バックの中の小さな味方…手鏡のひみつ
記事
コラム
「バックに手鏡を入れておくといいよ」
そんな話を聞いたことがあります。
嫌なことを言う人や、
マウントを取ってくる人の言葉を、
鏡がそっとはね返してくれるのだとか。
本当かどうかは、わからない。
でも私は、
その話を気に入ってしまいました。
その話を聞いた日から、
私は小さな手鏡をバックに入れるように
なりました。
鏡って不思議です。
笑えば笑顔を映し、
しかめっ面をすれば、
そのまま返してくる。
良いも悪いも、ただ映すだけ。
人の言葉も同じなのかも…。
誰かを見下したり、
傷つけたりする言葉は、
案外その人の心を映しているのだろう。
ふとそう思ったら、
少し気持ちが楽になりました。
全部を受け止めない。
全部を自分宛にしなくていい。
誰かのとげとげした気持ちは、
その人のもの。
私は私の心まで曇らせない。
それからというもの、
バックの中の小さな手鏡は、
お化粧直しだけではなく、
心のお守りにもなりました。
嫌なことがあった日は、
そっと鏡を開いて自分の顔を見ます。
「大丈夫」
そう言ってくれているわけではないのに、
不思議とそんな気がするのです。
気がつくと私たちは、
心という鏡に自分ではなく、
誰かの言葉の機嫌を映してしまうことがあります。
だから、
嫌味を言われると落ち込み、
比べられると焦ってしまう。
でも、
映さなくていいものまで映さなくていい。
大切なのは、
誰かの顔色ではなく自分の笑顔。
心は鏡に良く似ています。
映すものを間違えると、
本当の自分の笑顔が見えなくなってしまう。
「あなたは、あなたのままできれいですよ」
その言葉を胸にしまうと、
背筋がすーっと伸びて、
足取りが少し軽くなります。
小さな手鏡は、
今日も静かに教えてくれます。