祖母を見送って一ヶ月

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コラム

― そうか、1ヶ月経ったのか。

2月だったカレンダーは3月に

新幹線に乗り込んで
眺める景色は

どんよりとした灰色から
どことなく明るくなったようにも思う


ー そうか、1ヶ月経ったんだ。


あんなに悲しみにつぶれそうになっていた心も
少しづつではあるけれど

過ぎ行く日常に 中和されていて



6時間半かけて着いた
1ヶ月ぶりの実家も また 

あの時の重苦しさが
和らいでいるように感じた



天気予報では 暖かくなるはずだったけれど
三十五日法要の朝は 曇り空
思ったより少し肌寒く

それでも、家での法要の後、
山寺に向かう途中から
日が顔を出してきて

山寺では響く読経とともに
目一杯 春の日差しを浴びた



あぁ、そうだ
ずっと「同じ」ではないのだ



この世に生を受けて
この世を去るまで

大なり小なり
変化を伴う時の流れの中で

抗いながら
受け入れながら

皆 生きているんだ




心の片隅で想う

あと何度「ただいま」と言えるだろう

あと何度「おかえり」が聞けるだろう


不安に思えばきりがない


「先」がわからないからこそ

大好きなこの場所で
大好きな人たちと過ごせている「今」を

そして、繋いでくれた「今」を


後悔のないように 生きたい


改めて そう 思った



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