「もっと社員の主体性を高めたい」というのは多くの経営者や管理職が抱える悩みです。特に、指示待ち人間としての歴が長いベテラン社員となると一筋縄ではいきません。1on1ミーティングなどでいくら強く指導しても、ほとんどの場合変化は一過性であり、長期的な行動変容を起こすことはできません。
そんなときは内発的動機を高めることが有効なのではないかと考えています。
内発的動機を高めることにより、仕事に打ち込む姿勢が変わり、主体性の高まりにつながります。実際に私はこのアプローチにより、ベテラン社員の主体性を高めることにつながり、組織の活性化を促すことができました。
今回はエッセンスの一部ではありますが、内発的動機を高める方法について紹介します。
1.内発的動機とは
まず、動機には、外発的と内発的の二つに分かれるという考え方があります。
・外発的動機:評価や給与のような外部刺激により高まるもの
・内発的動機:興味や関心などの内面から湧き出るもの
組織を運営する上では、ついつい外発的動機に偏ったアプローチをしてしまいがちです。高パフォーマンスな社員に対してはそれでいいのかもしれませんが、元々十分にパフォーマンスを出せていない社員に対してはそれではうまくいかないものです。そして、パフォーマンスが低い社員は得てして主体性が欠けているのではないでしょうか。
私は、低パフォーマンスな社員ほど、内発的動機付けを意識したアプローチが有効であると感じています。
2.内発的動機を強化する3つの要因
内発的動機を強化するためには、どのようにすればいいのでしょう。それは、次の3つの観点からのアプローチが必要である言われています。
・自律性:自ら決定して動かしているという感覚
・有能性:「私だからできた」と実感できる
・関係性:社内で交流があり、刺激し合える
上記を意識した取り組みを業務内に落とし込むわけですが、今回はコミュニケーション手法にフォーカスを当てたいと思います。
3.自律性を高めるコミュニケーション
自律性を高めるためには、直積的な業務指示を出すのではなく、本人に決定権を与えるように意識します。具体的には、『○○してください』ではなく、『この件についてどう思われますか?』や、『○○するという方法もありますが、いかがでしょうか』といった具合に、常に「決めるのはあなた」というメッセージを出し続けます。管理職は指示を出すことに慣れすぎているため、自然にできるようになるまで強い意志を持ち続けなければいけません。
4.有能性を高めるコミュニケーション
有能性を高めてもらうためには、「自分だからできた」という体験を強化するコミュニケーションが必要です。『○○さんのおかげです』、『さすが○○さんですね』といった声掛けが効果的であると思います。ただし、やたらにべた褒めするのではかえって逆効果になります。本人が得意としている分野に対して、成果が出た際にタイミングよく伝えることが大切です。よって、そのためには常にどのような業務に取り組んでいるのかをよく観察することが必要です。
5.関係性を深めるコミュニケーション
関係性を深めるために大事なのは相手へのリスペクトです。また、刺激しあうためには対等でなければなりません。これには、相手の良いところを見つける力が必要です。どんな人にでも長所・短所があります。管理職としては短所に目が行きがちですが、長所に集中する力を養いましょう。個人的な意見ですが、関係性を深めるためにプライベートな面(休日のゴルフや釣りなど)で仲良くなろうとする例をよく見かけますが、私は職場の中で関係性を構築することが大事であると思います。プライベートでの人間関係は、管理職として評価などの際に公平性を欠くリスクがあるからです。また、職場の中で長所を見つける力をつけてこそ、管理職としての人間力アップにもつながるのではないかと考えています。
6.まとめ
・内発的動機付けアプローチが主体性を高めることに寄与する
・内発的動機は、自律性、有能性、関係性の3つを意識する
社員の主体性を高めることに苦労しており、今までこのようなアプローチを意識したことがないようであれば、一度試してみてはいかがでしょうか。
最後に、職場の悩みはついつい身内で解決しようと考えがちです。しかし、実際には第三者の目を加え状況を整理すると解決への糸口が見つかることが多くあります。簡単に悩みが解決できない際には、抱え込まず、第三者に相談することをお勧めします。
近くに適任者がいないときには、国家資格キャリアコンサルタントにご相談してみてはいかがでしょうか。キャリアコンサルタントには守秘義務がありますので、安心して相談することができます。
筆者も国家資格キャリアコンサルタントの保持者ですので、お力になれそうでしたら、お気軽にご相談ください。