彼のことを考える時、
私はいつも「どうしたらいいんだろう」と思っていた。
このまま待つべきなのか。
もう少し信じるべきなのか。
私から連絡したほうがいいのか。
それとも、少し距離を置いたほうがいいのか。
答えが分からないから苦しい。
ずっとそう思っていた。
でも本当は、
答えが分からないんじゃなくて、
認めるのが怖かっただけなのかもしれない。
彼の言葉を、私は何度も思い出した。
「好きだよ」
「忙しいだけ」
「落ち着いたら会おう」
「ちゃんと考えてるよ」
その言葉を信じたかった。
信じたかったから、
信じられる理由を探していた。
前は優しかった。
あの日はちゃんと会ってくれた。
好きって言ってくれた。
嫌いなら連絡なんてしないはず。
そうやって、
大丈夫な証拠を集めていた。
でもその一方で、
心の奥にはいつも小さな声があった。
「でも、私は今、寂しいよね」
「安心できていないよね」
「大切にされている実感、少ないよね」
その声を、私はずっと聞こえないふりしていた。
誰かに相談すると、
「それ、ちょっとつらくない?」と言われることがあった。
私はすぐに彼をかばった。
「でも本当に忙しい人だから」
「悪い人ではないんだよ」
「優しいところもあるの」
「私も考えすぎなところがあるし」
そう言いながら、
まるで自分に言い聞かせているみたいだった。
本当は、友達に彼を悪く言ってほしくなかった。
でもそれ以上に、
自分が信じてきたものを否定されるのが怖かった。
ここまで我慢してきたこと。
待ってきた時間。
好きでいた気持ち。
それが全部、間違いだったように思えてしまうのが怖かった。
だから私は、
「大丈夫」と言い続けた。
友達にも。
彼にも。
自分にも。
でも、ひとりになると分かってしまう。
私はもう、ずっと前から傷ついていた。
返信が来ないことだけじゃない。
会えないことだけじゃない。
曖昧な言葉だけじゃない。
一番つらかったのは、
そのたびに自分の気持ちを小さく扱ってきたことだった。
「これくらいで傷つく私が悪い」
「もっと余裕を持たなきゃ」
「好きなら信じなきゃ」
そうやって、
自分の心に何度も我慢をさせてきた。
でも心は、ちゃんと覚えている。
寂しかった夜。
期待してしまった朝。
通知が来なくて落ち込んだ昼。
平気なふりをして笑った自分。
その全部を、心はなかったことにはできない。
恋愛で迷っている時、
私たちはよく「正解」を探そうとします。
彼は本気なのか。
この恋は続けるべきなのか。
私は重いのか。
待つべきなのか。
離れるべきなのか。
でも本当は、
答えを出す前に大事なことがあるのかもしれません。
それは、
「私は本当はどう感じているのか」
を見てあげること。
彼がどう思っているかより先に、
私は安心できているのか。
私は大切にされていると感じているのか。
私はこの恋の中で、自分を嫌いになっていないか。
そこを見ないまま、
「彼の本心」ばかり探していると、
いつの間にか自分の本心が分からなくなってしまう。
本当は、心は何度も教えてくれていた。
この言葉、少し苦しい。
この距離感、少し寂しい。
この関係、少し無理している。
でも私は、
その「少し」を見逃し続けた。
まだ大丈夫。
まだ頑張れる。
まだ信じたい。
そう思っているうちに、
小さな違和感は、いつの間にか大きな疲れになっていた。
答えを出すのは、怖い。
認めるのも、怖い。
「この恋は少し苦しい」と認めたら、
何かが壊れてしまいそうで。
彼を好きだった自分まで、
否定することになりそうで。
でも、苦しかったと認めることは、
好きだった気持ちを否定することではありません。
頑張ってきた自分を責めることでもありません。
むしろ、
ずっと無視してきた自分の心を、
やっと迎えに行くことなのだと思います。
私はまだ、
彼を嫌いになれたわけじゃない。
すぐに答えを出せるわけでもない。
それでも少しだけ、
自分に言ってあげたいと思った。
「寂しかったよね」
「不安だったよね」
「本当は、もっと大切にされたかったよね」
そう認めた瞬間、
涙が出そうになった。
彼に分かってほしかった気持ちを、
一番分かってあげていなかったのは、
私自身だったのかもしれない。
もし今、あなたが
「この恋を続けていいのか分からない」
「彼を信じたいのに、心が苦しい」
「本当は答えが出ている気もするけど、認めるのが怖い」
そんな気持ちを抱えているなら、
無理に結論を出さなくて大丈夫です。
まずは
あなたの心が何を感じてきたのか、
そこを丁寧に見てあげてください。
あなたの心が、
「そろそろ私のことも見てほしい」と
教えてくれているのかもしれません。
心葉(ここは)では、
あなたの気持ちを否定せずにお聞きしています。