすることが
実は心を強くしてくれるのかもしれませんね。
3. 人生の不公平さと向き合う
人生には、どうしても理不尽なことがありますよね。
真面目に頑張っても報われないことがある一方で、ずるをしても成功してしまう人がいる現実。
（※この辺りについては、以前の記事でも詳しく触れていますので、よろしければそちらもご覧ください）
でも、それでも誠実に生きることの意味
渋沢さんは言います。
「たとえある人の行うところが全てその道理に当たり、一つとして欠点なくやってきても、ときには一生を不運のうちに送ってしまう場合もある」
これはとても厳しい現実です。
でも、だからといって不誠実になっていいわけではありません。
誠実に生きることの意味は、結果にあるのではなくその過程にあるのかもしれません。
正しいことをする
人を大切にする
嘘をつかない——
そうした行動は、たとえ目に見える成果がなくても、あなた自身の心を豊かにし、周りの人に温かさを与えます。
そして何より、夜眠るときに
「今日も自分らしく生きられた」と思えることが
どんな成功よりも価値のあることなのではないでしょうか。
4. 結果だけを求める危険性
「でも、やっぱり結果も大事ですよね？」
「もちろんです。でも、結果だけを追い求めるのは危険だと渋沢さんは警告しています」
現代では、
SNSの「いいね」や年収、フォロワー数など、数字で人を判断する風潮が強くなっています。でも、その数字の裏にある人間性や努力の過程は見えません。
渋沢さんは
「もし結果だけで成功失敗を論じるならば、人は結果にばかり重きを置くようになり、目的を達成するには手段を選ばずと、こっそり悪事も行い、最後は終わりよければすべてよしの境地に達するだろう」と言っています。
これは現代でも起こっていることですね。
数字を上げるためなら何でもする
見た目の成功のためなら人を騙してもいい——
そんな考えが蔓延すると、社会全体が殺伐としてしまいます。
5. 天命に安じる生き方
「じゃあ、どうやって生きていけばいいんでしょう？」
「渋沢さんは『とにかく人は誠実に努力して運命をまつのがよい』と言っています。そして『もしそれで失敗したら、自分の知力が及ばないためと諦め、また成功したら知恵が活用されたとして、成功失敗に関わらず天命に安じるがよい』と」
「天命に安じる…？」
「現代風に言うなら
『自分にできることを精一杯やってあとは自然の流れに任せる』
ということかもしれませんね」
失敗も成功もどちらも人生の一部として受け入れること。
これは簡単なことではありませんが心の平安につながる大切な考え方です。
現代でも実践できる「天命に安じる」具体的な方法：
・今日できることに集中し、明日のことは明日考える
・結果よりも過程を大切にする
・他人と比較せず、昨日の自分と比較する
・感謝の気持ちを忘れない
・完璧を求めすぎず、「今の自分で十分」と思う
最後に
渋沢栄一さんの言葉は、150年以上経った今でも私たちの心に静かに響きます。
本当の成功とは、
お金や地位だけではなく、誠実に、自分らしく生きることなのかもしれませんね。
また「純喫茶こころ」で、人生について語り合いましょう。
