こんばんは。
「コンテンツマーケット」でのコンテンツ販売についてです。
以前よりマイプランはありましたが、本業に時間とエネルギーを傾ける状況もあり、出品には至っていません。
そうではあるのですが、直近のマイプランは以下のとおりです。
(マイプラン)
①タロットリーディングのためのタロットカードの教科書
カード78枚。それぞれのカードについての教科書(解説書)になります。
各カード1枚ごとに、「解説」、「スプレッド例」、「リーディング例」、「エネルギー的解釈」、「量子力学的解釈」、「対話でわかりやすく理解」、「象意恋愛物語」、「象意ビジネス物語」、「Q&A」といった構成になります。無料特典として、Google NotebookLMを活用した音声解説・スライド動画解説を予定しています。無料とした理由は、NotebookLMが日本語の読みを正しくできない場合が一部にあるからです。それでも内容を理解するにはまったく問題はありません。それにNotebookLMの説明は大変に優れており理解を目的とした音声解説とスライド動画解説を使わない手はありません。全部で78コンテンツになる予定です。
②百人一首で学ぶ女性起業家のための知恵と実践の教科書
百人一首を通じて、百種類の心が奏でる象意をビジネスに応用した教科書になります。各々の和歌に込められた論理と感情をビジネスとしてビジネスフレームワークも活用して、その知恵と実践を身に付けるための教科書になります。ワークシート付で思考を深堀できます。各々の和歌ごとに、「解説」、「ワークシート」、「対話でわかりやすく理解」、「女性起業家物語」、「Q&A」といった構成になります。無料特典として、Google NotebookLMを活用した音声解説・スライド動画解説を予定しています。全部で100コンテンツになる予定です。
※①も②も1カードごと1和歌ごとの出品予定です。
他にもありますが、まずは上記2式のコンテンツを考えています。
今回のブログでは、「百人一首で学ぶ女性起業家のための知恵と実践の教科書」より「女性起業家物語」の一部をご紹介させていただきます。
白 妙 の 衣
(女性起業家物語)
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の
衣ほすてふ 天の香具山
― 持統天皇 ―
プロローグ
五月雨の窓辺で
五月の雨は、空気ごと街を押し潰すような重さを持っていた。
香山咲希は、自分の店のカウンターに頬杖をついたまま、窓を打つ雨粒をぼんやりと眺めていた。ガラスを伝って落ちる水滴が、外の景色を歪めている。
向かいのビルの輪郭が、まるで水彩画のようににじんで見えた。
肩が、重い。
無意識のうちに首を回すと、ゴリゴリという鈍い音が自分の耳に届いた。いつからだろう、こんなふうに身体が強張るようになったのは。
「Herb & Aroma 香凛」——三年前、三十一歳の誕生日に、咲希はこの小さな店を開いた。大手化粧品メーカーを辞め、貯金のすべてを注ぎ込んで。
周囲の誰もが反対した。安定を捨てるなんて馬鹿げている、と。
でも、あの頃の咲希の胸には、消えない炎があった。
自然の力で、人を癒したい。忙しい日々の中で疲れ切った人たちに、ハーブやアロマの香りを届けたい。自分が救われたように、誰かの心をほぐしたい。
その想いだけを握りしめて、咲希は走り出した。
最初の一年は、夢中だった。朝から晩まで店に立ち、一人ひとりのお客様に丁寧にハーブティーをブレンドし、アロマオイルの効能を説明した。お客様の笑顔が、何よりのご褒美だった。
二年目、少しずつリピーターが増えた。「咲希さんに選んでもらうと、なぜかぴったり合うの」。そう言ってもらえることが、嬉しくてたまらなかった。
けれど——。
三年目の今、咲希の心には、じわじわと影が差し込んでいた。
売上は横ばい。いや、正直に言えば、少しずつ下がっている。近所に大型のオーガニックショップができ、駅前にはチェーン店のハーブティー専門店がオープンした。SNSを見れば、同業者たちがキラキラと輝いて見える。フォロワー数万人のインフルエンサー起業家、メディアに引っ張りだこの若い女性経営者……。
私は、何をやっているんだろう。
ふと、手元のスマートフォンに目を落とす。画面には、今朝投稿しようとして結局やめた、ハーブティーの写真が残っていた。「どうせ誰も見てくれない」。そう思って、投稿ボタンを押せなかった。
浅い呼吸が、胸の奥に溜まっていく。
吸っても吸っても、空気が足りない気がする。
——このままでいいのだろうか。
——いや、このままではいけない。わかっている。わかっているのに、どうすればいいのかが、わからない。
雨音が、静かに店内に染み込んでくる。
ドアについた古い鈴が、かすかに揺れた。風が、少しだけ入り込んだらしい。
その時——。
「あら、開いてたのね。よかった」
聞き覚えのある声に、咲希は顔を上げた。
入り口に立っていたのは、白髪を短く整えた、品のある女性だった。七十代半ばだろうか。藤色の雨傘を畳みながら、柔らかな笑みを浮かべている。
「柊さん……」
柊みどり。開店当初からの常連客で、月に一度、必ずハーブティーを買いに来てくれる人だった。元国語教師で、今は近くの公民館で書道を教えているという。
「こんな雨の日にすみません。でも、今日しか時間が取れなくて」
「いえ、ありがとうございます。いつものブレンドでよろしいですか?」
咲希は立ち上がり、棚に手を伸ばした。ラベンダーとカモミールを基調にした、柊さん専用のブレンド。眠りが浅いという彼女のために、三年かけて調整してきた配合だ。
「ねえ、咲希さん」
茶葉を量っている手が、ふと止まった。柊さんの声に、いつもと違う響きがあったからだ。
「……はい?」
「あなた、最近、少し元気がないように見えるの」
心臓が、小さく跳ねた。
「いえ、そんな……」
「私ね、人の顔色を見るのだけは得意なの。長年、子どもたちを相手にしてきたから」
柊さんは、カウンターの椅子にゆっくりと腰を下ろした。窓から差し込む薄明かりが、彼女の白髪を淡く照らしている。
「悩んでいるんでしょう? お店のこと」
咲希は、何も言えなかった。図星だったから。そして、誰かに見抜かれたことが、少しだけ、救いのようにも感じられたから。
「……正直、どうすればいいか、わからなくなっているんです」
言葉にした途端、声が震えた。
「最初の頃は、ただ夢中で。でも今は、周りを見ると、みんな私より先に行っているように見えて。私だけが、止まっているような気がして」
柊さんは、静かに頷いた。
「それでね、咲希さん。今日、あなたに渡したいものがあるの」
彼女は、持っていた布製のバッグから、一冊の本を取り出した。
古い本だった。表紙は褪せた藍色で、金の箔押しで「百人一首」と記されている。
「これは……?」
「私の祖母の形見なの。もう何十年も前のものだけど、時々開いては、昔の人の知恵に助けられてきたわ」
柊さんは、本をそっとカウンターに置いた。
「特に、二番目の歌が好きでね。持統天皇という方が詠んだ歌なの」
「持統天皇……」
「ええ。千三百年前の女性よ。でもね、彼女が詠んだ言葉の中に、今を生きる私たちへのメッセージが隠されていると、私は思うの」
柊さんは、本を開いた。黄ばんだページに、流麗な筆文字が並んでいる。
「春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山」
声に出して読み上げられた言葉が、雨音の中に静かに溶けていった。
「季節の歌……ですか?」
「そう、一見するとね。でも、この歌を詠んだ人がどんな人物だったかを知ると、見え方が変わるわ」
柊さんは、咲希の目をまっすぐに見つめた。
「咲希さん、少しだけ、この歌と向き合ってみない? きっと、あなたの中にある答えを、見つける手がかりになると思うの」
窓の外で、雨脚が弱まり始めていた。
分厚い雲の隙間から、一筋の光が差し込んでくる。
咲希は、古い本の表紙にそっと指を触れた。
指先に伝わる、紙の温もり。
誰かの手から手へ、何十年も受け継がれてきた重み。
——春過ぎて、夏来にけらし。
胸の奥で、何かが、かすかに動いた気がした。
(以下省略)
思い考えるのですが、
物語化するとイメージが広がり疑似体験的感覚を得られるかと思います。
この人間がもつイメージでき感じる能力を喚起させる「物語」は、本質的な理解を広く深く促進させる働きがあるかと思っています。
その意味での物語化になります。
そのうちに出品できるかと。
来週ぐらいには。
お読みくださって、ありがとうございました。