TOEFL精読シリーズ ③ : 第三段落

TOEFL精読シリーズ ③ : 第三段落

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学び
アフリカに農業が伝わったのは、西アジアの近東や地中海地域からでした。これが第一段落の内容でした。

続いて第二段落では家畜について語られます。羊、山羊、馬、そして最後にやってきたのがラクダ。とりわけこのラクダの登場が、サハラ砂漠を“障壁”から“交易路”へと劇的に変えるきっかけとなりました。

そして次に登場するのが「鉄」。農業、家畜、そして鉄へ——。こうしてアフリカに先端技術が次々と伝わってきたという歴史の流れを、この第三段落では追っていきます。

この第三段落には設問はついていません。したがって、TOEFL のリーディングで30点中20点を目指すだけであれば、読み飛ばしてしまっても大きな支障はないかもしれません。でも、25点以上を狙うなら、きちんと読み、しかも「高速で・正確に・記憶に残る」読み方を意識したいところです。

それでは、読み始めていきましょう。


第一段落を詳しく読まれたい方は

第二段落を詳しく読まれたい方は

にいらして下さい。


可能な範囲で結構です。ご自分お一人で一読されてみてください。

その後、ご一緒に英文を読むセッションを設けます。お一人で読まれた時とご一緒に読む時の頭の動きの違いに注目されて下さい。

Iron came from West Asia, although its routes of diffusion were somewhat different than those of agriculture. Most of Africa presents a curious case in which societies moved directly from a technology of stone to iron without passing through the intermediate stage of copper or bronze metallurgy, although some early copper-working sites have been found in West Africa. Knowledge of iron making penetrated into the forests and savannahs of West Africa at roughly the same time that iron making was reaching Europe. Evidence of iron making has been found in Nigeria, Ghana, and Mali.

今度はご一緒に。


では第一文から。

Iron 
鉄は

came 
やってきた

from West Asia, 
西アジアから


although 
(S' が V' する) けれども


S' = its routes of diffusion 
S' = その拡散のルートは

V' = were 
V' = だった

C' = somewhat different 
C' = 幾分異なった状態

than those of agriculture.
農業のそれらとは

→ 鉄は西アジアからやってきた。その拡散ルートは農業のそれとは幾分異なっていたが。


この those は routes、農業の拡散ルートを指します。

be different from A で「 A とは違う」とう意味を表します。今回はこの from の代わりに than が使われていますが、意味に大差はありません。be different than A でも「 A とは違う」という意味を表します。

復習代わりに、これと同じ英文を少しだけ違う角度から検討してみます。追加情報をお届けできるかもしれません。

違う角度からもう一度。追加情報付き。


第三段落の 第一文:

Iron came from West Asia, although its routes of diffusion were somewhat different than those of agriculture.


🧠 1. 直訳(意味・文法の区切れごとに)

Iron
 鉄は(主語)

came
 やってきた(動詞)

from West Asia,
 西アジアから(前置詞句)

although
 ~だけれども(接続詞:逆接)

its routes of diffusion
 その拡散ルートは(主語)

were
 ~であった(動詞)

somewhat different
 いくらか異なっていた(形容詞句)

than those of agriculture.
 農業のそれらとは(比較対象)

この “those” は直前の “routes” を受けていて、「農業の拡散ルートたち」と訳せます。

🌏 2. まとめの訳


鉄は西アジアからやってきたが、その拡散ルートは農業のそれとはやや異なっていた。

🔍 3. 文法・語法・語彙知識


Iron came from ~
 非常にシンプルな SVM 文型。TOEFL レベルでも、基本の構文ほどさらっと読まれてしまいがちですが、こういう部分の理解の積み重ねが大事。

Iron(S:主語)

came(V:完全自動詞)

from West Asia(M:場所を表す前置詞句で、副詞的に「どこから来たか」を修飾)

→ 第一文型(SV)+副詞句(M) です。

💡補足:
come や go などの自動詞は、文の骨組みとしては目的語(O)を要することなく、それだけで完結します。

その後ろに「どこから/どこへ」などの副詞句(from や to を含む)を付け加えることはよくありますが、それはあくまで修飾語句です。

✅ コメント

Iron came from ~
非常にシンプルな SVM(第一文型+修飾語) 構文。
TOEFL ではこうした基本構文の積み重ねが読解の精度を支えます。

一見簡単なようでいて、正確に品詞・文型を捉える力が後半の難解な構文理解にもつながっていきます。

although + S' + V' 
 「 S' は V' するけれども 」「 S' が V' するとはいえ 」などの逆接を示す接続詞が although です。ここでは 2 つの情報(「鉄が西アジアから来た」と「拡散ルートが農業と違う」)を対比して、「その拡散ルートは農業のそれらとは異なるけれども、鉄は西アジアからやってきた。」という意味を表しています。

routes of diffusion
 「拡散のルート」「伝播の経路」。
 “diffusion” は「拡散」「広まり」。科学用語として「拡散作用」なんかでも出てきますが、TOEFLでは「文化や技術の広まり」といった意味でよく使われます。

somewhat
 「いくらか」「やや」。語調を柔らかくする副詞で、TOEFL では頻出。

different than

 通常は “different from” が正統派ですが、米国英語では “different than” も非常に一般的。

 TOEFL や SAT、GRE では見かけることがあります。

those of agriculture
 この “those” は「routes(ルート)」の複数形を受けており、「農業の拡散ルートたち」という意味。


✍️ 4. 学習ポイント

この一文は短くてシンプルながらも、内容はしっかりしていて、読み飛ばすには惜しい情報が詰まっています。

内容的には...
 「鉄も外から来た、でも農業の広まり方とは違った」
 ということを伝えています。つまり、鉄の技術がアフリカに到達する経路やタイミングが、農業とは別だったということですね。

TOEFLらしさとしては...
 歴史や文化の技術的移転(transmission)の多様性を扱っていて、非常に「らしい」テーマ。こういった部分の読解力が、25 点以上を狙う際に差を生む時のポイントです。

では第二文に参ります。

第二文も同じように精読してみましょう。第二文を確認いたします。

第二文: "Most of Africa presents a curious case in which societies moved directly from a technology of stone to iron without passing through the intermediate stage of copper or bronze metallurgy, although some early copper-working sites have been found in West Africa."

1. 直訳 (意味上・文法上の区切れ目ごとに)

Most of Africa
アフリカのほとんどの部分が(主語)

presents
を提示する、を示す(他動詞)

a curious case
一つの奇妙な事例(目的語)

in which
その中で(前置詞+関係代名詞 which )

societies moved directly
社会は直接移行した
(前置詞+関係代名詞「which」に続く 

・ S' = 社会 ( socieity )、
・ V' = 移行した ( moved )、
・ M' = 直接、直に ( directly ) 

という部分)

from a technology of stone to iron
石の技術から鉄に
(前置詞句)

without passing through 
を経ることなく(前置詞句)

the intermediate stage of copper or bronze metallurgy
銅や青銅の冶金(やきん)という中間段階

although
some early copper-working sites 
have been found 
in West Africa

いくつかの初期の銅の加工地が
西アフリカで
見つかっている
けれども
(接続詞 although を用いた逆接)

2. まとめの訳

アフリカのほとんどの地域では、社会が石の技術から鉄の技術に直接移行したという奇妙な事例が示されているが、銅や青銅の冶金という中間段階を経ることなく移行した。ただし、いくつかの初期の銅加工遺跡が西アフリカで発見されているけれども。

3. 文法・語法・単語知識

(1) presents
presents には「を提示する」や「を示す」という意味があります。この場合、"presents a case"(事例を示す)の形で使われています。

(2) a curious case
curious には「奇妙な」や「興味深い」という意味があり、文脈によってニュアンスが異なります。ここでは「奇妙な事例」という訳が適切です。

(3) in which
この表現は「その中で」と訳されます。関係代名詞 which が前の名詞 case を指し、それを説明する形になります。

(4) moved directly
directly には「直接的に」という意味があります。ここでは「直接移行した」という意味です。

(5) without passing through
「without + 動詞の ing 形」 で「~することなく」という意味を表します。ここでは passing through で「を経ることなく」という意味を表します。

(6) intermediate stage
intermediate は「中間の」という意味です。intermediate stage で「中間段階」となります。

(7) copper or bronze metallurgy
metallurgy は「冶金」という意味です。ここでは「銅や青銅の冶金」と訳されています。metallurgy の最初の5文字が metal、「メタル」ですね。これで何か金属に関わる内容を表す語だなということが類推できれば、この単語を知らなくても本文を問題なく読み進めることができるでしょう。

(8) although
接続詞 although は後に S' と V' で始まる完全文を従えて、「 S' は V' するけれども」「 S' は V' するにもかかわらず」という、逆接の内容を意味します。

(9) have been found
「have been + 過去分詞」の形は現在完了形で、過去から現在に至るまで続く状態を表します。この場合、「見つかっている」という状態が続いていることを示しています。

4. この1文の内容をしっかり頭の中でまとめましょう。

この文では、アフリカにおける鉄の技術導入が「石の技術から鉄の技術に直接移行した」という珍しい事例として紹介されています。また、その過程で「銅や青銅の冶金段階を経ることなく」という点も注目されています。しかし、逆接の形で「西アフリカには初期の銅加工遺跡が見つかっている」とも述べられており、すべての地域でこの移行が均一ではないことを示唆しています。

このように、意味と文法の両面からきちんとした検討を行って読み進めることが、精読を行う時の鍵となります。このアプローチで読み進めることで、英語の構造を正しく把握し、また語彙や文法知識も強化され、そして何よりも、英文を速く正確に読むことができるようになります。

では第三文に参ります。

第三文も同じように精読してみましょう。第三文を確認いたします。

第三文: Knowledge of iron making penetrated into the forests and savannahs of West Africa at roughly the same time that iron making was reaching Europe.

1. 🔸直訳(意味上・文法上の区切れごとに)

Knowledge of iron making
鉄の製造に関する知識が(主語)

penetrated
浸透した/入り込んだ(動詞)

into the forests and savannahs of West Africa
西アフリカの森林地帯およびサバンナ地帯に(前置詞句)

at roughly the same time 
ほぼ同じ時期に(副詞句)

that iron making was reaching Europe
鉄の製造技術がヨーロッパに到達していたのと

関係副詞 that 以下の1行が the same time を修飾しています。
先行詞を the same が修飾しているため、
その the same と一緒に使われることの多い as が
関係副詞としてこの that の代わりに使われることも多いのですが、
この文では that が用いられています。

類似の例文を出しておきましょう。

He took his first breath 
at the same time 
as his mother took her last.

He took his first breath 
at the same time 
that his mother took her last.

どちらも「 彼が最初の息を吸ったのと同時に、母は最後の息を吐いた。」という意味を表しますが、that を使った方が少しフォーマルな印象になるようです。さすがは TOEFL の英文!

生命の始まりと終わりが交差する。命ある限り誰もが関係する瞬間を描いてみました。

2. 🔸まとめの訳

鉄の製造に関する知識は、西アフリカの森林地帯やサバンナ地帯に広がっていったが、それはほぼ同じ時期に鉄の製造技術がヨーロッパに到達していた頃と重なっていた。

3. 🔸文法・語法・単語知識

(1) Knowledge of iron making
「~に関する知識」という表現。of は「〜の」ではなく「〜に関する」と訳すのが自然。

(2) penetrated into ~
「〜に入り込む」「〜へ浸透する」。物理的な意味だけでなく、抽象的な「技術が広まる」といった文脈でも使える。

(3) West Africa
地名なので大文字始まり。「西アフリカ」。

(4) at roughly the same time
「ほぼ同じ時期に」。roughly は「おおよそ」「およそ」という意味の副詞。TOEFL 頻出語。

(5) that iron making was reaching Europe
この that は関係副詞で、直前の the same time を説明。「その時期に鉄製造がヨーロッパに到達していた」となる。この本文では、先行詞に the same が含まれることから、関係副詞として that の代わりに as を用いることも多い。

4. 🔸この1文の内容をしっかり頭の中でまとめましょう。

この文では、鉄製造技術に関する知識が西アフリカの広大な地域に伝播していった様子が描かれています。注目すべきは、その時期がヨーロッパに鉄製造が伝わった時期と「ほぼ同じ」だったという点です。つまり、西アフリカにおける鉄の普及は決して「遅れていた」わけではなく、同時並行的に起こっていた可能性があるという示唆が含まれています。

これは、アフリカの技術史に対する一面的な見方を修正する上で非常に重要な文です。英語の構造としては複雑すぎず、しかし内容的には深く、TOEFL リーディングにふさわしい一文と言えるでしょう。

では、第四文に参ります。


第四文も同じように精読してみましょう。第三文を確認いたします。

第四文: Knowledge of iron making penetrated into the forests and savannahs of West Africa at roughly the same time that iron making was reaching Europe.

1. 🔸直訳(意味上・文法上の区切れごとに)

Evidence of iron making
鉄の製造の証拠が(主語)

has been found
見つかっている(現在完了形:動詞)

in Nigeria, Ghana, and Mali.
ナイジェリア、ガーナ、そしてマリで(前置詞句)

2. 🔸まとめの訳

鉄の製造に関する証拠は、ナイジェリア、ガーナ、そしてマリで見つかっています。

3. 🔸文法・語法・単語知識

(1) Evidence of iron making
「鉄の製造に関する証拠」。evidence は不可算名詞で、「証拠」「証明」ないしは「痕跡」という意味。ここでは鉄の製造に関する物的証拠を指しています。

(2) has been found
現在完了形の受動態(have/has + been + 過去分詞)。found は「を見つける」という意味の他動詞 find の過去分詞形です。Evidence of iron making has been found で、「鉄作りに関する証拠が見つかっている」という意味を表します。

「現在完了形 + 受動態」の形で、過去に発見された証拠が現在まで続いていることを示しています。この形を使うことで、証拠が今もなお意味を持ち、発見された事実が現在の状況にも影響を与えていることが強調されています。

(4) in Nigeria, Ghana, and Mali
これらは西アフリカの国名。地名が並列されているため、カンマで区切られている。TOEFLでよく登場する地域名。また、これらの国々は鉄製造の証拠が発見された場所であり、この情報が文中の核心となっています。

4. 🔸この文の内容を頭の中でしっかりまとめるとこうなります。

この文では、鉄の製造に関する証拠がアフリカの3つの国(ナイジェリア、ガーナ、マリ)で発見されたことが述べられています。特に「現在完了形」の使い方に注目すると、証拠が発見され、現在もその事実が重要であることが強調されています。これにより、鉄製造技術がアフリカの異なる地域で広まっていたことが、物的証拠を基に確認されているという意味が頭に残れば大丈夫です。

お疲れ様でした。これで第三段落終了です!

農業、家畜、鉄という紀元前の世の中では先端技術だったもの、現代風に申せばキラーコンテンツがどこから伝わってきたか。それは皆西アジアから伝わってきたことがわかっているというお話でした。いかに西アジアが先進地域だったかがよくわかります。


次回は第四段落です。第四段落には設問もあります。お楽しみに!
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