前は、こんなにスマホばかり見ていなかった。
朝起きて、まず通知を確認する。
彼からLINEが来ていないか見る。
来ていなければ、胸の奥が少し沈む。
「忙しいだけだよね」
「まだ寝てるのかな」
「昨日の返事、変だったかな」
そんなことを考えながら、
一日が始まるようになっていた。
前は、朝の時間がもう少し穏やかだった。
好きな音楽を流したり、
コーヒーを飲んだり、
今日やることを考えたり。
でも今は、
彼からの連絡があるかどうかで、
その日の気分が決まってしまう。
たった一通のLINEで嬉しくなって、
たった一日返信がないだけで不安になる。
そんな自分に、私は少し疲れていた。
友達と話していても、心のどこかに彼がいる。
楽しい話をしているはずなのに、
スマホが鳴るとすぐに見てしまう。
通知が来るたびに、
「彼かな」と期待する。
でも違う人からだと分かると、
小さくがっかりする。
友達の話を聞きながら、
頭の中では別のことを考えている。
今、何してるんだろう。
私のこと、少しは思い出してくれてるかな。
今日も連絡くれるかな。
そんな自分が嫌だった。
ちゃんと今を楽しみたいのに。
友達との時間も大切にしたいのに。
それでも、心は彼のほうへ引っ張られていく。
予定を入れる時も、
私は彼のことを考えるようになっていた。
「もしかしたら連絡が来るかもしれない」
「急に会えるって言われるかもしれない」
「その時に予定があったら、会えなくなるかもしれない」
だから、はっきり予定を入れられない。
本当は行きたい場所があっても、
誘われた約束があっても、
どこかで彼の予定を優先してしまう。
まだ何も言われていないのに。
会う約束もしていないのに。
私は勝手に空白を作って、
彼からの連絡を待っていた。
その空白の時間が、
だんだん寂しさでいっぱいになっていく。
気づけば、私は
自分の好きなことを後回しにしていた。
前は見たい映画があった。
行きたいカフェがあった。
読みたい本があった。
やってみたいこともあった。
でも最近は、何をしていても心から楽しめない。
彼から返信が来ていないと、
どこか落ち着かない。
彼の態度が少し冷たく感じると、
好きなものまで色あせて見える。
「私、こんな人だったかな」
ふと、そう思うことがある。
恋をしているはずなのに、
前より笑うことが減った気がする。
好きな人がいるのに、
ひとりの時間が前より苦しくなった気がする。
恋愛をすると、相手のことを考える時間が増えます。
それは自然なことです。
好きな人から連絡が来たら嬉しい。
会える日を楽しみにする。
相手の言葉に一喜一憂する。
それ自体は、悪いことではありません。
でも、いつの間にか
自分の一日がすべて相手の反応で決まってしまうと、
心は少しずつ疲れていきます。
彼が優しければ元気になる。
彼がそっけなければ落ち込む。
彼から連絡が来れば安心する。
彼から連絡がなければ、自分に価値がないように感じる。
そんな状態が続くと、
恋愛をしているというより、
彼の反応に自分の心を預けているようになってしまうのです。
私は、彼のことが好きだった。
だから、彼を大切にしたかった。
でもいつの間にか、
彼を大切にすることと、
自分を後回しにすることを、
同じだと思っていたのかもしれない。
彼の予定を優先する。
彼の気分を気にする。
彼の返信を待つ。
彼の言葉で安心する。
そのたびに、
私の心は少しずつ自分から離れていった。
私は何が好きだったかな。
私は何をしている時に笑えていたかな。
彼に会えない日でも、私は私の一日を大切にできているかな。
そんなことを、
ずっと忘れていた気がする。
本当は、恋愛は
自分を失うためにするものではないはずです。
誰かを好きになることで、
毎日が少しあたたかくなったり、
自分の世界が広がったり、
心がやわらかくなったりするもの。
でも、その恋の中で
いつも不安になって、
いつも待ってばかりで、
いつも自分の気持ちを後回しにしているなら。
一度、立ち止まってもいいのかもしれません。
彼がどう思っているかだけではなく、
私は今、どんな気持ちでいるのか。
彼に選ばれるかどうかだけではなく、
私はこの恋の中で、ちゃんと私らしくいられているのか。
そこを見つめてもいいのです。
もし今、あなたが
「彼からの連絡で一日が左右されてしまう」
「予定を入れずに、彼からの誘いを待ってしまう」
「恋をしてから、自分らしさが分からなくなってきた」
そんな気持ちを抱えているなら、
あなたが弱いからではありません。
それだけ一生懸命、
相手を大切にしようとしてきたのだと思います。
でも、あなたの毎日も大切です。
彼から連絡が来る日も、来ない日も。
会える日も、会えない日も。
あなたの時間は、あなたのものです。
すぐに気持ちを切り替えなくても大丈夫です。
無理に前向きにならなくても大丈夫です。
まずは、
「私、少し彼中心になっていたかもしれない」
と気づくだけでもいいのです。
そこから少しずつ、
自分の心を自分のところへ戻していけばいいのです。
心葉(ここは)では、
あなたの気持ちを否定せずにお聞きしています。