【注意事項】
これから書くことは前回と同じく
子供が欲しい方や、子供を持つことが自然な考え、という方にとっては、おそらく不快な内容になると思います。
特に精神的に センシティブな状況にある方は、読み進めるのをおやめになった方がいいかもしれません。
ご了承のうえお進みくださいませ。
『産みたかった』の感情が沸かなかった私
この世界に新しい命を作り出すことに対して、いわば 恐怖の感情に近いものを持っていると、自分で思う。
36歳で子宮体癌になり、子宮と卵巣を摘出すると決まった時に一瞬頭をよぎったのは
『もうこれで本当に子供を産めなくなるんだな、可能性は0になるんだ』という、寂しいような気持ち。
どのみち、私の子宮の中は既に癌だらけで使い物にならなかったが…
でも『こんなことになるんなら、もっと早いうちに産んでおくべきだった』とは少しも思わなかった。
一瞬 感じたこの寂しさは、今までずっと一緒にいた臓器がぽっかりなくなってしまう、という事実に対しての感情だったのかもしれない。
そして手術が終わった後、諸々の事が落ち着いてまた『子供を産むこと』について考える余裕ができた時。
改めて出てきた感情は
【これでやっと、本当の意味で子供を産めなくなった。自分の子供というものが存在しない人生が確定した。】
【これでやっと、子供を持つかどうかで悩み苦しむ必要がなくなる。
私は産めないんだから仕方ない、という現実。
親にも周りにも、そして自分自身にも、言い訳できる揺らぎようのない理由ができた。】
このニュアンスからわかる通り
私は物理的に子供が産めなくなったことで、真の意味で肩の荷が降りたんだと思う。
癌になる前に、とある女性に対してのインタビュー記事を見た時に
『私はもともと子供を産もうと思えなかった。
40歳を過ぎて、 結婚や出産に対して周りから何も言われなくなって、やっとホッとした。』という一文を見たことがある。
この『ホッとした』という表現が、まさにその当時の私にはぴったりすぎるものだった。
私も早くこの境地に達したいと思った。
そして今、図らずもその願いが叶った。
『心配という名目の圧』は結構苦しい
少し話がそれるが
結婚相談所で活動していた時に、成婚者のインタビューで
『結婚して一番良かったことは何ですか?』という項目がたまにある。
もちろん 将来の伴侶、家庭を築く相手を見つけられたという事だが、それ以上に私の印象に残ったのは
『これでやっと婚活を終わらせられた事。』
なんならこれを一番の理由としてあげている人もいる位だった。
私自身も優しい夫と出会えたことと同時に
これでやっと『既婚者枠』に入れたんだ。
これでもう『結婚しろ』の圧から解放されるんだ。という事実が、かなり嬉しいものであった。
この言葉が出てくる人はきっと周りから散々
『結婚はまだなの』
『子供は早く作った方がいい』
『一生一人なんて寂しいよ』
『親が心配するよ』
という類の言葉を言われてきたんだと思う(言葉はない場合もあり)。
そんなの気にしなければいいと言われればその通りだし、実際気にせずに独身貴族を貫く人だっている。
でも気にしてしまう人にとっては
この【本人が決めることではあるけど、でもねぇ…】というサイレントの圧が
真綿で首を絞めるように本人にまとわりつき続ける。
正直、私は自分の親に対して
『そんなに結婚して欲しいなら、相手を探して私の前に連れてきてくれよ』と思ったことがある。
昔みたいに、周りが勝手に男女をくっつけてくれる方がよっぽど楽だったのでは?と今でも思う。
相手を探しなんて、もちろん自分がするべき事なのはわかっている。
でも、そんな 反骨心を抱いてしまうほどに『結婚出産の圧』は当人にとっては苦しいものであったりする。
子供を持つことの何がそんなに怖いのか
なぜ私はこんなにも 自分の子供を持つことに対して消極的なのか、何をそんなに恐れているのか?
経済的な問題や出産そのものへの恐怖、妊娠期間中の不便などが嫌、というのも理由としてよく挙げられるが、私の場合そういうレベルの話ではない。
自分をロールモデルにして育つであろう【第3の存在】を、どうしても産み出したくない。
どうしてもいいイメージを持てないのだ。
歳を追うごとに心の器も少しずつ広がってきて、割と何でも受け入れられるようになってきた、と自分では思う。
それでも子供のことだけは、頑として気持ちが変わらない。
ここまで頑ななのは、本当になんで❓️
自分でも不思議でならない。
ネットの海の中で見つけた『これだ!』の答え
何かヒントが見つからないかと思い、子育て関連の記事をさまよっていた時。
【子育てとは、子供を通じて自分の人生をもう一度やり直す作業】という一文を見つけた。
これだ、と思った。
もう一度、1から人生をやり直すなんて私は絶対に嫌だ。
小学校高学年から高校あたりまで、私はクラスのほとんどの人間からいじめられていた。
もしも自分の子供が同じ思いをしたら❓️
話を聞くことはできるけど、その苦しみを取り除くことは私にはできない。
苦しんでいる子供を、ただそばで見守ることしかできないと思う。
(経験上、それだけでも本当に支えになるが)
自分の子が苦しんでいるのを見るのはとても辛いし
何よりもそれを通じて、当時の感情を強制的に思い起こさなければいけないという事実が、私にとっては耐えがたいほど嫌なことだ。
40年近く生きて今やっと、心身ともに平和になったのに
また昔の、感情のアップダウンに振り回されていた時期に戻るなんてまっぴらごめんだ。
これで私の恐怖に対する一つの結論が出たと思う。
【忌々しい過去にどんな形であっても絶対に戻りたくない。
長い年月をかけてやっと得た心の平穏を、もう絶対に乱されたくない。】
これはもう子育て云々の話ではなく、私自身の問題。
本気でこれを解決するなら、長期間のカウンセリングレベルの話だと思う。
でも今のままなら過去に蓋をしたまま、パンドラの箱は閉じたままでいられる。
だから別に、私はこのままでいいと思っている。
私にとって子供を産まないという選択は、これからの人生の平穏を守るための一つの手段なのだ。