遺産相続とは、亡くなった人の財産、つまり遺産を残された家族が受け継ぐことで、遺産の受け継ぎ方法はすべて法律で定められています。
また法律の定めとは別に、遺産を誰がどのような割合で受け継ぐかについては法律の定めに関係なくすべて話し合いで決めてよい、 とも定められています。
これに従って、話し合いをして父親の遺産相続放棄を決めた60代の兄弟ですが、思わぬ失敗の原因が出てきました。
その原因とはいったい何だったのでしょうか?
この動画では、遺産相続を放棄して失敗した事例をご紹介し、解決策もご紹介します。
しっかり理解すれば、遺産相続放棄で困ることはなくなるでしょう。
知らなかったでは済まない遺産相続の恐ろしさ
「遺産相続」で一般の方があまり知らないこととしては、 次のようなものがあります。
・金額の多い少ないに関係もなく、人が亡くなったら自動的に必ず発生する。
・法律を知らなかったということは何の関係もなく、人の死を知ったときから始まる。
・財産、借金、借金の保証人の地位など、なにもかも引き継いでしまう。
「親に財産がないから遺産相続は関係ない」
「自分は何ももらうつもりがないから遺産相続は関係ない」
と勘違いをしている人が非常に多いのです。
日本を含む世界の先進国のすべてで、「法律」は成人になれば知っているものとして扱われています。
日本では「法律を知らなかった」という言い分がいっさい通らないのです。
また、相続財産を受け継ぐ権利と義務のある人のことを相続人といい、「誰がなるか」や「どんな順番か」についてもすべて法律で定められています。
相続について決めておかないと…
相続放棄とは、亡くなった人の財産について相続の権利を放棄することです。
相続放棄が認められると、法律的には相続人ではないとされ、今後いっさい相続手続きに関われなくなります。
都内在住の61歳のAさんと2歳年下の弟さんも相続放棄で失敗をしてしまったのでした。
北関東出身のAさんは地元の高校を卒業後に関西の大学に進学しそのまま関西で就職をしました。
同じ会社で働く奥さまと結婚後は、奥さまの実家で奥さまのご両親と同居していました。
Aさんには2歳年下の弟さんがいましたが、弟さんは東京の大学に進学した後に就職をし、そのまま東京でご家庭を持たれていました。
そのため北関東のご実家には、Aさんのご両親が2人で暮らしていました。
しかし、Aさんが60歳になったとき、お父さまが事故で急死してしまったのです。
ご両親は持ち家に住んでおり、持ち家と250万円の現金預金、父親の生命保険金1,000万円が相続財産でした。
Aさん兄弟はお互いに自立していましたし、母親と同居できないという負い目がありました。
母親はこれから施設に入る予定でしたので、母親のこれからの生活を考えると、お金は多くあった方がいいだろうと思い、Aさん兄弟は2人で話し合い、お母様に遺産を全部あげようということにしました。
思ってもいなかった他の相続人
お母様に遺産を全部あげようと決めたAさん兄弟は、自分たちが受け取らないように相続放棄をしてしまいました。
確かに、場合によっては相続放棄をすることで、他の相続人に全部の遺産を相続させることはできます。
他の相続人が母親一人ならば、Aさん兄弟の相続放棄は成功でした。
しかし、思わぬ失敗の原因になってしまったのが、お父さまの3人の兄弟たちでした。
法定相続人という民法の規定があり、お父さまが亡くなった場合の相続人は、お母さまとAさんご兄弟です。
Aさんご兄弟が全員相続を放棄した場合には、次の候補であるお父さまのご両親が相続人になり、お父さまのご両親が既に亡くなっている場合には、Aさんのお父さまの兄弟姉妹が相続人となってしまうのです。
そのことをAさんご兄弟は知らなかったのです。
普段付き合いがないにも関わらず、お父さまの3人の兄弟たちは、自分たちが相続人になったことを知ったとたんに遺産分割を要求してきました。
Aさん兄弟は遺産放棄を取り消そうとしましたが、正式な手続きを経たものなので取り消せるはずもなく、結局、父の兄弟の法定相続分の1,000万円を生命保険金から支払うことになってしまいました。
1,000万円の生命保険金と500万円の現金、持ち家を売った代金があれば、お母様を贅沢で快適な施設に
入れられるはずでした。
しかし、Aさん兄弟が遺産放棄をしてしまったことで、Aさん兄弟とお母さま3人にくるはずだった遺産が1,000万円も少なくなってしまったのです。
お母さまが全部受け取れるようにわざわざ相続放棄の手続きをとったのに、思いもよらないような悪い結果になってしまいました。
こんなことにならないためには?
Aさんたちのような失敗をしないようにするには、どうすればよいのでしょうか。
まずは、専門家に相談することです。
Aさんご兄弟が失敗してしまった原因は、自分だけで判断して行動したことです。
相続放棄ができることだけは知っていたので、簡単に考えてしまったことが悪かったのです。
相続放棄の期限は3ヶ月です。
相続放棄は相続することを知ってから、3ヶ月以内に家庭裁判所に届け出ることになっています。
ご家族が亡くなった後のご遺族は非常に慌ただしいものです。
なかなか司法書士や弁護士に相談しに行く時間がとりにくいかもしれません。
しかし、焦ってその場で自己判断をしてしまうと、取り返しのつかないことになってしまいます。
必ず法律の専門家の判断を仰ぐようにしましょう。
逆に、亡くなった人が財産を残すのではなく、多額の借金をしていた場合には、「相続放棄」か「限定承認」を検討する必要があります。
「限定承認」とは相続によって得た財産の範囲内で借金等を弁済する相続の方法です。
「相続放棄」または「限定承認」をしないと、相続人が残った借金などを返済しなければならないのです。
「限定承認」の期限も「相続放棄」と同じで3ヶ月以内です。
「相続放棄」は1人でもできますが、「限定承認」は相続人全員で行う必要があります。
3ヶ月以内に財産の状況を確認して、相続するか相続放棄するか限定承認するかを相続人全員で決めることは大変な作業です。
家族が亡くなってしまったときには、ゆっくりと故人を偲びたいですよね。
そうならないように、生前からご両親やご兄弟と話をして、財産の状況や相続をどうするかをしっかりと決めておくことが重要です。
遺言という方法が一番確実ですが、抵抗がある場合は、エンディングノートや終活のフェアを利用してみてはいかがでしょうか?
いかがでしたでしょうか?
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最後までご覧いただき、ありがとうございました。