【解説】ハラスメント対策が義務化される時代へ~カスハラ・セクハラ・女性活躍の3大改正ポイントと企業に求められる対応とは~

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はじめに:企業に求められる“守る姿勢”が法律で明文化されました
2025年6月4日、国会で成立した3つの改正法が、職場の在り方に大きなインパクトを与えようとしています。
今回の改正で対象となったのは――
カスタマーハラスメント(カスハラ)
求職者へのセクハラ
女性管理職比率の公表義務化
いずれも、これまで“努力義務”とされていた分野が、“法的義務”として企業に求められる時代に入ったことを意味しています。
この記事では、改正の内容をわかりやすく整理し、今後企業に求められる実務対応について考えます。

✅ 改正①:カスハラ対策が企業の義務に(労働施策総合推進法の改正)
🔸なぜ重要か?
カスタマーハラスメント(カスハラ)は、これまでクレーム対応や接遇マナーの延長線で捉えられてきましたが、今回の法改正により、“法的に対策が求められるリスク”として位置づけられました。
改正法では、カスハラを以下のように定義:
「社会通念上許容される範囲を超えた言動により、労働者の就業環境が害されること」
これは、従業員の心を守るための防波堤を企業に求めるメッセージでもあります。
🔸企業に求められる対応(厚生労働省が指針策定予定)
カスハラに対する方針の明文化と周知
相談窓口・対応マニュアルの整備
従業員への教育・啓発の実施
顧客対応においても「毅然と守ること」が求められる時代になってきたと言えるでしょう。

✅ 改正②:就活生・求職者へのセクハラ対策が義務に(男女雇用機会均等法の改正)
🔸なぜ対象が拡大?
これまでセクハラ防止の対象は、主に“既に雇用されている労働者”でした。
しかし、採用活動の場面でもハラスメントの問題が多発していたことから、就職活動中の学生や求職者も保護の対象となりました。
🔸企業に求められる対応(予定)
面談ルールの事前設定(1対1を避ける・録音許可など)
相談窓口の明示と、求職者への周知
説明会やインターンでも、相手の立場への配慮を明文化
採用の場においても「権力性」に気づき、守る姿勢をもつことが問われる時代です。

✅ 改正③:女性管理職比率の公表が義務に(女性活躍推進法の改正)
🔸どんな企業が対象?
従業員101人以上の企業は、女性管理職の比率を外部に公表することが義務化されました。
これまで「できれば公表を」という努力義務だった内容が、“明示義務”に変わったことが大きなポイントです。
🔸目的は?
ジェンダーギャップの是正
組織の意思決定層における多様性の推進
「言っているだけでなく、実態を示す」姿勢の促進

📌 施行スケジュールまとめ
改正内容施行時期カスハラ・セクハラ対策の義務化2026年中(詳細後日)女性管理職比率の公表義務2026年4月1日~

おわりに:備えのある企業こそ、“選ばれる組織”になる
今回の3つの改正は、企業の「人を守る力」がこれまで以上に問われる時代の到来を告げています。
そして、それは同時に――
働く人が安心できる環境を整える企業こそ、信頼され、選ばれる
リスクを放置せず、備えを進める企業こそ、成長と持続性を実現できる
…という新しい常識の始まりでもあります。
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