事例紹介04|ビジョンを持つのが苦手な企業様の営業資料

記事
ビジネス・マーケティング
──従業員共通の価値観を「モットー」として再定義した事例
都内デザイン制作会社 L社様

事例紹介を再開!

こんにちは。さりりです。
しばらく更新が止まっていましたが、2026年からまた発信を再開します。

みなさんの参考になる記事のほか、自分の仕事についても発信していきますので、どうぞよろしくお願いします🙇‍♀️

今回は、私のお仕事紹介。
事例紹介としては4社目のお客様になります。

新規顧客獲得のための営業資料のご依頼

ある時、都内のデザイン制作会社 L社様より、
「新規顧客の獲得に力を入れたい。デザインは自分たちで作るので、構成やストーリーなど、上流部分をサポートしてほしい」
と、資料作成のご依頼をいただきました。

営業資料の作成は私の最も得意とするところ。
しかも自分と同業界のデザイン会社ということで、喜んでお引き受けすることにしました。

ビジョンから始める

私が営業資料を作る際、よく使うのがビジョンからストーリーを設計する方法です。

たとえば、ビジョンが、
 • 「明るい未来をつくる」なら、希望や前向きさを軸に
 • 「信頼される」なら、誠実さや実績を中心に
営業の物語を組み立てていきます。

L社様のビジョンは「デザインを通じて選ばれる」というものだったのですが、失礼ながら、「なんだかピンとこないな」と感じてしまいました。

その言葉と、これまでのお話から感じてきたL社様の姿勢が、どうも一致せず、違和感があったのです。

そこで、次のセッションでその印象を率直にお伝えしてみたところ、意外な言葉が返ってきました。

「実はビジョンを持つのが苦手なんです」

無理やり作ったビジョン

「指摘されてどっと冷や汗が出ました」
そう言いながら、経営者のO様が説明してくださったのが、以下のような状況でした。

 • ビジョンを持つのが大切とコンサルタントに言われ、言葉にはしてみたものの、自分でも違和感がある
・ピンとこないと言われたが、誰よりもそう感じているのは自分自身
 •というか、そもそもビジョンを持つこと自体が苦手
・自分だけでなく、従業員の多くが同じように言っている…

つまり、L社様は「ビジョンを持つのが苦手な企業」様だったのです。

念の為お伝えしておくと、L社様は決して小規模な事務所ではありません。

設立から25年以上を経て、デザイン事務所としては規模も大きく、専用の撮影スタジオや地方支社を持ち、多くの上場企業と10〜20年以上にわたる取引が続く、厚い信頼性を備えた企業です。

そんな企業様がビジョンが苦手? 
と驚いたものの、率直に心中を説明いただいたことで、私は視点を切り変えることにしました。

「ビジョンを持つのが苦手ということはよくわかりました。

個人でそういう方は多くいらっしゃいますし、会社は個人の集まりですから、ビジョンに苦手感がある会社があっても不思議ではありません。

しかし、貴社のご実績を伺う中で、ビジョンのような立派な言葉はなくても、皆様が共通して大事にしている価値観があるような気がするのですが…?」

共通の価値観

返ってきた答えは、大変シンプルなもので、

 • 目の前のクライアントに喜んでもらうこと
 • そのために、目の前の仕事に全力を尽くし、無心で取り組むこと

「これは従業員みんなが言っている言葉で、この点が評価されてクライアントとは長いお付き合いが続いている。

ただ、その反面、新規顧客がなかなか増えないということが課題で、ビジョンの策定や、今回の営業資料の作成依頼はそこをなんとかしたいと考えてのことなんですよ」

O様の言葉を聞いて、すべてがつながりました。

ビジョンではなく「モットー」で

L社様の場合、ビジョンを変更する必要はないと考えました。

すでにwebサイトにはビジョンが掲げられており、コンサルタント企業様とのお付き合いも続いているとのこと、ここで無理に方向転換をする必要はありません。

ただ、営業資料においては、「自分たちが自然にやってきた姿勢」を落とし込み、相性の良いクライアント企業や担当者と出会う機会を増やす方が、新しいクライアントの獲得につながると考えました。

そこで、次のような提案をしてみました。

「ビジョンは一旦横に置き、「モットー」としてみなさまの価値観を明確に打ち出してみませんか?」

「モットー」とは、自分たちは何者か、どう振る舞うか、何を裏切らないかを言葉にしたもの。
行動規範に近いでしょうか。

ビジョンと違って理想や未来を表す言葉ではありません。

しかし「目の前のお客様のために働く」、L社さまの優れたモットーは、営業の現場においてこそ、形にするべきだと感じました。

具体的には、

「目の前のお客様のために」を貴社のモットーとして、ストーリーを作る 
・実績紹介を単なる成果物の紹介ではなく、仕事の進め方を伝えることを重視
 • 可能な範囲で現場担当者の声を反映する
 • 従業員紹介ページを設け、スキルや体制を可視化し、安心感を高める

特に従業員紹介ページは、必ず全員を紹介することを提案しました。

営業資料やパンフレットに紹介されているスタッフの方が実際に担当するという体験は、顧客となる企業様にとって非常に重要なものになります。

また、自分が紹介されていることは、従業員の皆様のエンゲージメント向上にもつながるとも考えました。

提案の結果、無事に企画は承認され、次は実際にお仕事を担当された社員の方へのインタビューを行うことになりました。

そこで私は2つ目の「共通の価値観」について知らされることになります。

お客様のためにシナジーを

私がお話を伺ったのは、各部署のエースとも言えるディレクターの方達です。
この方達が資料で伝えてほしいこととして、口を揃えておっしゃっていた内容があります。
それは、

・お客様のためにと、社内で別部署同士が当たり前に連携していること
・常にお客様のために情報を収集し、提案に活かしていること
・それらが小さなシナジーとなり、優れたアイデアを提案する企業として、
 依頼が継続していること

これを伺った時、私は、これは価値観であると同時に、L社で働く方達の強い誇りでもあるのだと感じました。

スポットで営業資料の作成に入っただけの私に、本当の気持ちを聞かせてくださったことに感謝し、この点をかならず資料のコアな価値として反映させることを約束いたしました。

・目の前のお客様のために無心で働くこと
・お客様のために社内で意識して連携し、アイデアのシナジーを起こすこと
・お客様のためだけでなく、自分たちもそのことをとてもユニークに感じており、仕事のモチベーションとなっている

これが、ビジョンである「デザインを通じて選ばれる」という言葉の本意だったのです。

具体的な企業名を出さずにインタビュー内容をまとめ、構成に落とし込む作業は決して簡単ではありませんでしたが、試行錯誤を重ねながら、無事に納品することができました。

結果として、L社様の営業資料は、

 • 無理に「理想像」を語らない
 • しかし、仕事への姿勢、価値観や誇りは伝わる
 • 相性の良い顧客と出会うための資料

となり、大変喜んでいただくことができました。

後日、L社様のデザイナー様が仕上げた資料を共有していただきましたが、
非常に骨太且つクールなデザインでした✨(感動しました!)

普段は私自身がデザインまで手がけることが多いため、自分の企画を他のプロの方にデザインしていただくというのは、とても貴重な体験となりました。

L社さま、どうもありがとうございました!

この事例が示していること

営業資料においては、企業様が、何を大切にして、どう仕事をしているのかを言語化し、美しく表現し、そして社内で共有されることがとても重要です。

特にL社様では専門の営業チームを設けず、各部署のディレクターが営業も担っているとのことでしたので、共通の価値観として大切にしてきた言葉や、仕事への誇りが資料に反映されていることが営業の成功率を高めるものと考えます。

なぜならば、L社様に仕事を依頼したいと考える方は、上辺の言葉ではなく、仕事の姿勢や価値観を重視する方であるはずだからです。

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このように私の資料作成サービスでは、ご依頼1件1件に向き合い、企業様が本来持っている価値を引き出し、最大限に伝える資料を作成しています。

資料作りのセッションを通して、会社や事業の価値を見直すことも可能です。

興味のある方は、ぜひお気軽にメッセージからご相談ください🙇‍♀️

※本記事は守秘のため、固有名詞や詳細は伏せていますが、プロセスは実案件で用いたものです。


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