法定相続情報一覧図に載る人・載らない人|相続放棄した方はどうなる?

法定相続情報一覧図に載る人・載らない人|相続放棄した方はどうなる?

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法律・税務・士業全般
「相続放棄をした人も、法定相続情報一覧図に名前が出るのですか」

ご相談でよくいただく質問です。答えは「出ます」。

意外に思われるかもしれませんが、ここには一貫した考え方があります。誰が載って誰が載らないのか、整理しました。

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【1】原則は「戸籍に書いてあるとおり」

法定相続情報一覧図は、戸籍謄本等の記載をもとに、法定相続人が誰かを明らかにする書面です。

登記官が確認するのも戸籍の記載だけです。裏返せば、戸籍に現れないことは書けません。

この一点さえ押さえておけば、載る・載らないはほぼ判断できます。

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【2】載る方

□ 相続放棄をした方

家庭裁判所で相続放棄が受理されても、そのことは戸籍に記載されません。ですから法定相続情報一覧図には、ほかの相続人と同じように記載されます。

法務局も、相続放棄や遺産分割の結果として実際には相続分を有しない方も記載される、と明記しています。

相続放棄申述受理証明書を添えても、法定相続情報一覧図に「放棄した」と書き加えることはできません。

□ 相続欠格に当たる方

相続欠格とは、被相続人や先順位の相続人を故意に死亡させた、遺言書を偽造・破棄・隠した、といった事情があるときに、法律上あたりまえに相続権を失う制度です(民法891条)。家庭裁判所の手続きは必要ありません。

ただし、欠格に当たることは戸籍に現れません。ですから法定相続情報一覧図には、そのまま記載されます。

□ 養子の方

実子と同じく記載されます。ただし相続税の申告に使う場合は、実子か養子かが分かるように記載しておく必要があります(相続税法施行規則16条3項)。「子」とだけ書いた法定相続情報一覧図は、申告の添付書類として認められません。

□ 代襲相続人の方

お子さまが被相続人より先に亡くなっている場合、お孫さまが代襲相続人として記載されます。亡くなったお子さまも「被代襲者」として図に表示されます。

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【3】載らない方

□ 廃除された方

相続人の廃除とは、被相続人に対する虐待や重大な侮辱などがあったときに、被相続人の請求により、家庭裁判所の審判でその方の相続権を失わせる制度です(民法892条)。生前に請求するほか、遺言で行うこともできます。

廃除が確定すると戸籍に記載されますので、法定相続情報一覧図には記載されません。相続権そのものがない方だからです。

なお、廃除された方のお子さまは、代襲相続人として相続人になります(民法887条2項)。相続欠格の場合も同じです。

ところが、廃除された方を書けない以上、その代襲相続人も書けません。実際には相続人である方が、法定相続情報一覧図に載せられないことになります。

ちなみに相続放棄の場合は代襲相続が起こりません。放棄した方は初めから相続人でなかったものとみなされるためです(民法939条)。

□ 認知される前のお子さま

遺言による認知や、死後の認知の訴えの場合、認知届が役所に提出されるまでは戸籍に現れません。届出前は記載できません。

□ 生まれる前のお子さま

相続が始まったときにお腹の中にいたお子さまは、生まれれば相続人になります(民法886条1項)。ただし出生届が出されるまでは戸籍に現れませんので、記載できません。

この場合は、お生まれになるのを待ってから申出をしてください。先に作ってしまうと、そのお子さまが載らない法定相続情報一覧図ができあがり、作り直しになります。

なお、残念ながら死産となった場合には相続人になりません(同条2項)。相続人が確定するのは出生の時点、とお考えください。

□ 内縁の配偶者、遺言で財産を受け取る方

法定相続人ではありませんので、記載されません。

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【4】ここが落とし穴です

載る・載らないとは別に、「作れるけれど、使えない」場面があります。

① お子さま全員が相続放棄をした場合

お子さま全員が放棄すると、実際にはご両親などの直系尊属が相続人になります。ところが戸籍にはお子さまの記載しかありませんので、法定相続情報一覧図にはお子さまを載せるほかありません。

直系尊属を書き足すことはできず、実態と合わない法定相続情報一覧図になってしまいます。この場合は使えないとお考えください。

② 廃除や相続欠格がある場合

廃除された方を書けず、その代襲相続人も書けないため、相続関係を正しく表せません。

相続欠格の場合は逆で、欠格に当たる方がそのまま相続人として載ってしまいます。どちらも、実際の相続関係とは違う図になります。

本来の相続人であるはずの代襲相続人が、法定相続情報一覧図には一切登場できません。これが「使えない」と申し上げる理由です。

③ あとから相続人が判明した場合

認知届が出された、お子さまが生まれた、といった場合、それ以前に作った法定相続情報一覧図は実態と合わなくなります。あらためて申出をやり直すことになります。

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【5】提出先には、別に説明が必要です

相続放棄をした方が記載されている法定相続情報一覧図を銀行に出すと、その方の関与を求められることがあります。

相続放棄申述受理証明書など、放棄を示す書類を別に用意しておくと、窓口でのやり取りがスムーズです。

法定相続情報一覧図はあくまで「戸籍上の法定相続人」を示す書面で、「誰が実際に財産を受け取るか」を示すものではない、という切り分けです。

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ご自身のケースが当てはまるか、ご相談ください

当事務所では、お手元の戸籍謄本等から法定相続情報一覧図を作成し、データでお届けしています。戸籍の収集や法務局への申出の代理も承っております。

「相続放棄した人がいるが作れるのか」「養子がいる場合はどう書くのか」といったご相談も歓迎です。戸籍を拝見して、作れるかどうかからご案内します。

ことぶき行政書士事務所
行政書士 堀部 晶子
東京都行政書士会所属/登録番号 第18081890号

※登記については司法書士に、税金については税理士にご確認ください。相続人の間で争いがある場合は、弁護士へのご相談をおすすめします。

※取扱いは法改正や法務局の運用により変わることがあります。手続きの際は管轄の法務局にご確認ください。

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