地域コミュニティ問題 公務員試験論文例題

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地域コミュニティ問題 例題 
地域コミュニティは、地域住民が助け合って生活を営む基盤であり、暮らしやすい住環境を保つために重要な役割を果たしています。しかし、現代の社会では、地縁的なつながりが希薄化し、地域コミュニティが衰退する傾向が見られます。このような状況がなぜ生じているのか、主な要因を説明した上で、地域コミュニティの活性化について、あなたの考えを論じなさい。

次に、一般的に陥ってしまいがちな列挙形式答案を提示します。一部に不具合があるため、それを添削することで、公務員として相応しい着眼点を養います。そして適宜、自分の構成メモも修正してみましょう。
これは、昔の基準であれば合格レベルとされたかもしれません。しかし、今では減点される要素を多く含んでいます。さあ、採点者になったつもりで、この答案を添削し、何がダメなのかを考えてみましょう!
<旧来型列挙形式答案>
 近年の地域コミュニティの崩壊は様々な問題を引き起こす。例えば、高齢者の孤立死の増加や地域で守り育てる子育て機能の低下、災害時における地域防災機能の低下、犯罪に対する地域防犯機能の低下、祭りや年中行事の継続困難による地域文化の衰退、行政からの情報伝達を行う連絡調整機能の低下などである。このような問題を解決するためにも、地域コミュニティの活性化は欠かせない。では、地域コミュニティの活性化のために行政はどのような取組みをしていくべきか、以下具体的に述べる。
 第一に、住民が地域に対する愛着や帰属意識を持てるような状態を作り出さなければならない。というのも、住民が地域に対して愛着や帰属意識を持っていない状態で、地域コミュニティを活性化させることは不可能だからである。そこで、行政が主体となり、当該地域の特徴や魅力、活動内容、地域的課題などを住民に対して発信していく必要がある。具体的には、地域ぐるみの取組みを地域情報誌やHP、SNSなどを利用して発信していくべきである。その際、学生や企業との連携を図るとより効果的であろう。例えば、地域情報誌について学生が企画から取材、撮影、記事制作、デザイン制作、広告営業、配布まで、印刷以外の全てを行うことで、若者の視点を生かした新しい活性化ツールを作ることが可能となる。
 第二に地域コミュニティの核となる町内会や自治会などの地縁団体への加入率向上に向けた取組みが必要である。町内会や自治会は共助の担い手であり、これらが地域課題の解決に果たす役割は大きい。しかし、反面、このような団体への加入率は低下傾向にある。かつては町内会や自治会に加入するのが当たり前であったが、近年はなぜ加入しなければならないのか、入らなかったら何か不都合か起きるのかという疑問を投げかける人も多い。その背景には、そもそもこうした団体の活動内容について知る機会が少ないという問題がある。そこで、行政としては、これらの活動内容を周知させるとともに、新たな入居者に対しては加入を呼びかけることが必要である。しかし、行政だけの力では限界があることから、不動産業界との連携が不可欠である。例えば、地域の不動産会社の店舗などにおいて、新規入居者や住宅購入者に対し、町内会・自治会加入の案内チラシを配布してもらうことなどが考えられる。このように民間を巻き込んだ取組みを行うことによって、特につながりを持ちにくいとされる賃貸のワンルームマンションに居住する単身者にも加入を促すことができる。
 第三に、住民同士のつながりが生まれるような場を提供していくことが必要である。現在、どの自治体でも祭りやスポーツ大会、防災訓練、地域清掃など、各種催しが行われているが、活動する際の金銭的な負担や担い手不足の問題が顕在化している。そこで、行政は地域コミュニティを活性化するための活動に対して財政的支援をすることが必要である。また、社会の中で公益的な活動を展開しているNPOやボランティア団体などと連携して人材を確保したり、学生や若者に参加を呼びかけたりすることが当該活動の持続可能性を高めていくべきである。
 地域コミュニティの活性化は今後ますます重要な行政課題となっていくことが予想されるが、それをすぐに実現できるような特効薬はない。そうであるからこそ、行政は、地域と連携しながら粘り強く取組みを継続していかなければならない。

<添削>
住民が地域に対する愛着や帰属意識を持てるような状態を作り出さなければならない。というのも、住民が地域に対して愛着や帰属意識を持っていない状態で、地域コミュニティを活性化させることは不可能だからである。そこで、行政が主体となり、当該地域の特徴や魅力、活動内容、地域的課題などを住民に対して発信していく必要がある。具体的には、地域ぐるみの取組みを地域情報誌やHP、SNSなどを利用して発信していくべき
→これは住民向けの発信でしょうか。これらを発信しても住民が見なければ意味がありません。
学生や企業との連携を図るとより効果的であろう。例えば、地域情報誌について学生が企画から取材、撮影、記事制作、デザイン制作、広告営業、配布まで、印刷以外の全てを行うことで、若者の視点を生かした新しい活性化ツールを作ることが可能となる。
→これでは学生に丸投げしているのと同じです。その前に担当する学生が地域のことを十分に理解していることが必要となります。
そもそもこうした団体の活動内容について知る機会が少ないという問題がある。これらの活動内容を周知させるとともに、新たな入居者に対しては加入を呼びかける
→活動内容そのものが古い形式であり、受け入れられない可能性もあります。例えば、加入すれば税金が免除と言うような団体であれば積極的に加入するでしょうが、そうでなければ、周知しても誰も加入しないでしょう。
地域の不動産会社の店舗などにおいて、新規入居者や住宅購入者に対し、町内会・自治会加入の案内チラシを配布してもらう
→加入率を高めるためには、ある程度の誘導をしてもらう必要がありますが、誘導によって契約が減る可能性もあります。すると、不動産会社はただ渡すだけになり、あまり効果は期待できません。
特につながりを持ちにくいとされる賃貸のワンルームマンションに居住する単身者にも加入を促す
→つながりを持ちにくい単身者が、不動産会社の勧めで加入する可能性は低いでしょう。
活動する際の金銭的な負担や担い手不足の問題が顕在化している。そこで、行政は地域コミュニティを活性化するための活動に対して財政的支援をする
→財政的支援をしても、住民が望まず、効果が出ないのであれば、支援が無駄になるだけです。
NPOやボランティア団体などと連携して人材を確保したり、学生や若者に参加を呼びかけたりする
→連携や呼びかけを提案していますが、具体的な内容がありません。
地域コミュニティの活性化は今後ますます重要な行政課題となっていくことが予想されるが、それをすぐに実現できるような特効薬はない。そうであるからこそ、行政は、地域と連携しながら粘り強く取組みを継続していかなければならない。
→地域と連携しながら粘り強く取組みを継続と言うのが、具体的に何をするか明示されていません。継続と言うことは現状維持になりますが、現状で問題がある、と言うところからスタートして、結論が現状維持では、結局何も解決しないのと同じです。

(参考)例題模範解答例
現在、地域コミュニティの崩壊とオンラインコミュニティへの再編が著しい。インターネットの登場で地域コミュニティのあり方が大きく変わった。本稿では、1、地域コミュニティが衰退した原因を探り、2、オンラインでのコミュニティが普及している現在、地域コミュニティをどのように再構築するか、を提案する。
1、地域コミュニティ衰退の原因
現在、町内会などの地域に根差したコミュニティの加入率が下がっている。かつては生活をする際に地域とのつながりが重要であったため、コミュニティへの加入が不可欠であった。しかし、今はインターネットの普及により自宅のみで生活の全てを担うことが可能となり、生活に必要な情報などもインターネットで入手できる。つながりが欲しい場合はSNSなどで気の合う仲間を探し、オンラインのコミュニティに加わることができるため、休日に行事に駆り出されるなど煩わしい人間関係を伴う地域コミュニティに所属しない者が増えた。地域と言う居住範囲であるからこそ、不愉快な人とつながってしまい住みづらくなる恐れを感じ、直接つながるコミュニティへの加入に躊躇する。一方で、SNSなどのオンラインでのコミュニティは気の合う人とだけ交流し、不愉快な人とは関係を簡単に遮断することができる。コミュニティ自体を退会したとしても実生活には影響を与えないことからも、気軽につながることのできるオンラインコミュニティが盛んである。
2、災害時のコミュニティもオンラインから広げる
地域のコミュニティは災害などの非常時に特に必要となる。しかし、災害の時のために地域の人に呼びかけて強制的にコミュニティ参加を促したとしても、気の合わない人とは距離を置くことが当たり前になっているため、形骸化する可能性が高い。普段から機能していない形骸コミュニティが災害時にだけ機能することは無い。一方で、気軽に入れるオンラインコミュニティに加入する者は増えているので、地域コミュニティも、直接的に募集するのではなく、オンラインで間接的に建設する方が結びつきやすい。行政で連携した災害に備えたコミュニティをオンラインで作り、防災そのものを目的化して募り、自然と地域別につながりができる簡易的なシステムの方が入りやすい。また、5G回線になれば、仮想現実としてネット上に現実の地域を作り出し、災害時の行動をシミュレーションするなど、現実世界の地域コミュニティでは実現できないような、より実用的な訓練を共有することが可能となる。
中にはオンラインコミュニティにも入れない人(上記の不愉快な人に分類され、他者から距離を置かれてしまう人)も少なからず存在する。そもそも集団生活に適していないため、無理にコミュニティに属させるのではなく、一人でも生きていけるサポートを行政側から提供し続けることが大切である。その際に、無理に外に出させるような勧誘は逆に本人の孤立志向を後押ししてしまう恐れがあるため、心理学の専門家などに協力を要請し、専用のマニュアルを作成するなど、慎重に対応する姿勢が必要となる。

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