ぼくはともちゃん。
ぼくはいい子ちゃんで育った。ぼくはとてもはずかしがりで人見知りが今でもきつい。
ぼくが小さいころ、ぼくのうちにはくりちゃんという犬がいた。くりちゃんは雑種でうすい茶色で、目がくりくりしているとても人懐こい犬だった。友だちと遊ぶときもくりちゃんは一緒にいることが多かった。
ある夕方、友だちと遊んだ帰り道。向こうからちょっと色は濃くて大きいけれど、くりちゃんそっくりの犬が来た。くりちゃんは頭を低くして尻尾をぐるぐる振り回しながらその犬に近づいて行った。あとでわかったことなんだけれど、その大きい犬はくりちゃんのお姉さんだったらしいんだ。
うちへもらわれてくるまでのほんの短い時間しかお姉さんと一緒には暮らしていなかったはずなのに、くりちゃんにもちゃんとわかるんだね。
くりちゃんが死んだとき、ぼくは泣くのが怖くてくりちゃんに会えなかったんだ。弟のげんちゃんが泣きながらママと一緒にくりちゃんを埋めてくれたんだ。建て替えた今の家の庭にまだ埋まってる。
悲しみは悲しみでいい。でも、悲しみは苦しみと一緒じゃだめだよ。
今夜は終戦記念の夜なんだ。