【第2回】 企業の広告(Web・チラシ)制作の流れ

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今回は、私が百貨店でWebディレクターをしていたときの実例を交えながら、企業での広告制作の流れをご紹介します。
企業には経営方針があります。それを指針にし経営戦略をたて、年間の宣伝計画を作り広告を制作していきます。
たとえば、3月は卒業・入学、5月はレイングッズなど、季節やイベントに合わせて内容を決めていきます。
実際の制作の流れはこんな感じです:

【企業の広告制作フロー】

まず、年間計画に基づいて、
「この季節にはこんな需要があるから、それに合う商品を紹介しよう」と企画を立て、準備を始めます。
たとえば6月なら……
→ 雨の季節
→ レイングッズが必要!
というように、計画的に動き出します。

① バイヤー(商品担当)
「これは紹介したい!」と思う商品を集め、社内でプレゼンを行います。
商品選定の意図や特長を共有するための大切なステップです。

② 制作ディレクター(社内)
広告制作の全体をまとめる、いわば“指揮者”のような役割です。
• バイヤーから商品や意図をヒアリング
• 掲載の可否やページ構成を検討
• デザイン会社に、必要な人材(デザイナー・ライターなど)を手配
• スケジュールを組み、全体の進行を管理

③ 全員集合の会議(バイヤー・ディレクター・デザイナー・ライター)
ここで、各担当が一堂に会して制作を詰めていきます。
• バイヤー:商品の特長を説明
• ライター:ヒアリングをもとに、魅力が伝わる文章を考える
• デザイナー:商品の魅力が引き立つよう、撮影方法やデザイン案を検討
• ディレクター:全体を調整し、内容や進行に漏れがないかを確認

④ スタジオ撮影
デザイナーが考えたデザイン構成(簡単な絵コンテ)をもとに、カメラマンに撮影を指示。
「どんなアングルで」「どんな雰囲気で」など、細かく調整していきます。

⑤ デザイン制作
撮影した写真やライターの文章を使って、ページのデザインを完成させていきます。

⑥ 初稿チェック(全員で確認)
完成した初稿(デザイン校正)を全員でチェック。
誤字脱字や表現の違和感がないかを細かく確認します。

⑦ 修正反映 → 再確認
初稿のフィードバックを反映し、必要に応じて再確認を行います。

⑧ 公開(Web・チラシ)
最終版を制作担当(Webならコーダー、紙なら印刷担当)が反映。
Webページであれば公開、紙媒体であれば印刷・配布となります。

このような流れで、広告制作が進んでいきます。
実は、紙媒体(チラシやカタログ)もこの流れで制作されており、Web広告はその仕組みを受け継いでいます。
もちろん、会社や制作会社によって多少の違いはありますが、大まかにはこのような形が基本です。

次回は、ココナラなどのクラウドソーシングで、少ない予算と人員でどう制作を進めていくかについてご紹介します。

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