①相続が発生したら、まずやることは「現状把握」です
親が亡くなった直後は、葬儀や役所への届出などに追われ、「相続は何から始めればよいのだろう」と戸惑う方も少なくありません。
このとき、すぐに財産の分け方を決める必要はありません。まずやることは、遺言書や相続人、財産、借金などの現状を把握することです。
全体像がわからないまま進めると、後から借金が見つかったり、家族の間で認識の違いが生じたりすることがあります。慌てて結論を出さず、必要な情報を一つずつ集めましょう。
②そのままにすると期限に間に合わないことも
相続手続きには期限があります。
特に注意したいのが相続放棄です。原則として、自分が相続人になったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所で手続きする必要があります。
また、必要な人の準確定申告は4か月以内、相続税の申告と納付は原則10か月以内です。
「10か月あれば大丈夫」と思うかもしれませんが、不動産を売却して納税資金を用意する場合は注意が必要です。査定、相続登記、売却活動、契約、引き渡しまでに時間がかかり、納付期限に間に合わない可能性があります。
相続税がかかりそうな場合は、税額だけでなく、期限までに現金を準備できるかも確認することが大切です。
③最初に確認したい4つのポイント
1.遺言書があるか
自宅や貸金庫のほか、法務局や公証役場で保管されている可能性も確認します。自宅で遺言書が見つかった場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所での検認が必要か確認しましょう。
2.相続人は誰か
家族の思い込みだけで判断せず、亡くなった方の戸籍を集めて確認します。
3.財産と借金はいくらあるか
預貯金、不動産、保険、証券口座だけでなく、ローン、カード利用、借入金、保証債務なども調べます。
4.いつまでに何をする必要があるか
相続放棄、準確定申告、相続税申告、不動産の相続登記などの期限を一覧にします。
④相続放棄でやりがちな失敗に注意しましょう
相続放棄を考えている場合は、亡くなった方の財産を勝手に使ったり、処分したりしないことが大切です。
例えば、故人の口座から預金を引き出して自分の生活費に使う、自動車や貴金属を売る、価値の高い家具や家電を持ち帰る、遺産分割協議書に署名して財産を受け取る、といった行動には注意が必要です。
こうした行為により、相続する意思があったと判断され、相続放棄が難しくなる可能性があります。
また、預貯金が300万円あるから大丈夫だと思っていたところ、後からカードローンや保証債務が見つかることもあります。「借金はないだろう」と思い込んで調査を後回しにし、3か月を過ぎてしまうことも避けたい失敗です。
葬儀費用を故人の預金から支払う場合などは、事情によって判断が分かれることがあります。相続放棄の可能性が少しでもある場合は、財産に手を付ける前に弁護士などへ相談しましょう。
⑤今日からできるのは情報を一覧にすることです
ノートなどに「確認できた財産」「借金」「必要書類」「手続き期限」「相談先」を書き出してみましょう。
すべてを一度に調べる必要はありません。まずは家族で情報を共有し、通帳、郵便物、保険証券、固定資産税の通知書などを一か所に集めるだけでも、現状を把握しやすくなります。
まとめ
相続が発生した時に最初にやることは、財産を分けることではなく、現状把握です。
遺言書、相続人、財産と借金、手続き期限の4つを整理すると、次に何をすべきかが見えてきます。特に、相続放棄の可能性がある場合や、不動産を売却して納税資金を準備する場合は、早めに動くことが大切です。
何から始めればよいかわからない場合は、一度状況を整理してみることがおすすめです。
私はFP2級保有・金融機関勤務経験を活かし、終活や相続準備に関する確認ポイントを整理する『終活チェック診断』サービスを提供しています。
ご興味がありましたらお気軽にご相談ください。