ビジネスの心得として有名な江戸時代の近江商人が唱えた「三方よし」はご存知の方も多いと思います。
三方よし 売り手よし/買い手よし/世間よし
売り手は生産者、買い手は顧客、世間は社会であり、自社本位の経営は存続できないという、商売に向き合う姿勢を教えてくれています。
この「三方よし」に、私は2つを加えて「五方よし」を心に留めて指導しています。
五方よし 売り手よし/買い手よし/世間よし/社員よし/家族よし
労働の中心は人であり、社員が気持ちよく働き、働く社員を支えているご家族にとってもよい経営が存続するという考えです。
そのために私は企業様の改善活動をスタートする時に、社長さんに次の事を提案します。
「社員の年収をアップしませんか、定時(残業0の定時退社)で」
「増益分の1/3を社員に分配して欲しい(経営者よし/労働者よし)」
プロであるからには、良い結果を出したらお金を得ることは正当なことであり、そのことで「もっと改善しよう」「より良い方法は無いか」という意欲が持続し、益々腕が磨かれます。
従って、増えた利益の1/3(全額ではない)を社員に還元することで努力を認め、プロ意識を高揚させます。
社長さんの了承が得られれば、指導開始のキックオフ(全社員が食堂などに集まってプレイボールの儀式)の中で、私から社員の皆様へ提言します。
「残業ゼロで、皆さんの年収をアップしませんか。そのためには今迄と同じ仕事の仕方では実現できません。プロならば努力し、その分は正当な対価を得ましょう。実現に向けて私は背中を押しますが、前に進むのは社員の総合力です。さあ、金額は皆さんが決めてください」
これを告げると全社員が「オッ」と前屈みになり、関心の高さが見て取れます。更に続けて、
「ムダなことをしていて年収アップは期待できません。徹底的にムダを排除して、ご家族に良い報告をしましょう」
仕事は価値とムダであることを理解し、ムダを排除します。
ムダについては別途詳しく記しますが、例えば「ものを探す」というムダを排除して、社会も顧客も企業にもマイナス影響はありません。
ムダを排除することで仕事の質と効率が向上し、社員の年収がアップすれば、ご家族にも喜ばれるので、家族の中でエースになれるかもしれません。
(既にエースならば、大エースになります)
このように、ムダを排除することで利益が増えれば、全ての人がハッピーになることを押さえておきましょう。