先日の続きです。
毎日、神社で掃除をしているうちに、
階段を何度も上り下りするおかげで、
徐々に体力がついてきました。
そんなある日、何度目かの厳島神社へ
行くことになりました。
以前のブログで「写真を撮りたい」
と書いていた神社は、この厳島神社のことです。
満潮時の神社はとても美しく、人々を魅了します。
何度訪れてもまた行きたくなる場所ですが、
今回はこれまでとは事情が違っていました。
前回までは1泊2日でゆっくり参拝していたのですが、
今回は日帰りです。
単純にお金がなく、節約のためでした。
そのため、朝一番の新幹線に乗る必要があり、朝4時起き。
それでも楽しみな気持ちを胸に、厳島神社へ向かいました。
お昼前に到着し、いつものようにフェリーに乗り込みます。
神社ではしっかりと手を合わせ、感謝の気持ちを伝えました。
「おかげさまで体力もつき、日帰りで来られるようになりました」
そんな言葉も伝えていたと思います。
その後、いつものように弥山にある弘法大師ゆかりの
「消えずの火」がある霊火堂を目指しました。
ロープウェイで向かおうとすると、人がまばらです。
違和感を覚えつつ駅へ向かうと、なんと点検のため運休中でした。
何も調べずに来た自分が悪いのですが、まさかの出来事に唖然としました。
そのとき、心の中で二つの選択が浮かびます。
(運休なら仕方ない、今回は諦めよう)
(いや、登山道を登ってでも行かなきゃ)
これまでロープウェイで楽をしてきたため、
登山など考えたこともなく、体力にも自信はありません。
「体力がついてありがとうございます」などと気軽に
感謝していた自分を、どこかで恥ずかしく感じました。
そういえば出発前、先生から「弥山の霊火堂にも必ず行くように」
と言われていました。
そうなると、もう行くしかありません。
覚悟を決めて登ることにしました。
道中では、同年代くらいのカップルが楽しそうに登っており、
さらに、少し腰の曲がったおばあちゃんまでもが元気に登っています。
一方の私は、すでに息も絶え絶え。
体力がついたとはいえ、まだ人並みにも届いていませんでした。
それでも「ここで登らなければいけない」という思いだけは
途切れず、必死に登り続けました。
すると不思議なことに、途中から少しずつ楽になってきたのです。
理由はわかりませんが、「楽ならいいか」と思いながら登り続け、
気づけば途中で追い越された人たちを逆に追い越すほどの
ペースになっていました。
そしてようやく目的地へ。
……しかし、あるはずの霊火堂が見当たりません。
近くにいたお坊さんに尋ねると、雷による火事で
焼失してしまったとのことでした。
ただし、「火そのものは途絶えないように保管してあります」
と聞き、ほっと胸をなで下ろしたのを覚えています。
ともあれ、登り切ったことで、言葉にできないほどの充実感と
幸福感に包まれました。
(登れたじゃん)
そう思ったとき、「間違った選択をしなくてよかった」
と心から感じました。
同時に、先生がよく言っていた
「試されることがあるから気をつけなさい」
という言葉が頭をよぎります。
ロープウェイが動いていないことを理由に帰ろうとしていた
自分を思い返し、あらためて正しい選択ができたことに安堵しました。
翌日は、心地よいどころか、笑うと全身が痛むほどの筋肉痛に
なりましたが、それすらも充実感の一部でした。
そのことを先生に話すと、笑いながら
「うん、うん。よかったね」
と優しく答えてくれました。
そして、こうも言われました。
少し良くなると気が緩み、試されることがある。
だからこそ、これからも気をつけなさい、と。
ーーー
「調子に乗って天狗にだけはなってはいけないよ」
と言われていましたが……
こちらは、先のお話になります。
ーーー
その後、ようやく願いが……
続きます。