優しい風景~詩の読解~

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学び
先日、中学生の生徒さんとの授業で、とても好きな詩に出会った。

だれも乗らないバス

バスに乗ったら空っぽだった
だれも乗ってこなかった
ぼくはなんだかうろたえた
ぼくの降りる駅はすぐきたが
ここで
ぼくが降りたら
バスは空っぽになる
むだに走ることになる
だれかひとりでもお客さんが載ってくるまで
ぼくは乗っていることにした
しかしどのバスストップでも
だれひとりとして乗らなかった
ちいさい雨が降ってきて
街はさびしそうな感じになり
バスは肩をすくめるようにして
恥じらいながら走っていった
そして
とうとう終点へきてしまった
運転手はぼくの顔を見て
てれくさそうに笑った
弱点をさらけだした同志のように
ぼくも笑った

       (やなせたかし「幸福の歌」より)

なんてやさしい、なんてささやかな、そしてしあわせな光景だろう。これを読んでまた一層やなせたかしさんの思いやりにあふれた一面を見たように感じた。

これだから国語を教える仕事が大好きだ。 思いがけず宝物のような作品に出会える。そして生徒さんと一緒にそれを味わうことができる。


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