仕事でミスをして、強く注意された日。
家に帰っても、
「なんであんなミスしたんだろう」
「明日、会社に行きたくない」
「ほかにも間違えているかもしれない」
と、頭の中で仕事が続いてしまうことはありませんか。
仕事はもう終わっているのに、気持ちはまだ職場にいる。
私にも、そんな時期がありました。
この記事では、仕事で怒られた場面を何度も思い出す夜に、事実と不安を分け、反省に区切りをつける3つの整理法をお伝えします。
一つのミスから、仕事そのものが怖くなった
以前、私は社労士事務所で、給与計算の仕事をしていたことがあります。
まったくの未経験から始めた仕事で、分からないこともたくさんありました。
それでも、前任者から仕事を引き継ぎ、必死になって覚えていました。
そんな中、社会保険に関する届出を一つ見落としていたことが、年末の確認で分かりました。
その届出について、私は仕組みそのものを十分に理解できていませんでした。
だから、間違っていることにさえ気づいていなかったのです。
気づいた瞬間、本当に血の気が引きました。
給与に関わる仕事です。
しかも、処理の結果によっては、給与が減ってしまう人もいました。
「どうしよう」
頭の中が真っ白になりました。
最初に出てきたのは「私は悪くない」だった
でも、最初から自分を責めていたわけではありません。
むしろ、頭の中にはこんな言葉がたくさん出てきました。
「私は一生懸命やっていた」
「ちゃんと教えてもらっていなかった」
「分からないことに気づけなかったんだから、仕方ない」
「ダブルチェックでも気づかなかったじゃない」
「私だけが悪いわけじゃない」
正直に言えば、相手のせいにしたい気持ちもありました。
それまでずっと、
「本当にこれで合っているのかな」と不安を感じながら仕事をしていたからです。
分からないなりに、なんとかやってきた。
そんな気持ちもあったのでしょう。
怖い。
腹が立つ。
悔しい。
私は悪くない。
いろいろな感情が、一気に出てきました。
それでも、間違いが分かった以上、報告しなければなりません。
どう説明しよう。
何を言われるだろう。
報告することを考えるだけで、震えるほど怖かったことを覚えています。
報告すると、ひたすら謝るしかなかった
私は間違いに気づいたあと、修正方法を確認しました。
別の上司にも内容を見てもらい、
「この方法で修正すれば大丈夫」
というところまで確認してから報告に行きました。
それでも、かなり強く怒られました。
「なんでちゃんと見ないんだ」
「実際に取引先から怒られるのは俺なんだぞ」
「どうやって責任を取るつもりなんだ」
以前から、その取引先では別のミスも続いていたようです。
その過去のミスまで私が起こしたわけではありません。
それでも今回のミスが重なったことで、
「お前のせいだ」という言葉まで言われました。
私は、
「申し訳ありませんでした」
「私が気づいていませんでした」
「確認不足でした」
と謝ることしかできませんでした。
何度も謝りながら、その場が終わるのを待っていたことを覚えています。
もちろん、今回の見落としについては、私に責任があります。
確認できていなかったことも事実です。
だから、謝る必要はありました。
ただ、その時の私は、
「自分が間違えた」だけでは終われませんでした。
怒られた言葉まで全部抱え込んでしまったのです。
夜になると「ほかにもあるかもしれない」が始まった
家に帰って少し落ち着いてくると、今度は別の怖さが出てきました。
「ほかにも、自分が気づいていないミスがあるんじゃないか」
一つ間違いが見つかったことで、自分がやってきた仕事全部が信用できなくなったのです。
「この仕事も間違っているかもしれない」
「あれも本当は違っていたのでは」
「また何か見つかったらどうしよう」
一つの出来事だったはずなのに、不安はどんどん広がっていきました。
そのうち、仕事そのものが怖くなりました。
次の日に会社へ行くのも怖い。
分からないことを聞くことさえ、「こんなことも分からないの?」と思われそうで怖い。
ミスをしたこと以上に、
「また間違えるかもしれない自分」
が怖くなっていたのだと思います。
「間違えた」が「私はダメ」に変わってしまう
アダルトチルドレン傾向がある方の中には、子どもの頃から、
「怒らせてはいけない」
「迷惑をかけてはいけない」
「ちゃんとしていなければならない」
と考えてきた方もいます。
すると仕事で注意された時も、
「ここを間違えたから、次は直そう」
だけでは終わらず、
「二度と間違えてはいけない」
「ちゃんとできない私はダメだ」
と、自分自身の評価まで広がってしまうことがあります。
私もそうでした。
ミスを減らすことではなく、
「絶対に間違えない人にならなければ」と思っていたのです。
でも、人は間違えます。
大切なのは、間違えない人になることではなく、間違えたあとに何をするかです。
では、怒られたことが頭から離れない夜に、どう整理すればいいのでしょうか。
1.まず「今どう感じているか」を認める
最初から正しい反省をしなくても大丈夫です。
怖かった。
悔しかった。
恥ずかしかった。
腹が立った。
「私は悪くない」と思った。
そんな気持ちが出てきても、まずはそのまま認めます。
私の場合も、「一生懸命やっていたのに」という思いがありました。
だからこそ、ミスを指摘されたことが苦しかったのだと思います。
そんな時は、
「怖かったよね」
「一生懸命やっていたから、余計につらかったよね」
と、自分の気持ちを認めます。
反省する前に、まず心を少し落ち着ける。
私はここが一番大切だと考えています。
2.起きたことと、怖くて想像していることを分ける
気持ちが少し落ち着いたら、次に事実を整理します。
私の場合、「必要な届出を見落とした」これは実際に起きたことです。
確認できていなかったことは、私の改善点でした。
一方で、
「ほかにも全部間違えているかもしれない」
「私は仕事ができない」
「もう信用されていない」
これは、その時点ではまだ分からないことでした。
さらに振り返れば、ダブルチェックをする人もいました。
仕事を管理する立場の人もいました。
引き継ぎや指導の問題もあったと思います。
取引先との間で以前から起きていたミスまで、私が起こしたわけでもありません。
だから、「私は悪くない」と全部を相手の責任にする必要もない。
反対に、「何もかも私が悪い」と、一人で抱える必要もなかったのです。
自分が間違えた部分は、自分の改善点として受け止める。
でも、自分の責任ではないことまで背負わない。
さらに、まだ起きていないことを事実のように考えない。
この3つを分けると、頭の中を整理しやすくなります。
3.次にできることを決め、一人で抱えない
事実を整理したら、次にできることを決めます。
私が今、仕事をする時に意識しているのは、
「自分も間違えることがある」という前提を忘れないことです。
もちろん、間違えないように注意します。
でも、
「私は絶対に正確だから大丈夫」とは考えません。
少しでも不安なら、人に聞く。
重要な仕事なら、確認してもらう。
自分一人で判断するのが怖ければ、「ここ、一緒に見てもらえますか」と頼る。
以前の私は、
「自分で完璧にできなければダメ」と思っていました。
でも会社にとって大切なのは、私が一人で完璧になることではありません。
確認し合いながら、ミスや損失を減らしていくことです。
ならば、頼っていい。
そして私も、誰かが不安な時には確認する側になればいい。
そう考えられるようになってから、人に聞くことへの怖さも以前より小さくなりました。
もし自分に明確なミスがあったなら、
「昨日は申し訳ありませんでした」
「次からはここを確認するようにします」
と伝えることもできます。
謝る。
改善する。
必要なら頼る。
次にすることまで決めたら、その日の反省はいったん終わりです。
反省が終わったら、自分を家に帰してあげる
それでも、落ち込む夜はあります。
そんな時、私は最後に自分を責め続けるのではなく、
「今日も頑張った」
「怖かったけど、ちゃんと向き合った」
「間違えたけれど、今日一日全部がダメだったわけじゃない」
と、自分に言葉をかけます。
そして、ほっとできる時間に戻ります。
お茶を飲む。
お風呂に入る。
好きなことをする。
今日あった良かったことを一つ探してみる。
仕事について考える時間を終えて、普段の自分に戻る。
私は、それも大切な「整理」だと思っています。
間違えない人にならなくていい
怒られた夜に必要なのは、自分を責め続けることではありません。
まず、自分がどう感じたのかを認める。
次に、起きた事実と不安な想像を分ける。
そして、明日できることを一つ決める。
そこまでできたら、仕事について考える時間を終えてもいいのです。
目指すのは、「絶対に間違えない自分」ではありません。
間違えた時にも、必要なことを直し、周りの力を借りながら戻ってこられる自分。
今の私は、そんなふうに考えています。
ちょっと誰かに話したい方へ
「今日、仕事でこんなことがあってさ」
「私が悪かったのかな」
「頭では分かっているけど、まだモヤモヤする」
そんな時は、電話相談「ちょっと話そ♪なおママの『ゆるっとおしゃべり処』」でお話しください。
きれいに相談内容をまとめなくても大丈夫です。
愚痴でも、モヤモヤでも、「とにかく聞いてほしい」でも構いません。
そのままお話を聞きながら、必要に応じて一緒に気持ちを整理します。
繰り返す理由まで、ゆっくり整理したい方へ
「怒られると必要以上に怖くなる」
「ミスをすると、いつまでも自分を責めてしまう」
「仕事だけではなく、人間関係でも同じことを繰り返している」
そんな方は、ビデオ相談でゆっくりお話しできます。
今起きている出来事だけではなく、
「なぜ私はここまで苦しくなるんだろう」というところまで、一緒に整理していきます。
無理に答えを出す必要はありません。
今感じていることから、一つずつ言葉にしていきましょう。