ISO 13485「8.4 データの分析」って何をどう分析すればいいの?

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ビジネス・マーケティング
こんにちは。

今回は、ISO 13485:2016の中でも「何を分析すればいいのか分かりにくい」と言われる項目、8.4『データの分析』について、具体的な分析対象(インプット)を含めながら、実際の運用方法をご紹介します。

■ 8.4の目的って?
8.4では、組織が品質マネジメントシステム(QMS)の適切性、妥当性、そして有効性を確認するために、適切なデータを明確にし、収集し、分析することを求めています。

ポイントは次の通りです。

・どんなデータを分析するか明確にすること
・そのための手順(プロセス)を文書化すること
・統計的手法も含め、どんな方法で分析するのかを決めること
・分析結果は、必要に応じて改善につなげること

■ 分析すべき対象は決まっている
規格では、少なくとも以下の6つのインプットを含めて分析することが求められています。

フィードバック
顧客からの苦情、販売代理店の報告、アンケート、レビューサイトなど、外部からの意見・評価すべてが対象です。ポジティブな声も、改善のヒントになるため分析対象になります。

製品要求事項への適合性
出荷前検査での合否判定、性能試験の合格率など、製品が仕様通りにできているかどうかのデータです。

プロセスや製品の特性・傾向(改善の機会含む)
工程内不良率、歩留まり、リワークの件数、作業ミスの傾向など。ここでは「問題の兆候を早めに捉える」ことが目的になります。

供給者のパフォーマンス
納入不良の発生状況、納期遅延、サプライヤー監査の結果など。供給者の安定性は、自社の品質にも大きく影響します。

監査結果
内部監査・外部監査の指摘件数やその傾向、是正のスピードなど。何が繰り返し指摘されているかを見ることで、システムの弱点を知ることができます。

附帯サービスの報告(必要に応じて)
製品の修理履歴、保守サービスでの不具合情報、返却品の解析結果など。製品が市場に出たあとに何が起きているかを把握することができます。

■ 実際の運用方法
私たちの現場では、月に一度、各部門からデータを集めています。フィードバックは営業部やカスタマーサービスから、製品適合性は品質検査チームから、工程や供給者関連のデータは製造や購買部門から、それぞれ担当を決めて報告を受け取ります。

集まったデータは、品質保証部が集約し、前月や過去半年との比較をして傾向を分析しています。問題がありそうなところには注目し、必要に応じて関係部署と対策を検討します。

分析の手法は、難しい統計ではなくてもOKです。異常値を見つける、増加傾向を把握する、という基本的な観点で十分。ただし、繰り返し発生している問題には、パレート分析や傾向グラフなども使っています。

■ 改善にどうつなげるか?
8.4の条文では、「分析によって、QMSが適切・妥当・有効でないとわかった場合は、改善のインプットとして使うこと」と明記されています。

たとえば、監査で毎回同じ不備が指摘されているなら、それは改善の対象になります。製品の不良が増えていれば、製造工程や部品に問題がないか調査するきっかけになります。

つまり、データは“ただ集める”のではなく、“気づいて、動く”ための材料ということですね。

■ 記録を忘れずに
もうひとつ重要なのが、「分析の結果は記録として残すこと」です。分析したこと、使った方法、そこから出た結論とアクション。これらをしっかり記録しておくことで、次回の監査時にもスムーズに説明できます。

■ 最後に
ISO 13485の8.4は、「数字で品質を語る」ための基本です。最初は難しく感じるかもしれませんが、日々のデータを少しずつ見直していくことから始めてみてください。
「この数字、なんか変だな?」という気づきが、将来の大きなトラブルを防ぐ一歩になります。

「データを集めたら、終わり」ではなく、「データを活かす」が、8.4の本当の意味です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
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