コペル君の視点

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”コペル君は、すぐ、真下の銀座通りを見おろしました。自動車、自動車・・・。そういえば、あのかぶと虫のような自動車の一つ一つに、やっぱり人間がいるのでした。”

アニメにもなって人気の「君たちはどう生きるか」の一節。デパートの屋上から雨の降る町を見おろしているコペル君のこの視点は、私にもとても身近なものだ。はるか上空から見下ろしている自分から見たら、一つ一つは豆粒のような車や人々。でも実は、あの小さな一人一人に大切な家族や長い歴史、そして悩みや喜びや・・・それぞれが抱えている大きなものがあるんだな、と思う時のなんとも言えない不思議さ。それは、宇宙を考える時の感動に似ている。私のいる地球は大きな太陽系にある惑星で、でも太陽系は天の川銀河のほんの小さな点であり、その天の川銀河もまた宇宙に数えきれないほどある銀河のたったひとつにすぎない・・・というクラクラするような事実。この二つのことはいつも私に大きな驚きと、なぜか気持ちが少しラクになる気付きを与えてくれる。

おそらく小中学生の生徒さんにとっては、「明日の宿題やらなくちゃ」「来週の塾のテストどうかな」と、身近で目先のことが「世界」であろう。いや、おとなだって普通は「今日の夕食何にしよう」「上司に嫌味を言われて頭にきた」「明日着ていく服がない」と、やはり目先のことで一喜一憂する日々がほとんどだ。そこでは「自分」が世界のほとんどを占める。時にはそれらのことで頭がいっぱいになり、どうしていいかわからなくなることもある。でも、そんな時にこの「コペル君の視点」や「宇宙を考える視点」を思い出すことで、自分をとりまく問題や悩みの見方がかわり、少し肩の力が抜けることがあるのではないかな、と思う。雨の銀座の街のあの豆粒のように見える一人一人も自分と同じような苦しみを抱えているのかもしれない。もしくは、自分の今の悩みは宇宙の中で考えたら小さな小さな針の先ほどのことではないかな、と。

日々の学習や、思うように上がらないテストの点数に追われている生徒さんがいたら、このような視点もあることをちょっとお話ししてみると、ふっと気が楽になることがあるかもしれないなと思う。


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