日本の社会課題 人口減少と「多文化共生」の必要性とは?

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厚生労働省の「将来推計人口(令和5年推計)の概要」によれば、2020年には1億2615人であった日本の人口は、2070年には8,700万人まで減少すると予想されています。日本の社会問題の一つである人口減少は、今後も深刻化する見立てです。

対策として自治体による子育て支援、教育支援などが実施されていますが、これだけだと長期的な解決につなげるのは難しいです。

人口が減ることは労働力不足を引き起こすため、その対応も必要だからです。これに関して、テクノロジーの発展で労働力を補える部分もあります。

例えば、自動運転、スーパーの無人レジ、AIを活用した業務効率化(カスタマーサポートや在庫管理等)などです。日本は自動運転の実装は少し遅れていますが、無人レジやAIによる業務効率化は進んできている模様です。

そして移民政策も重要なポイントです。出入国在留管理庁の「令和6年6月末現在における在留外国人数について」によれば、2024年(令和6年)の在留外国人数は、358万8,956人となり、過去最高の人数でした。

先日、東京出入国在留管理局に行く機会がありまして、そこでは多くの外国人がビザ申請手続をしていました。日本人であるとこのような機関へ行くことがなく、馴染みのないところだと思いますが…


在留外国人数の上位5カ国の中で4カ国はアジアです。特に日本への移住者が急増している国として、ベトナムとなります。

国籍・地域別

1位:中国 84万4,187人(+22,349人)
2位:ベトナム 60万348人(+35,322人)
3位:韓国 41万1,043人(+ 887人)
4位:フィリピン 33万2,293人(+10,247人)
5位:ブラジル21万2,325人(+ 485人)
*(前年末比)

ちなみに私はベトナムに1年以上滞在していましたが、ベトナム人における日本への関心の高さに驚きました。統計データで見ても、ベトナムの日本語学習者も17万人近くいることが分かります。

ベトナム国内の日本語学習者数
国際交流基金の「2021年度 海外日本語教育機関調査」によると、ベトナム国内の日本語学習者数は16万9582人。

また、ベトナムのハノイやホーチミン市には日本街があり、日系のスーパーやレストランがあります。そこには日本人コミュニティがあり、定期的にイベントも開催されています。


それと同じように日本でも外国人が集まるエリアがあり、東京であると新大久保と高田馬場がそれに当たります。

この前、私は新大久保から高田馬場まで歩いているとベトナム・タイ・韓国などのアジア料理店やスーパーが立ち並んでいました。

街を歩いている人々の多くもアジア系の人々でした。おそらく東南アジアに住まれていた人にとっては、馴染みのある雰囲気ではないでしょうか。

他の事例は、第二のニセコと呼ばれている長野県白馬村です。ここにはオーストラリア人を中心とした欧米人に高い人気があります。

白馬村は豊かな自然やパウダースノウがあるため、ウィンタースポーツに最適な場所です。オーストラリアと比べると現地の土地はお手頃なため、商業目的で不動産を購入するケースもあります。

昨年2月にはウィンタースポーツと音楽の祭典を融合させた「Snow Machine」というフェスが開催されました。5000人の参加者のうち、ほとんどは外国人だそうです。

一方で移民を取り入れることによる社会問題には注意が必要です。

例えば、埼玉の川口市には多くのクルド人が移住をしたことでコミュニティが拡大しました。住民との摩擦が起こり、同市は国にクルド人にまつわる要望を出しました。

直近の移住者の増加や課題を見ていると、移民対策において分岐点に入ったように思えます。日本は独自文化が根強いため、シンガポールやアメリカほどの多民族国家になるとは考えにくいです。

ただ、今後上手く多文化共生を実現できていけるかが、日本の社会課題の解決にも影響する要因となるでしょう。
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