仕事はそれほど大変ではない。
それなのに、家に帰る頃にはぐったりしている。
「今日も疲れた……」私には、そんな日が何度もありました。
仕事そのものは、経験を積めば少しずつ慣れていきます。
最初は難しかったことも、何度か繰り返すうちにできるようになる。
でも私は、仕事よりも人とのやり取りに疲れていました。
多少つまらない仕事でも、人間関係が良ければ続けられる。
反対に、仕事には慣れていても、人とのやり取りだけで何もしたくなくなるほど疲れることもあります。
今振り返ると、私が疲れていたのは、人そのものだけではありませんでした。
人との間で、自分の気持ちを押し込め続けることに疲れていたのです。
職場の人間関係そのものは、すぐには変えられないかもしれません。
それでも、「何が嫌だったのか」「本当はどうしたかったのか」を整理すると、自分の気持ちまで相手に振り回され続けずに済みます。
今回は、そんな私が今やっている、職場の人間関係に疲れた日の3つの整え方をお話しします。
なんで私が行ったり来たりしなきゃいけないの?
一般事務の仕事をしていた頃のことです。
ある同僚から、資料を作るように頼まれました。
分からないことがあり確認すると、
「それは○○さんに聞いてみないと分からないんだよね」と言われます。
そこで別の人に聞きに行くと、
「いや、そういうことじゃないんだよな」と、また違うことを言われる。
元の人に戻って伝えると、
「え、それ違うんだけど」と言われました。
私はその間を、何度も行ったり来たりしていました。
表面上は、
「そうだったんですね」
「では、どうすればいいですか?」
と笑顔で聞いていました。
でも本当は、
「もう当人同士で話してよ」
「ちゃんと決めてから指示してよ」
「なんで私が間に入らなきゃいけないの?」
と思っていたのです。
ただ、その言葉を口にすることはできませんでした。
仕事とは関係ないところでも気をつかっていた
職場には、細かなやり方に強いこだわりのある先輩もいました。
たとえば、お客様からいただいたお菓子をみんなに配る時。
私は良かれと思って、一人分ずつ分けて机に置いていました。
すると、
「冷蔵庫に入れておいてほしかった」
「そんなに分けなくてもよかった」
「私の分だけ倒れていた」
と言われることもありました。
私は、
「仕事をしに来ているのに、なんでここまで気をつかわなくちゃいけないんだろう」
と思っていました。
でも、その場では言えません。
次は怒られないように。
次は機嫌を損ねないように。
そうやって、仕事とは関係のないところでも、相手の「正解」を探していました。
気づけば、仕事をすること以上に、人に合わせることへ神経を使っていた**のです。
人に合わせることまで「仕事」になっていた
本来、私の仕事は資料を作ることでした。
指示内容を決めることでも、上司や同僚の意見を調整することでもありません。
けれど当時の私は、そこまで自分が引き受けようとしていました。
「この人が困っているから」
「私がやった方が丸く収まるから」
「嫌な顔をされたくないから」
相手に好かれることや、機嫌を損ねないことを優先していたのです。
その結果、自分の仕事と相手の仕事の境界まで曖昧になっていました。
本当なら、
「指示内容を確認してから教えてもらえますか?」と伝えてもよかった。
途中で指示が変われば、何度も修正が必要になります。
それでは、仕事にも余計な時間がかかります。
会社のことを考えても、自分を大切にするためにも、全部を引き受ける必要はありませんでした。
でも当時の私は、
「言われたことを全部やることが仕事」だと思っていたのです。
相手を気にするうちに、自分の気持ちが分からなくなっていた
アダルトチルドレン傾向がある方の中には、相手の顔色に敏感な方がいます。
私もそうでした。
「この仕事をどう進めればいいか」
よりも、
「この人を怒らせないかな」
「嫌われないかな」
「ちゃんとした人だと思ってもらえるかな」
と考えていました。
頼まれれば引き受ける。
納得できなくても謝る。
腹が立っていても、笑顔で対応する。
自分がどうしたいかより、相手にどう思われるかを優先していたのです。
しかも、それが当たり前だったので、自分が我慢していることにさえ気づいていませんでした。
本当は、
「嫌だ」
「腹が立つ」
「なんで私ばっかり」
「もう関わりたくない」
と思っていたはずです。
でも私は、そんな気持ちを持つこと自体がよくないと思っていました。
だから怒りを感じても、そのまま認められません。
ただ、
「今日も疲れたな」
「なんか仕事しんどいな」
と思うだけでした。
今なら分かります。
私は疲れていただけではなく、ずっとイライラしていたのです。
その気持ちを認めないまま、毎日を終わらせていました。
だから今は、人に疲れた日に3つのことをしています。
整え方1|「嫌だった」を、そのまま認める
まず、
「今日は何が嫌だった?」と自分に聞きます。
きれいな答えでなくて大丈夫です。
「あの人、嫌だった」
「あの言い方、本当に腹が立った」
「もう口をききたくない」
「本当はやりたくなかった」
そんな気持ちでもいい。
怒ってもいい。
一瞬、「あの人なんて嫌い」と思ってしまってもいいのです。
思うことと、相手にぶつけることは別です。
まず自分の中で、
「私は嫌だったんだ」と認めます。
「相手にも事情があるから」と考えるのは、その後でも遅くありません。
以前の私は、相手の事情を考えることばかり先にしていました。
今はまず、自分がどう感じたのかを置き去りにしないようにしています。
それだけでも、「なんとなく疲れた」で終わっていた気持ちの中身が見えやすくなりました。
整え方2|「本当はどうしてほしかった?」を考える
次に、
「相手に何て言いたかった?」と考えてみます。
私なら、
「ちゃんと確認してから指示してよ」でした。
では、なぜそう言いたかったのか。
考えてみると、
「何度も行ったり来たりしたくなかった」
「やり直しで時間を使いたくなかった」
「資料を作る仕事に集中したかった」
という気持ちが見えてきます。
さらに、
「本当はどうしてほしかった?」と考えます。
すると、
「二人で話を決めてから、私に指示してほしかった」という希望まで分かってきました。
ただ「腹が立った」で終わらせず、その奥を見ていく。
すると、
自分は何が嫌だったのか。
本当はどうしたかったのか。
少しずつ分かるようになります。
以前は、相手への不満ばかり頭の中で繰り返していました。
今は、「私はどうしてほしかったんだろう」と考えることで、自分の気持ちへ意識を戻せるようになりました。
整え方3|次にできることを一つ決める
自分の本音が分かったら、
「じゃあ、次はどうしよう?」と考えます。
答えは一つではありません。
たとえば、
「これは誰の仕事だろう?」と、一度分けてみる。
頼まれた時に、すぐ引き受けず確認する。
「私はここまでならできます」と伝える。
指示が曖昧なら、
「内容を確認してから作業に入りたいです」と話してみる。
嫌な言い方をされた時も、全部自分が悪いと思わない。
必要以上に関わらないよう、少し距離を取る方法もあります。
その時の状況によって、できることは違います。
大切なのは、相手を変える方法を考え続けることではありません。
自分が次にできることを、一つだけ決めること。
すぐに相手へ言えなくても構いません。
「次に同じことがあったら、こうしてみよう」と考えるだけでも、自分には選択肢があることを思い出せます。
以前の私は、相手の言動を家に帰ってからも何度も考えていました。
今は、自分が次にできることを決めたら、そこで一度考えるのを終えるようにしています。
3つの整え方をしたら、今日の自分を休ませる
3つの整え方をした後は、今日の自分を認めて終わります。
「あっちにもこっちにも確認しに行ったよね」
「腹が立ったけど、仕事は終わらせたよね」
「今日はちゃんと会社に行ったよね」
「うまくできなかったけど、その後も仕事を続けたよね」
できなかったことではなく、今日やったことを一つ拾います。
その後は、私がほっとできることをします。
コーヒーを飲む。
温かい味噌汁を作る。
好きな香りのお風呂に入る。
思う存分、猫を撫でる。
これは4つ目の「整え方」ではありません。
嫌だったことを整理した後に、仕事から自分を離してあげる時間です。
嫌だったことを無理に忘れるためでもありません。
疲れた自分を、安心できるいつもの自分へ戻していくための時間です。
私にとって「整える」とは、無理に前向きになることではありません。
嫌だった気持ちを認める。
本当はどうしてほしかったのかを知る。
次にできることを一つ決める。
そこまで考えたら、「今日もよくやった」と自分に声をかけて終わります。
以前のように、職場で起きたことをそのまま家まで持ち帰り続ける日は少なくなりました。
嫌な人が気にならなくなったわけでも、人間関係ですべて悩まなくなったわけでもありません。
それでも、「相手がどうだったか」だけではなく、「私はどう感じたのか」へ戻れるようになったことは、私にとって大きな変化でした。
人に疲れた日は、自分の気持ちを置き去りにしない
職場には、いろいろな人がいます。
合わない人もいますし、一言多い人もいます。
理不尽に感じることもあるでしょう。
すべての人と、うまく付き合おうとしなくてもいいのだと思います。
人に疲れた日は、まず、
「今日は何が嫌だった?」と聞いてみてください。
次に、
「本当はどうしてほしかった?」と考えてみる。
最後に、
「じゃあ、次はどうしよう?」を一つだけ決めます。
人に疲れない自分を目指さなくてもいい。
人に疲れた日に、自分の気持ちまで置き去りにしない。
私は今、そのことを大切にしています。
ちょっと誰かに話したくなった方へ
「こんなことでモヤモヤするの、私だけ?」
「相談というほどではないけれど、ちょっと聞いてほしい」
そんな時は、電話相談の「ちょっと話そ♪なおママの『ゆるっとおしゃべり処』」でお話しできます。
愚痴でも、職場であった出来事でも大丈夫です。
うまくまとまっていなくても、そのまま話してください。
話しながら整理したい時は、一緒に気持ちをほどいていきます。
必要であれば、状況に合わせて考え方や対処法もお伝えします。
今のモヤモヤをまず話したい方は、「ちょっと話そ♪なおママの『ゆるっとおしゃべり処』」を選んでください。
もう少し時間を取って、自分の気持ちを整理したい方へ
同じようなことで何度も疲れてしまう。
なぜこんなに人に気をつかうのか知りたい。
自分が本当はどうしたいのか、じっくり整理してみたい。
そんな方には、ビデオ相談もご用意しています。
出来事だけではなく、その時どう感じたのか。
なぜいつも同じところで苦しくなるのか。
一緒にゆっくり整理していきます。
繰り返す人間関係の疲れまで整理したい方は、ビデオ相談を選んでください。
「少し話してみたい」
そう思った時に、今のあなたに合う方法を選んでください。