前回は、実際の機器のイメージと漢字の「電」、そして2列に並んだアルファベットが融合したデザインが特徴である未来の地図記号「電子基準点」について紹介しました。
次は、漁業(※魚介類や海藻類を捕獲したり、養殖すること)の中心地となる港のこと「漁港」の地図記号について紹介します。
従来の記号は、上の先端部分に黒丸がついたシンプルな「錨(いかり)」の形が特徴です。
ここで錨とは、船を流されないように一定の場所に留めるおもりであり、船のシンボルとも言われており、その形を記号化にしたのが由来です。
上記のことを頭に入れておきながら、再び見たところ以下のような疑問が湧きました。
「漁業や船に関わっていない人から見ると、錨の形だけでは『漁港』のイメージが伝わらないのでは?」
「錨は何のために使うかが分からない人すら多いと思われるのに、なぜ『漁港』の地図記号は錨の形なのか?」
「『漁港』は漁業の中心地なのに、なぜ、誰が見ても分かりやすい魚や船のシンプルなイメージの組み合わせのデザインが記号として採用されないのか?」
「『フェリー』の乗り場は『漁港』の地図記号に含まれるのか?」
このように思った私は、次のように未来の地図記号として表現しました。こちらです。
「漁港」の象徴的な存在で進行中の小型船に乗っている魚をイメージと、「漁」という漢字とを融合した姿で表現しました。
さらに、この「漁」と言う文字はただの文字ではなく、部首の「れんが」が海の波のイメージとして表している所も工夫しています。
また、「漁港」の英語表記「fishing harbor」(※fishing portともいう)であることから、魚のイメージに「harbor」と明記しています。
※「port」「harbor」はどちらも港という意味ですが、荷物などの拠点をもつような機能や役割のイメージのある港のことを「port」で、波が入ってこない休める空間の港のこと「harbor」というそうです。
私は「harbor」の方が覚えやすいと思って書きました。
これは、訪日客にも理解できるように考えながら作成しました。
「漁港」のほかに同じ港の場所でもある「地方港」「重要港」がありますが、その記号について後ほど紹介します。