「嫌われたかも。何か変なこと言った?」|相手の態度が少し違うだけで不安になる理由

「嫌われたかも。何か変なこと言った?」|相手の態度が少し違うだけで不安になる理由

記事
コラム
「嫌われたかも。」
「何か変なこと言ったかな。」

相手の返事が、いつもより少し短かった。
いつも笑っている人の顔が、今日は笑っていなかった。

それだけで急に不安になり、自分の言動を何度も振り返ってしまうことはありませんか。

私も以前は、相手の態度が少し変わるだけで、
「私が何かしたのかな」
と自分の中に原因を探していました。

この記事では、なぜ相手の小さな変化だけで不安になってしまうのかをお話しします。
さらに、相手の機嫌を背負わないために、今の私が意識していることもお伝えします。

「それ、俺に言って何の意味があるの?」


ある日の夕食のことです。

夫が仕事から帰ってきて、私はいつものように今日あったことを話していました。
その日は、息子のピアノのレッスンについて話しました。

練習が十分にできていなくて、先生がとても怒っていたこと。
息子本人は、あまり気にしていないように見えたこと。

私はただ、「今日、こんなことがあってね」と話していたつもりでした。

ところが突然、夫から、
「それ、俺に言って何の意味があるの?」というようなことを言われました。

それまで普通に話していたのに、夫はスマホを見たまま無言になりました。
私は一気に不安になりました。

「え、なんで?」
「私、何か変なこと言った?」
「怒らせるようなことをした?」

何か話せば、また嫌な反応をされるような気がしました。
それ以上、何も言えなくなりました。

食事の途中なのに、ただ食べ終わるのを待っているような時間になってしまいました。

相手の態度が変わると、自分の中に原因を探していた


こういうことは、夫との間だけではありませんでした。

町内会の手伝いを頼まれたときにも、似たようなことがありました。
「空いているときだけ手伝えばいい」と聞いていたので、学校の予定がある日は参加できないと伝えました。

すると、
「私は仕事を休んで参加しています」
というような、不満をにおわせる返事が返ってきました。

その後、相手からの連絡が途切れました。

私は、
「怒らせたかな」
「嫌われたかな」
と気になりました。

仕事でも、似たようなことがありました。

提出書類を渡した途端、相手の表情が変わる。
ペンで机をトントンしながら書類を見る。
書類を返すときも、笑顔がない。

言葉では何も言われていなくても、
「あれ?」と思うのです。

そして、「私、何か悪いことをした?」と、家に帰ってからも理由を探していました。

なぜ「理由の分からない不機嫌」が怖かったのか


今振り返ると、私は子どもの頃から、相手の変化に敏感だったように思います。

父は、家で機嫌よくテレビを見ていたと思ったら、突然怒り出すことがありました。

お菓子を食べながら横になっていたのに、急に立ち上がる。
そして、新聞紙を丸めて叩きに来るのです。

おそらく、私たちがうるさかったのだと思います。

でも、子どもの私には、
「なぜ今?」が分かりませんでした。

さっきまで機嫌が良かった人が、突然怒り出す。
その理由の分からない変化が、怖かったのだと思います。

だから私は、
「今、この人は機嫌がいいかな」
「怒っていないかな」
「何かまずいことをしたかな」
と、人の様子をよく見るようになりました。

アダルトチルドレンの生きづらさとして、相手の顔色や声の変化に敏感になる方もいます。

私の場合は、それが長い間、
「相手の機嫌が変わったら、自分に原因がある」という考えにつながっていました。

「相手が不機嫌」と「私が悪い」は同じではない


夫があの日、なぜ不機嫌になったのか。
今でも、本当の理由は分かりません。

仕事で疲れていたのかもしれません。
家に帰ってまで、重い話を聞きたくなかったのかもしれません。
私の話を、自分への批判のように感じたのかもしれません。

どれも想像です。

分かっている事実は、
私が話している途中で、夫の態度が変わった。それだけです。

ところが以前の私は、そこからすぐに、
「私が悪いことを言ったからだ」まで進んでいました。

町内会の件も、後から事情を知りました。
係の人は、参加者が集まらず困っていたようです。
そのため、強い言い方になったのかもしれません。

でも、それは相手側の事情です。
私には、私の予定がありました。

相手が不満を感じたことと、私が自分の予定を優先したことは、分けて考えていい。
今は、そう思っています。

相手の機嫌は相手のもの


以前の私は、
「相手の機嫌は相手のもの」ということが、なかなか分かりませんでした。

相手が不機嫌になると、何とか機嫌を直してもらおうと顔色を伺う。
自分にできることがないかを考える。
次から怒られないように、自分の言動を変える。
無理に笑顔を作って、明るくふるまう。

そうしているうちに、少しずつ話せることが減っていきました。

「今日、こんなことがあったよ」
「こんな嬉しいことがあったよ」
本当は、そんな何気ない話をしたいだけでした。

それなのに、
「今話したら、嫌がられるかな」
「また怒られるかな」
と考えるようになりました。

そして最後には、
「必要なことだけ話せばいいや」と思うようになっていました。

傷ついた気持ちを、なかったことにしなくていい


相手には、相手の事情があります。
ただし、それは、私が傷ついた気持ちまで我慢するという意味ではありません。

相手の言い方で傷ついた。
突然態度が変わって、怖かった。
何も話せなくなり、寂しかった。
そう感じた自分の気持ちは、そのまま認めていいのです。

相手の事情を理解することと、自分の気持ちを我慢することは別なのです。

私も相手に「機嫌よくいてほしい」と求めていた


自分の傷ついた気持ちを認めたうえで、もう一つ気づいたことがあります。

私は、
「私はいつも笑顔で接しているのに、なんであなたは不機嫌なの?」と思っていました。

私は嫌な気分でも、できるだけ笑顔でいる。
だから相手にも、笑顔で返してほしい。
私が話したいのだから、気持ちよく聞いてほしい。

そんな思いもあったのです。

でも、相手の機嫌は相手のもの。

そう考えるなら、自分の安心のために、相手の機嫌を変えようとする必要もありません。
相手には、相手の事情があります。

疲れている日もあるでしょう。
仕事のことで、頭がいっぱいの日もあります。
今は話を聞く余裕がないこともあります。

それをすべて、
「私のことが嫌いだから」と結びつけなくてもいい。

同時に、
「私が話したいのだから聞いて」
と相手に求め続けるのは、私のエゴでしかありませんでした。

今は「顔色を読む」より、言葉で確認する


最近は、夫に話したいことがあるとき、先に確認するようにしています。

「今日、すごく嬉しいことがあったの。今、話してもいい?」
「ちょっと悲しいことがあって、聞いてほしいんだけど、今は大丈夫?」

これは、相手の顔色をうかがうこととは少し違います。

相手の状態を勝手に想像して、答えを決めない。
分からないことは、言葉で確認する。

相手にも、「今はちょっと無理」と言える余地を残します。
そして私にも、「聞いてほしい」と伝える余地を残す。

そんな関わり方です。

自分の大切にしたいことも伝える


町内会のようなことでも、今は考え方が変わりました。

「できるときには協力したいです」
「ただ、自分の予定があるときは、そちらを優先します」
そう伝えることにしています。

相手が困っていることも理解する。
できることなら協力する。
でも、嫌われたくないからといって、自分の予定まで全部変える必要はありません。

以前の私は、「嫌われないこと」を優先していました。

今は、
「嫌われないために、自分を削る必要がある?」
と考えるようになりました。

嫌われないために、自分をなくさなくていい


相手を思いやることは大切です。
でも、自分を大切にすることも、同じくらい大切です。

私はこう思っている。
私はこうしたい。
これはできる。
これはできない。

自分の気持ちや希望を伝えた結果、相手が不満に感じることもあるでしょう。
そのときは、そのとき考えればいい。
自分の「やりたくない」という感情を無視する必要はないのです。

相手の希望を全部かなえることと、相手を大切にすることは同じではありません。

確かに、希望を叶えれば、相手は喜んでくれるでしょう。
でも、自分をないがしろにしてしまうと、心に我慢がたまっていきます。
最終的に、「やらされている」という怒りになる場合もあるのです。

自分のできる範囲で手伝うと決めて、やらないことで自分を守る。
自分を削ってまで、「いい人」でい続けなくてもいいのです。

「嫌われたかも」と思ったときに

相手の態度が少し変わると、不安になることは今でもあります。

そんなとき私は、
「今、分かっている事実は何だろう?」
と考えるようにしています。

「返事が短かった」
「笑顔がなかった」
「少し強い言い方をされた」
そこまでは事実です。

でも、
「私が嫌われた」
「私が悪い」
「私のせいで機嫌が悪くなった」
そこから先は、まだ分からないことです。

相手には、私の知らない事情があるかもしれません。

本当の理由を知りたいときは、
「さっき、何か気になることがあった?」と言葉で確認することもできます。

分からないまま、
「きっと私が悪い」と決めなくてもいいのです。

相手の態度をどう捉えるかは、人それぞれ違っています。
全く気にならない人もいれば、気になって仕方がない人もいる。
同じ人でも、そのときの感情や状況によって、捉え方は変わるものです。

だから、不安にならない人になる必要はありません。

「あ、また私は自分の中に原因を探しているな」
そう気づくだけでも、一度立ち止まれます。

まずは、事実と自分の想像を分ける。
それだけでも、次にどうするかを落ち着いて考えられるようになります。

本当に嫌われていたとしても


相手に確認した結果、私に不満を持っていると分かることもあります。

もし、私の言葉や態度で傷ついたと言われたら、まずは相手の話を聞く。
自分に見直すところがあれば、謝る。
これから変えられることがあれば、変えていく。
私にできるのは、そこまでです。

丁寧に向き合っても、相手の気持ちが変わらないこともあります。

相手が私を好きになるか。
それとも、距離を置きたいと思うのか。

そこは、私だけでは決められません。

誰かに嫌われたことと、私のすべてを否定されたことは同じではありません。
嫌われないために何も言わず、相手に合わせ続ければ、自分が苦しくなっていきます。

考え方や大切にしたいことが違えば、合わない人がいるのも自然なこと。
必要なら、相手に確認する。
自分に非があれば、謝る。
それでも相手の気持ちが変わらないなら、その気持ちは相手に任せる。

嫌われないために、自分をなくさなくていい。

自分にできることをした後は、自分の気持ちも大切にしていいのです。
相手の気持ちを、そのまま受け入れる。
嫌われる勇気も、時には必要なことなのです。

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