奨学金の志望理由書で、いきなり文章を書き始める必要はありません。
むしろ先に、
「なぜ奨学金が必要なのか」
「何を学びたいのか」
「なぜそれを学びたいのか」
「将来どう生かしたいのか」
を整理したほうがいいです。
ここが曖昧なまま文章だけきれいにしても、読み手には意外と伝わりません。
私は文章添削・作成を15年半続けてきましたが、志望理由書などを見るときに、単に「文章が上手いか」だけを見ているわけではありません。
むしろ、
「この人はなぜこの奨学金を必要としているのか」
「何を実現したいのか」
「その理由に本人の経験がつながっているか」
といった内容のつながりを重視します。
奨学金の志望理由で、まず整理したいこと
まずは次の4つを考えてみてください。
・なぜ奨学金を希望するのか
・何を学びたいのか
・なぜそれを学びたいのか
・学んだことを将来どう生かしたいのか
最初から文章にする必要はありません。
箇条書きで構いません。
例えば、
「大学で○○を勉強している」
「高校時代に○○を経験した」
「その経験から○○に興味を持った」
「将来は○○に関わりたい」
「そのために○○をさらに学びたい」
というように、自分の経験や考えを書き出してみます。
その後で、それぞれをつなげていきます。
大事なのは「奨学金が必要」だけで終わらせないこと
奨学金の申請なので、経済的な事情を書くことはもちろん重要です。
ただ、
「学費の負担が大きいため、奨学金を希望します」
だけでは、あなたが何を目指しているのかまでは伝わりません。
例えば、
「奨学金によって学業に集中できる」
「研究に必要な時間を確保できる」
「資格取得のための学習を継続できる」
など、奨学金を受けることで何が可能になるのかまで考えてみる。
ここまで書けると、単なる「お金が必要」という話から、「この奨学金を受けて何をしたいのか」という話になります。
「立派なこと」を書こうとしなくていい
ここも意外と重要です。
奨学金の志望理由だからといって、特別に立派な経験や大きな目標を作る必要はありません。
むしろ、自分が実際に経験したことを書くほうが伝わります。
例えば、
「以前から医療に興味がありました」
だけでは、なぜ医療なのかが分かりません。
そこで、
「家族の入院を経験し、医療従事者の仕事を身近に感じた」
という具体的な経験があれば、
「その経験から医療について学びたいと考えるようになった」
とつなげられます。
もちろん、これは実際に経験したことを書くのが前提です。
文章を良く見せるために、経験を作ってはいけません。
「きれいな文章」だけでは足りない
奨学金の志望理由書でありがちなのが、文章としてはきれいなのに、内容があまり残らない文章です。
例えば、
「将来の目標を実現するため、日々努力しています」
「社会に貢献できる人材になりたいと考えています」
「専門的な知識を身につけ、自己成長につなげたいです」
こうした表現自体が間違っているわけではありません。
ただ、誰にでも当てはまる表現が続くと、その人自身の経験や考えが見えにくくなります。
文章をきれいにする前に、
「自分の場合は何なのか」
を具体的にすることが大切です。
文章の流れを一本につなげる
志望理由を書くときは、次のような流れを意識すると整理しやすくなります。
「これまでの経験」
↓
「そこから生まれた関心」
↓
「現在学んでいること」
↓
「奨学金を受けて取り組みたいこと」
↓
「将来の目標」
全部をこの順番にする必要はありません。
ただ、それぞれがバラバラになっていないかは確認してみてください。
「なぜその分野を学ぶのか」と「なぜ奨学金が必要なのか」と「将来何をしたいのか」がつながっているか。
ここを確認すると、文章全体の説得力が変わってきます。
文字数が少ない場合は、全部を書こうとしない
400字、600字、800字など、奨学金の申請書には文字数制限があることもあります。
この場合、思いついたことを全部入れると、かえって伝わりにくくなります。
限られた文字数なら、
「この文章で一番伝えたいことは何か」
を先に決める。
そのうえで、重要度の低い説明や同じ内容の繰り返しを削っていきます。
文字数を合わせるために無理に言葉を足すのではなく、必要な内容を残して整理することが大切です。
AIで志望理由書を作る場合は注意
ChatGPTなどを使えば、志望理由書のたたき台を作ることもできます。
実際、文章作成の負担を減らすという意味では便利です。
ただ、AIに作ってもらった文章をそのまま提出するのはおすすめしません。
AI文章では、
・表現がきれいすぎる
・似たような言い回しが続く
・抽象的な表現が多い
・本人の経験とのつながりが弱い
・実際には使わない言葉が入っている
といったことがあります。
特に志望理由書では、「文章としてきれいか」だけでなく、「本人の経験や考えがきちんと伝わるか」が重要です。
AIでたたき台を作った場合も、最後は自分の経験と照らし合わせて確認してください。
書き始める前に、この5つをメモしてみる
何を書けばいいか分からない場合は、まずこの5つだけ書いてみてください。
① 今、何を学んでいるか
② これまで何を経験してきたか
③ なぜその分野を学びたいのか
④ 奨学金を受けたら何をしたいか
⑤ 将来、何につなげたいか
文章になっていなくても大丈夫です。
むしろ最初は、思いついたことを箇条書きにしたほうが、自分の考えを整理しやすいこともあります。
そこから不要な部分を削り、順番を整え、文章にしていきます。
最後に確認したいこと
完成した志望理由書は、次の点を確認してみてください。
「なぜこの奨学金を希望するのか」が分かるか。
「何を学びたいのか」が具体的になっているか。
「自分の経験」と「現在の学び」がつながっているか。
「将来どう生かしたいのか」が伝わるか。
そして何より、
「これは本当に自分の経験や考えを書いた文章か」
を確認してください。
文章をきれいにすることは、その後です。
志望理由書は、きれいな文章を書くことが目的ではありません。
自分の経験や考えを整理して、読み手にきちんと伝えることが目的です。
bunsyokaでは、奨学金申請書・志望理由書・奨学金エッセイ・学修計画書・研究計画書などの文章添削・作成に対応しています。
原稿が完成していなくても、メモや箇条書きの段階からご相談いただけます。
「何を書けばいいのか分からない」
「自分の経験をうまく文章にできない」
「この文章で伝わるか確認してほしい」
という場合も、お気軽にご相談ください。